簿記の難易度は?合格率を3級・2級・1級で比較して解説

社会人にとって役立つスキルとしてとても人気の簿記資格ですが、どのくらい難しいのか気になる方も多いのではないでしょうか。数多くの簿記検定がある中で、一般的なのが日商簿記です。

この記事では、日商簿記の合格率や難易度について説明します。

日商簿記の難易度

日商簿記の合格率・勉強時間を比較

まずは日商簿記3級、2級、1級の難易度を比較してみましょう。

合格率 勉強時間
3級 40〜50% 150時間以上
2級 15〜25% 300時間以上
1級 10%前後 700時間以上

合格率で見ると3級は合格率50%と半分が合格するため、初学者が取り組みやすい試験と言えるでしょう。
2級は年によってばらつきがありますが、15〜25%とやや難しくなっています。
1級は10%なので、公認会計士や行政書士などと同等の難関試験です。

勉強時間については、初学者が合格のレベルに達するまでの時間なので、元々簿記や会計の知識のある人は、その分だけ勉強時間は短くなります。

また、合格基準は全級70%以上ですが、1級は1科目ごとに40%以上の足切り点があります。

どれくらいの期間で合格できる?

勉強期間については、時間を費やせる状況が各々違いますので、一概には言えません。
ただ、単純な計算で算出すると、
13時間勉強すると考えて、3級で1か月、2級で3か月、1級で1で合格に必要な勉強時間に到達します。実際は、平日と休日の勉強時間の違いや、仕事やプライベートの状況、体調などの様々な要因が関係しますので、算出した期間はあくまでも目安として考えてください。

簿記3級の難易度

3級は、「ビジネスパーソンが身につけておくべき経理に関しての必須の基本知識」が問われます。毎年30万人近くの人が受験する大人気資格です。

簿記3級の合格率の推移

合格率
154回(2020.2.23) 49.1%
153回(2019.11.17) 43.1%
152回(2019.6.9) 56.1%
151回(2019.2.24) 55.1%
150回(2018.11.18) 43.8%
149回(2018.6.10) 44.3%

簿記3級の合格率は大体40〜50%です。

簿記3級合格に必要な勉強時間

簿記3級合格に必要な勉強時間は、150~200時間だと言われています。
個人差はありますが、一般的には独学で試験の1~2ヶ月前に勉強を開始することが多いようです。

3級は、勘定科目仕訳のルールの理解と暗記が重要です。基本的な仕訳問題は、考える前に鉛筆が動くレベルを目指しましょう。

士業系資格のように、半年~1年も前から勉強をする必要はありません。集中的に勉強できる時間を確保し、徹底的に問題練習をすれば十分に合格できる可能性があります。

1週間で合格できる?

ネット上で「簿記3級は簡単」「1週間くらいで合格できる」などの投稿が見られます。しかし、決して鵜呑みにしないで下さい。

学習環境や基礎的な知識量、学力などで個人差がありますので不可能だとは言えません。
初学者でも、疑問点が出てもすぐに解消できればどんどん前に進めます。1日12時間の勉強を1週間続ければ、合格できるかもしれません。

ただ、実際にはそのような環境で勉強できる方は少ないのではないでしょうか。
あえて1週間という短期を想定するのではなく、1~2ヶ月前から勉強をスタートして確実に合格できるようにスケジュールを組むことをおすすめします。

しっかりと準備すれば独学で合格できる

3級は簿記資格の中で、入門的な位置づけです。2級や1級と比較すれば合格率は高く、しっかりと準備すれば独学でも合格できる試験です。
難関資格試験の場合、専門的な知識の内容を理解するだけでかなりの時間を要します。

しかし、簿記3級の場合は理解よりも暗記が必要な内容です。もちろん、簿記用語や取得原価、利息勘定など一部専門的な知識の理解が必要な箇所もありますが、それほど苦労しないでしょう。
しっかりと勉強すれば、十分に合格できる資格なのです。

簿記2級の難易度

3級は商業簿記のみですが、2級は商業簿記に工業簿記・原価計算が加わり、難易度はアップします。

簿記2級の合格率

合格率
154回(2020.2.23) 28.6%
153回(2019.11.17) 27.1%
152回(2019.6.9) 25.4%
151回(2019.2.24) 12.7%
150回(2018.11.18) 14.7%
149回(2018.6.10) 15.6%

149回~151回の合格率は、15%前後と低い値を推移しています。以前は50%近くの合格率が出ることもありましたが、近年は25%辺りから上昇しています。

簿記2級合格に必要な勉強時間

初学者が2級に合格するためには、300時間近くの勉強時間が必要です。ただし、3級程度の簿記の知識があれば、200時間弱の勉強時間で合格することは可能でしょう。

それでは、簿記の知識を合格レベルまで上げるには、どれくらいの期間が必要でしょうか。単純な計算にはなりますが、1日3時間の勉強時間を確保できる人で、初学者であれば3か月強、3級程度の簿記の知識がある人であれば2か月強の期間が必要です。

ただ、上記の計算はあくまでも単純な計算です。それに、勉強に集中できるまとまった期間を確保できるのであれば、初学者であれば1~2か月間の短期間に集中して、合計300時間の勉強した方が合格しやすくなるでしょう。

簿記2級は独学で合格できる?

簿記2級の合格率は、15%〜25%ほどなので、絶対に独学合格できない数字ではありません。
しかし3級に比べると、「工業簿記」という少しわかりにくい分野が加わってくるため、理解に時間がかかる人が増えるのも事実です。

工業簿記は工場などの製造業における経理処理を行う分野であり、一般的な会社で行う商業簿記よりも内容が難しくなります

3級の試験が簡単に感じた人は独学での合格も目指せると思いますが、3級が難しく感じた人、または3級を飛ばして2級から取得する人などは独学より通信講座などの利用をおすすめします。

簿記1級の難易度

1級になると商業簿記・工業簿記・原価計算に、会計学が加わり、さらに、1科目ごとの合格基準(40%以上)が加わります。
1級は大企業の経理レベルの知識が求められる難関試験と言えます。

簿記1級の合格率

日商簿記1級は、毎年6月と11月の年2回試験が実施されます。

合格率
153回(2019.11.17) 9.8%
152回(2019.6.9) 8.5%
150回(2018.11.18) 9.0%
149回(2018.6.10) 13.4%
147回(2017.11.19) 5.9%
146回(2017.6.11) 8.8%

3級の合格率が45%前後、2級の合格率が25%前後でしたので、それらと比較して1級の合格率は圧倒的に低いことがわかるでしょう。

実施の回や年によって差はありますが、2002年までのデータをさかのぼっても、最高は20066月(113回)の13.9%であり、15%を超えることはありませんでした。

簿記1級合格に必要な勉強時間

一般的には700~1,000時間とされていますが、1級の前提となる3級や2級の知識を備えているかどうかで大きく変わってくるでしょう。

簿記について全くの初心者であった場合、3級は最低100時間、2級が300時間程度は必要と言われています。

期間としては半年から1年は見ておいた方が良いでしょう。

さらに、勉強に使う時間の密度も問題です。計算問題が多く出題される試験なので、ある程度まとまった時間を確保して学習を進められるのが理想ですが、家事や雑用によって中断されたり、通勤・通学時間のような隙間時間しか活用できない人では、どうしても学習時間が長くなる傾向があります。

また、独学で学習するのか、通信講座やスクールを利用するのかでも異なってきます。

簿記1級は独学で合格できる?

簿記1級は合格率10%前後の難関試験です。
同じくらいの難関試験を独学合格した経験がある方や2級の取得を難なくクリアした方以外は独学での勉強はおすすめできません。

通信教材やスクールを利用した場合費用はかかりますが、専門家が出題範囲を絞った教材が用意されているので、独学の場合よりも効率良く勉強できます。スクールの場合は自習室など学習環境も確保しやすいというメリットもありますので、独学より通信講座や予備校を利用することをお勧めします。

簿記は就職・転職に役立つ?

何百時間もの時間をかけて取得するのですから、本当に役立つ資格なのかは気になるところですよね。
この章では、日商簿記の取得や経理実務経験の有無が、転職活動にどのように影響するのかを説明します。

簿記2級・3級を取得すると

2を取得すると、中小企業の経理業務を行えるレベルと判断されるので、経理職での採用で有利になることが多いようです。
32級ほどではありませんが、簿記の基礎のレベルを理解している判断され、評価される場合もあります。

では、経理職以外の職種では簿記資格は有利ならないのでしょうか。
最近では営業職販売職でも、社会人のビジネススキルの一つとして、簿記スキルが注目されているので、就職・転職活動でのアピール材料になるでしょう。

未経験で経理に転職できる?

転職活動において募集職種の経験がなくても採用されることがあります。経理職の場合も同様ですが、簿記資格を応募条件としている企業が多いので、経理職の経験のない人は簿記資格の取得を目指した方が良いでしょう。
また、年齢によって採用基準が異なってきます。
30代よりも20代の方が、資格や実務経験よりも、能力的な部分で判断されることが多いようです。

税理士事務所・会計事務所に転職するには

税理士事務所や会計事務所への転職を目指す場合は、簿記2級以上を取得しておくべきでしょう。なぜなら、一般企業の経理職よりも、高いレベルの簿記スキルを求められるからです。また、一般企業への転職活動よりも、実務経験が求められることがあるかもしれません。

経理の求人って?

ハローワークや転職サイトで多くの求人情報があります。経理職は景気にあまり左右されずに求人が出される職種であるのが特徴です。
応募条件に経験や資格を求める企業がありますが、経験がなくても応募できる会社もありますので、自分に合った企業をぜひ探してください。

まとめ

では最後に、簿記の難易度についてまとめておきましょう。

簿記の難易度
  • 合格率は3級が40〜50%、2級が15〜25%、1級が10%
  • 勉強時間は3級150時間、2級300時間、1級700時間程度
  • 2級、1級は独学より講座の利用がおすすめ

いかがでしたでしょうか。
日商簿記の難易度や魅力など様々なことがおわかりいただけたかと思います。

1級は合格率10%前後と難関試験ですが、3級から徐々に始めていけば決して不可能な試験ではありません。また、2級まででも就職・転職に役立つ場合が多くあります。

簿記は経理職としてキャリアアップやステップアップするだけでなく、様々な職種においても役立つスキルですので、ぜひとも取得を目指してみてください。

監修 資格LIVE編集部
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