【現役行政書士が解説!】行政書士とは?仕事はきつい?業務内容を一覧でわかりやすく解説!

今回は行政書士の仕事内容について詳しく解説していきます。

行政書士はどういう仕事内容か、行政書士の出来る業務や、行政書士の資格の他に取得すべき資格など、これから行政書士の資格取得を考えている方や、行政書士を仕事にしてみたい方には必見の内容です!

そもそも行政書士とは?

行政書士とは?

行政書士は、行政書士法に基づく国家資格者です。行政書士法の第1条の2には、行政書士が可能な業務が定められています。

行政書士は、他人から依頼を受け、報酬を得て、官公署に提出する許認可等の申請書の作成や提出代理、遺言等の権利義務に関する書類の作成、事実証明の作成、行政不服申し立て手続きの代理等を行うことができます。

弁護士法や司法書士法、社会労務士法など他士業や他の法律で定められている書類については作成することができませんが、行政書士が作成可能な書類は多岐にわたり、一万種類とも言われています。

行政書士の使命

行政書士の目的は、行政に関する手続の円滑な実施に寄与して、国民の利便に資することです。難しい専門用語など、依頼者に対して専門家として分かりやすく説明したり、行政との間に立って、スムーズに許認可申請ができるようにしたりします。それによって、行政側も依頼者側も円滑に手続きができるように助けるのを目的としています。

行政書士の仕事内容

行政書士の仕事には、大きく分けて3種類あります。

官公署へ提出する許認可の申請書の作成や提出代理、遺言や契約書など権利義務に関する書類の作成、会計帳簿や測量図面などの事実証明に関する書類の作成です。

また、行政書士は、書類の作成や提出代理だけでなく、それに伴う相談やアドバイスなど、コンサルティングも行います。

それでは、3種類の業務とは、それぞれどんな内容でしょうか。

■許認可業務

行政書士といえば許認可、と言えるほど、メインとなる業務です。行政書士の独占業務でもあります。

ただ、許認可と一言で言っても、たくさんの種類があります。

例えば、建設業許可、産業廃棄物処理業許可、古物商許可、飲食店営業許可などビジネスに関する許可があります。これらの許可は、その業務を行う企業にとっては不可欠な許可です。

ビジネス以外にも、農地や開発などの土地に関する許可もあります。

また、いわゆるビザと呼ばれる、外国人の在留資格に関する申請など、個人に関わる許可申請もあります。

行政書士は、ビジネスから個人まで、様々な許認可に対応することができます。

■権利義務に関する書類

自己の権利や義務に関する書類を作成することができます。これは、行政書士だけでなく、弁護士や司法書士も作成可能な書類です。

権利義務に関する書類とは、遺言や遺産分割協議書、各種契約書などです。個人間の賃貸借契約書や贈与契約書などだけでなく、ビジネス上の売買契約書や請負契約書など、様々な契約書を作成することができます。

■事実証明に関する書類

事実証明に関する書類とは、社会生活に交渉をする事について、その証明をすることができる書類とされています。

具体的には、実地調査に基づく各種図面類、株主総会議事録などの各種議事録、会計帳簿などが該当します。

これも独占業務ではありませんが、各種図面や株主総会議事録などは、許認可業務をする際に必要になる場合があります。

行政書士の魅力

ビジネスの分野

行政書士は、許認可業務や会社設立、契約書作成、外国人雇用、各種補助金申請など、ビジネスの分野で深く関わることができます。単に申請書の作成だけでなく、相談などのコンサルティングも行うことができるため、それによって、会社が設立されたり、事業が発展していくと、嬉しく、やりがいを感じます。

個人の分野

遺言や遺産分割協議書、個人間の各種契約書など、個人に関することにも関わることができます。遺言や契約書などは、後の争いを防ぐ有効な手段です。作成した書類によって、円満に遺言や契約が行われ、争いを防ぐことができれば、行政書士冥利につきます。

ダブルライセンスについて

行政書士の他に別の資格を持って活動している行政書士もいます。どんな資格とのダブルライセンスでしょうか。

司法書士

遺産分割協議書や会社の設立、許認可に関する定款の変更など、不動産や会社が関係する場合、登記が必要になるケースが多々あります。そんな時に、ダブルライセンスで司法書士資格があれば、許認可申請から登記までノンストップで受任することができます。

また、司法書士をメインにしていたとしても、農地法許可などは行政書士の独占業務となるため、ダブルライセンスによって、登記と農地法の許可の両方を行うことができます。

社会労務士

許認可業務では、企業と関わることが多くなるため、その会社の労務なども一貫してサポートすることが可能になります。主に会社をサポートしたいと思っている行政書士にとっては、社労士資格があると、業務の幅を広げることができます。

土地家屋調査士

農地法許可や開発許可など、土地に関する許認可を扱う際に、土地の測量や登記の分筆が必要になったりします。その際、土地家屋調査士の資格があれば、すべてまとめて行うことができます。土地に関わる許認可をメインで行う行政書士にとっては、有意義な資格です。

その他の士業

税理士とのダブルライセンスの行政書士もいます。遺言や遺産分割協議書の作成などでは、相続税がからんでくることもあるため、税理士とのダブルライセンスもおすすめです。その他、宅建士とのダブルライセンスを持っている行政書士もいます。

行政書士になるには

行政書士となる資格は、行政書士試験で取得する方法と、特定の経験や資格で取得できる方法があります。

また、行政書士として業務を行うためには、行政書士となる資格を得たあと、事務所を設置する都道府県の行政書士会に登録する必要があります。

行政書士資格の条件とは?

まずは、行政書士試験に合格した者です。

この他、弁護士、弁理士、公認会計士、税理士となる資格を有する者も行政書士資格があります。さらに、国又は地方公共団体の公務員として行政事務を20年以上担当した者も該当します。

以前は、公務員を定年退職後に行政書士として登録した人も一定数はいたようですが、現在は、試験合格で資格を得る人がほとんどです。

行政書士試験とは?

行政書士試験は、行政書士法に基づいて行われています。

年1回行われ、毎年11月の第2日曜日に行われています。

受験資格は、年齢、学歴、国籍等に関係なく、誰でも受験することができます。

試験科目は、法令科目と一般科目があります。法令科目では、憲法、行政法、民法、商法、基礎法学の中からそれぞれ出題されます。一般科目では、個人情報保護法などの法律の問題だけでなく、時事問題や文章理解などの一般教養的問題も出題されます。

一般科目はすべて択一式ですが、法令科目については、記述問題もあります。

誰でも受験することができるので、チャレンジしやすい試験ですが、合格するには、相当の勉強量が必要です。

試験の勉強方法

行政書士試験の勉強方法は主に3つあります。一つは、資格系予備校への通学、もう一つは、ウェブなどを使った通信講座、最後は、市販テキストなどを使った独学です。

予備校、通信講座、独学はそれぞれにメリットデメリットがあります。また学費面でも大きな違いがあります。

すべて独学でやる人もいますが、合格のコツや問題の理解の仕方など、独学では難しい点も多々あるため、部分的に予備校や通信講座を利用する人もいます。

完全な独学をするなら、ある程度、法律の知識がある人の方が向いているでしょう。

予備校や通信講座では、時間や予算、学習スタイルに応じて選ぶことをおすすめします。

まとめ

行政書士が取り扱える書類は、1万種類と言われるほど、幅広い業務をすることができます。そのため、一人の行政書士がすべての分野に精通しているわけではなく、前職の職歴を活かしたり、自分の得意分野を活かしたりして、業務を行っています。自分の経験を活かすことができる士業でもあります。

行政書士試験は、誰でも受験でき、チャレンジしやすい試験です。予備校や通信講座、市販のテキストなどもたくさんあり、自分のスタイルで勉強することができます。

執筆・監修 石井麻里(行政書士)

兵庫県三田市で開業している行政書士。2017年に行政書士登録。
主に相続・遺言、ビザ申請や帰化申請、HACCP(食品衛生)など幅広く取り扱う。