【徹底解説】弁護士の仕事内容とは?費用や資格、1日のスケジュールなども解説!

ドラマなどでも話題になっている「弁護士」というお仕事ですが、仕事内容や年収など、どうやってなれるのか、社会人でも弁護士資格は取れるのか?を徹底解説します!

弁護士について

仕事内容、業務内容

依頼者から相談を受け、相手方との争い方として、任意での交渉、調停、訴訟等のどんな手続きを取るかを決めます

交渉なら相手方への通知書、調停・訴訟なら裁判所に提出する書面を作成します。

その後は交渉なら相手方からの回答に応じて依頼者と協議して更に書面を作ったり、相手方の代理人と電話で交渉したりします。調停、訴訟なら裁判所の期日に出廷して、裁判所の指揮に従って、更なる書面や証拠を提出したりします。

 通常業務としては、こうして受任した各事件が同時並行して進むことになります。だいたい20~40件前後の事件を担当することになるでしょう。その事件ごとの状況に応じて電話応対(依頼者への連絡や相手方からの連絡等)や書面作成等を行うことになります。その他に顧問先からの相談や契約書チェック等の業務を行うこともあります。その他に弁護士会から割り当てられた法律相談に出張したり、国選事件のために拘置所や警察署に接見に行ったりしなければなりません。

弁護士の1日のスケジュール

 通常は日中は電話応対や相談等の対応に追われ、書面作成は夜や早朝に行うことにしている弁護士が多いです。

1日のスケジュールとしては、基本的には朝9時ころに事務所に来て、メールや、昨日退所後に送られてきた書面に目を通すところから始まります。

何もなければ基本的には書面作成や依頼者から送られてきた資料から裁判所に提出する証拠の選別などの事務作業を行いますが、日中は各事件の関係の電話応対に追われることが多いです。

電話を受けて急遽書面を作成しなければならなくなったり、その電話を受けてさらに依頼者や相手方に電話連絡したりなどの対応をする必要があり、日中はこうしたやりとりを続けていることが多いです。

また、新規案件の相談に応じたり、継続事件の打ち合わせで依頼者に事務所に来てもらったりします(こうした相談、打ち合わせは1件あたりだいたい30~60分程度かかります)。

裁判所の期日が入っている場合にはその時刻に裁判所に行かなければいけません。調停のような裁判所での話合いや、裁判の中で尋問が入っている場合には、2~3時間程度は裁判所にいなければなりません

裁判所から事務所に戻ると、不在の間にかかってきた電話やメールの対応をします。

こうして1日が過ぎていきますので、裁判所に提出する書面等の時間のかかる作業は電話が来なくなる夕方6時以降になります。また、依頼者によっては、仕事が終わる夕方以降しか来所できない方もおられるので、夕方7時、8時ころから相談に応じるということもあります。

 また、夕方7時以降は国選の刑事事件で被疑者、被告人と面会するために警察署に行くことも多いです。

これは、警察署の面会室は一つしかなく、日中は一般の方が被疑者と面会するために面会室が使用されていたり、被疑者が実況見分や検事調べのために外出していて面会できないことが多いからです。

また、弁護士側としても日中は電話応対等に追われるので、日中に警察署に行くのは難しいという事情もあります。

 裁判所に提出する書面の作成や被疑者との面会などは自分でタイムスケジュールを組んで、どのようにこなしていくかを決めなければなりません。場合によっては深夜遅くや、早朝に事務所に出て書面作成していることもあります。

必要な資格

現在の司法試験の受験資格は

①法科大学院(ロースクール)を卒業するか、
②予備試験に合格するかのいずれかです。

①は卒業後5年以内、②は合格後5年以内という期間制限があります

5年以内に合格できなかった場合は改めてロースクールに行くか、予備試験を合格しなければなりません。

年収や収入は?

各弁護士により異なりますが、一般的に、事務所に雇われる勤務弁護士であれば事務所からの給与は約600万円~800万円程度が多いと思います。

事務所からの給与のほかに自身の国選事件や個人受任事件の収入がありますので、トータルでの収入は各弁護士により大きく異なります。

国選事件の割当て件数は弁護士会毎に異なります。大阪だと多くて月に1件程度だと思います。国選報酬は、1件あたり10万円~20万円程度です(被疑者国選だと面会した回数、被告人国選だと出廷した回数等により報酬額が変動します。)

個人受任事件は、事件の額(請求額)等により着手金、報酬が変動します。ですので、年収は受任した事件により大きく変動します。

年齢制限はあるの?

受験資格に年齢制限はありません。誰でも受けることは基本的には可能です。

弁護士資格を取るまでの費用はいくら?

受験手数料は、司法試験で28,000円、予備試験で17,500円です。

ロースクールに通う場合はその学費(私学で年間約100~120万円、国公立で約50万円)がかかります。

また、司法試験は、少なくとも2年程度は受験勉強に専念しなければならず、できればアルバイト等も控えた方が良いので、その間の生活費等も含めるとそれなりの費用がかかることになります。

社会人でも弁護士になることはできる?(最短でどれぐらい)

受験資格に制限はありませんので、理論上は働きながらでも弁護士になることは可能です。

ただ、司法試験に合格しようと思うと朝から晩まで勉強するという生活を最低でも2年程度は続けなければいけませんので、働きながら取得するというのは相当困難だと思います。

社会人で弁護士を目指すにはいったん退職してロースクールに通うか、予備試験合格を目指して勉強に専念することをお勧めします。

司法試験や予備試験などの難易度、勉強方法について

予備試験の合格率は4%前後です。司法試験はロースクール卒業者と予備試験合格者が受験して、その合格率は25%前後です(ただし、令和元年度は33%だったそうです)。

勉強方法はどの勉強方法がオススメか?(独学、通信教育、予備校など)

独学や通信教育はモチベーションを保つのが難しいです。

お勧めはやはりロースクールに通い、ロースクールの課題をこなしながら自分の勉強をするということでしょう。

ロースクールの授業は講義形式よりも生徒間のディスカッション形式を取り入れている学校が多いです
積極的に議論に参加することで、自分の理解度も深まります。

ロースクールの最終学年で、各予備校が主催している答案練習を受講してみるのも良いと思います。ただ、答案練習は各ロースクールでも頻繁に行っていると思いますので、まずはロースクールでの答案練習に積極的に取り組み、予備校の答案練習はいずれかの予備校の一つだけ受講する程度でよいと思います。
(独学での勉強はできるのかなど)

強いモチベーションを保てる方なら独学でも可能だと思います。

ただ、自分の勉強方法があっているのか等の不安になることが多く、最低でも2年くらいは勉強漬けの日々を過ごすことになると思いますので、強い覚悟が必要です。

ロースクールであれば、同級生と議論したり、教授に質問できたりするので、勉強のモチベーションを保つことができると思います。同じ理由で、予備試験から受験する場合であれば司法試験予備校に通って同じ受講生とコミュニケーションをとるようにした方が良いと思います。

オススメの参考書や、テキスト、問題集など

まずは、基本六法の基本書と言われるものがお勧めです。

憲法だと芦辺信喜先生の「憲法」、行政法だと宇賀克也先生の「行政法」「行政法、民法だと内田貴先生の「民法」~「民法、民事訴訟法は伊藤眞先生の「民事訴訟法」、刑法だと前田雅英先生や大谷實先生の「刑法総論」「刑法各論」、刑事訴訟法は田宮裕先生の「刑事訴訟法」、会社法は江頭憲治郎先生の「株式会社法」がオススメです。それと各基本六法の判例百選は必読です。

各科目の基本書は1冊でよいので、何度も繰り返し読みましょう。何冊もいろいろな本に手を出すことは、時間の浪費になるのでお勧めできません。

 問題集や演習本等は、これらの基本書や判例百選を読み終えたら手を出すという感じでよいと思います。

 勉強法としては、基本書や判例百選を読みながら、その理解した内容を条文の中に落とし込むイメージをもって臨むことがお勧めです。なぜなら、論文試験では六法を参照できるからです。日頃の勉強の中で条文の中に理解した内容を落とし込み、条文を読めば、その趣旨やその条文を巡って争われた裁判例等の記憶喚起ができるようになっていれば、論文答案を作成する際に問題分析や答案構成の作成スピードが格段に速くなります。そうしたことを意識して日々勉強すれば合格に近づけると思います。

執筆・監修 Y.K

大阪大学法学部、関西大学法科大学院を卒業し、新司法試験に受験1回で合格。現在、弁護士登録して約12年に。弁護士としては勤務弁護士(いわゆる「イソ弁」として、債権回収や相続・離婚等の一般民事事件のほか、刑事事件も取り扱っています。