FP(ファイナンシャルプランナー)という資格は、金融系資格の中でも非常に人気のある資格です。名前くらいは多くの方が聞いたことあるのではないでしょうか?
ただFP資格は1級から3級まであります。1級は非常に専門性があり難易度の高い資格となりますので、世間では2級もしくは3級を受検される方が多いです。
そこで多くの方が思う疑問があります。
「FPの資格を取ってみようと思うが、自分は何級までとるのがいいのか?」
「最終的にFP2級を目指す場合、最初はFP3級から受けた方がいいのか?いきなり2級を受けることはできるのか?」
といった疑問はよくみられます。
そこでこの記事では、「FP2級とFP3級の違いについて」まとめていきたいと思います。
これからFP試験に挑戦してみようと思われる方の参考となれば幸いです。
FP2級とFP3級それぞれの意味合い
この章では、FP2級とFP3級で価値にどの程度の差があるか、それぞれの資格が活かせる範囲についてまとめていきます。
あなた自身がFP資格を何級まで目指すのかについて考えるヒントにしてみてください。
FP3級の場合
FP3級の価値としては「最低限の金融知識を持ち合わせている人」という評価をされます。
金融業界の仕事で活かすためというよりは、自己啓発やご自身の家計改善を目的に受検される方が多い印象ですね。
実際FP3級に合格できる程度の知識があると、ご自身の生活で余分なお金を使うことが減り、将来的なライフプランもイメージすることが十分にできるレベルになります。
ただしFP3級ですと、お客様のお金に関する相談に乗るには不十分な知識量と見なされてしまいます。FP3級はあくまでも一般教養として目指す資格となります。
FP2級の場合
FP2級を取得できると、「金融機関で働くうえである程度専門知識がある人」と評価されます。
仕事に活かすことを目的とされるならば、最低でもFP2級を取っておきたいところですね。
FP2級は銀行・保険会社・保険代理店・証券会社・不動産会社・各種士業など非常に幅広い職場に活かせる資格です。
実際FP2級まで取得することを推奨している企業も多くあります。
また今後金融業界や不動産業界への転職をお考えの方であれば、FP2級を持っていると転職に有利になる可能性もあるでしょう。
FP2級とFP3級の受検資格における違い
FP2級とFP3級では、そもそも受検できる人に差があります。
これからFP試験に挑戦しようと思っている方は、自分はFP3級から挑戦しないといけない身なのか、いきなりFP2級に挑戦できる身なのかを考えてみてください。
FP3級の場合
FP3級の受検資格は「FP業務に従事しているもしくは従事しようとしている者」となっています。
必要な実務経験は特になく、実質誰でも挑戦することができます。
FP2級の場合
FP2級の受検資格は、以下の条件のうち1つ以上を満たしている人が対象となります。
・FP3級技能検定合格者
・AFP認定研修の修了者
・FP実務経験2年以上
このどれにも当てはまらない方は、いきなりFP2級の試験に挑戦することはできませんのでご注意ください。
FP技能検定を行っている団体は2つある
実はFP試験には、開催団体が「日本FP協会」と「金融財政事情研究会(金財)」の2か所あります。
日本FP協会はFPスキルを認定する民間資格でもあるAFP(2級相当)、CFP(1級相当)などの研修も行っている団体です。
金融財政事情研究会(金財)は金融財政政策や金融機関経営の研究や情報普及を目的とした団体です。
1級は金財のみでの受検となりますが、2級・3級はFP協会と金財の2種類あります。
問題の出題内容が若干違いますが、難易度はほぼ同じですし価値においても差はありません。基本的にお好きな方で受検して問題ないでしょう。
FP2級とFP3級の試験問題における違い
では次に、FP2級とFP3級では試験問題がどのように違うのかについてまとめていきます。
出題内容
FP2級とFP3級試験では、大まかに以下の点が異なります。
3級は個人のファイナンシャルプランニング(資産設計相談)に関する問題しか出題されませんが、2級では法人のファイナンシャルプランニングを含んだ問題も出題されます。
また3級は基礎知識に関する問題が出題されるのに対して、2級ではより実践的な内容の問題が出されます。
例えば3級試験は「これはどういう制度か」という問題が出るのに対して、2級では「この制度をどう資産形成に活かすのが正解か」のように出題されます。
ここが「実践的な金融系業務に活かすことをお考えなら、2級以上の知識が必要」とお伝えしている理由にもなります。
試験問題数と出題形式
3級・2級ともに学科と実技があります。実技といっても「事例問題を解く」といったイメージで、机に向かって問題を解く試験になります。
学科はFP協会と金財ともにマークシートの60問。正答率60%以上で合格という点が同じです。3級は◯×か3択問題、2級は4択問題となります。
実技はFP協会と金財で出題形式が異なり、実技は金財で事例問題5問、FP協会は3級20問、2級40問の問題を解きます。実技も正答率60%以上で合格となります。
学科・実技ともに正答率60%以上となると、晴れてFP2級・FP3級に合格となります。
もし学科と実技のどちらか片方は合格したが、もう一方で不合格になってしまったという方は、次回の試験で前回合格した方の試験は免除することができます。
なので次はより合格できる確率が上がることでしょう。
FP2級とFP3級の難易度における違い
実際FP2級とFP3級では、難易度はどの程度差があるのでしょうか?
この章では、難易度の差について解説していきます。
合格率
合格率における差ですが、
FP3級は学科・実技を合わせて合格率70%程度、
FP2級は学科・実技を合わせて合格率30%程度となっています。
国家試験の中では合格率が1桁台のものもみられるため、FPは比較的合格しやすい試験といえるでしょう。
FP2級とFP3級はコツコツ勉強を続けていくことさえできれば、学力に自信がないという方でも十分に合格することができる試験です。
合格に必要な勉強時間
一般的な合格に必要な勉強時間の目安では、FP3級は80~150時間、FP2級は150~300時間といわれています。
あなたが今の生活で1日に費やせる勉強時間を考えれば、試験日から逆算していつから勉強を始めたらいいかがイメージできると思います。
例として1日2時間程度勉強に費やせる方であれば、3級なら試験日の2か月前から、2級なら4か月前から勉強を始めることが目安となります。
ですがこれはあくまでも目安であるため注意が必要です。元々の知識や勉強を進める上での理解度にはある程度差があると考えられます。
そのため、余裕を持って勉強に取りかかれるといいですね。
まとめ
これからFP試験に挑戦してみようと思っていた方は、あなた自身は何級まで目指すのがいいかについて、考えることはできたでしょうか?
自己啓発やご自身の家計管理が目的なら3級、仕事やスキルとして活かしたいなら2級を目標に勉強に取り組んでみましょう。
そしてFP2級とFP3級では試験内容は出題形式に多少の差があるものの、どちらも難関な試験ではありません。コツコツと取り組む姿勢を持って、前向きに勉強に励んでいただけたら幸いです。

監修 鈴木克英
大学卒業後、保険代理店に総合職として勤務。営業に携わる際に、会社の意向でFP資格に挑戦する。FP3級・2級を独学で合格する。その後FPスキルを約100名の資産形成相談に活かした。現在はFP経験とスキルを活かしたWEBライターとして活動中。