今回はサラリーマンとして働きながら「行政書士」資格を取得した「ヌメよし」さんの合格体験記を元に合格する秘訣に関してご紹介します。
私が行政書士試験に挑戦しようと思ったきっかけ
新卒で入社した製造業の会社には、もともと営業職として採用されました。しかし1週間程度ですぐに製造現場へと異動することになってしまいました。
もやもやした気持ちを抱えたまま、5年程現場で働き続けていました。
そんなある日の休日のことです。ふらっと立ち寄った書店で、よく覚えていませんが資格を取れば人生変えられるという趣旨の本を見つけて手に取りました。
その本を立ち読みして、今の気持ちが乗らない仕事から足を洗おうと決意しました。
家に帰って、以前見たことのあった資格一覧集を引っ張り出してきました。
その中で独立開業型で、格のある行政書士を目指すことになったわけです。
受験勉強時の私の状況
そんな中で行政書士試験に挑戦する決意をしたわけですが、もちろん一筋縄ではいきませんでした。
受験勉強開始した当時は、普通に正社員としてフルタイム働いている状況でした。これだけならまだしも、当時の部署は残業まみれでありました。
定時で帰るのが悪のような風潮がありましたので、自分の仕事が終わっても帰りづらかったです。早くても家にたどり着くのは20時頃、忙しい時期は21時過ぎるという状況でした。
勉強時間の確保もそうですし、体力的にもかなり辛いという中での受験勉強スタートとなったわけです。
試験内容
私が合格した令和元年度の本試験では、法令科目が難しい年度だったと感じます。特に憲法・民法の記述は、正答率も例年と比べて低いと各予備校の講師も分析していました。
また得点源にすべき行政法も条文の細かい言い回しのひっかけによって、13問程度の正解にとどまったという受験生も多かったようです(YouTubeやtwitterからの情報収集より)。
しかしその反動なのか、一般知識と記述式の採点で帳尻を合わせてきたのかと思えるくらいに甘かったです。特に記述式の採点は、多くの受験生は自己採点より10〜20点程度高かったはずです。
例に漏れず、私も当初の自己採点よりも少なくとも25点程は多く取れていました。この記述式の高得点によって、合格できたといっても過言ではありません。
ただし法令科目の難易度が高かったといっても、出題内容としては結局過去問の知識で足りるものかなと感じます。特段司法試験レベルの問題ばかりを連発ということはなくて、細かいひっかけが多かったですからね。
受験時に注意すべきこと
さて本試験を受けるにあたって、注意すべき点はいくつかあります。その中でも私が実際に知っておくことが大事だと感じたことはずばり、本試験中はうるさいということです。
これはどういうことかというと、もちろん大声を出したりとか歌いだす人がいるわけではありません。具体的には、
・ひとりごとをブツブツいうおじさんorお兄さん
・鉛筆・シャーペンで机をトントンする人
・風邪をひいているor鼻炎の人の鼻をすする音
といった人が必ずいます。大事なのでもう一度言いますが、こういう人は必ずいますからね。
あらかじめこういったイレギュラーが起こることを頭に入れておくだけでも、違います。私は1回目の不合格だった年はこれらの状況を想定していませんでした。そのおかげで集中力が途切れてしまったという苦い思いがあります。
ですので今後受験される方は、こういったことを頭に入れておくことが大事ですよ。もちろん迷惑をかける方になるのも絶対やめてくださいね。
おすすめのテキスト類
私が実際に使ったテキスト類で特に点数アップに役立った問題集を2冊紹介していきます。

出版社 : 早稲田経営出版
この肢別過去問集はページの半分が問題・逆のページに解答解説という配置です。また本試験では通常択一式は5択形式の出題です。が、この問題集ではその5択の肢を1つずつばらして、それぞれ独立した問題として掲載しています。
これの何がいいかというと、1つ1つしっかり知識の定着につながるんです。過去問集をこなしていくときに気をつけなければならないことがあります。それは正誤だけの判断は完璧で、なぜその答えになるかの理由付けがあいまいという状態です。
これは実際不合格だった年の私が陥っていた状態です。要はわかったつもりになっているだけですね。本試験に過去問と全く同じ問題が出れば、少しは意味があるかもしれませんが、それは有り得ません。微妙にニュアンスは変えて出題されますので。
こういったことを防ぐ手段として、肢別過去問集は優れた問題集の1冊といえます。なんといっても肢をばらしてありますから、嫌でも1つ1つの肢に向き合わざるを得なくなりますからね。
正誤判断はもちろんのこと、なぜ正解なのか、もしくは誤りなのかの理由付けをするクセが嫌でも身に付きます。この理由付けが完璧にできれば、多少ニュアンスを変えての出題or細かい条文のひっかけはなんともなくなります。
多くの受験生に差をつけることができるのが、この合格革命の肢別過去問集です。

出版社 : 東京リーガルマインド
出る順ウォーク問は本試験同様、5択形式そのままの過去問集です。2020年版からは、科目ごとに切り取ることができるようになってさらに使い勝手がよくなりました。
性能面の良さはもちろんのこと、内容も使い勝手がいいです。1問ごとに難易度が優しい順にA〜Cまでランク分けされています。まずはAランクの問題は完璧にしておくべきです。また解説部分も確認すべき条文が明示されているので、六法ですぐに確認可能です。
このウォーク問は先ほど紹介した、肢別過去問集と組み合わせることでより効果を発揮します。というのも1つ1つの肢を理由付けまで完璧にするのに対し、このウォーク問ではその知識をもとに選択肢から正解を導き出す力を身につけるんです。
5択形式の問題では例えば組み合わせ問題の場合、1つの肢の正誤がわかれば、全ての肢を読まなくても正答にたどりつけるなるなどテクニックも必要になってきます。こういった選択肢との絡みから正解を導き出すのは、肢別過去問集では練習できません。
ウォーク問はこのようにテクニックの練習はもちろんのこと、知識の定着の確認も可能です。2度おいしい思いができるこの過去問集は、受験生ならば持っておいて損はない1冊です。
私の実際の勉強時間・スケジュール
私は合計2年間受験勉強をして、2回目の本試験で合格しました。ちなみにネットや書籍の中では、行政書士試験合格に要する時間はおよそ600〜1000時間とあります。
私も1年単位でみれば、この意見におおむね同意します。正確には計っていませんが、合格した年の勉強時間は確実に1000時間は超えているのは間違いありません。
実際の私の1日のスケジュールですが、
・平日・・・20時頃から寝るまでの3時間は必ず勉強
・休日・・・午前中2時間・午後2時間・寝るまでに2時間勉強
というように勉強時間を確保していました。もちろん平日は残業時間によって少なくなることもありました。その場合は休日に時間を増やすことで一定の勉強時間を確保するように心がけていました。
実際にやっていて感じたのは、休日に無理して10時間などといった目標を立てるのはやめたほうがいいですね。だいたいモチベーション的に辛くなります。もちろん調子がいい時は予定より多く勉強するのは構いません。
まとめ
大事なのは淡々と、無理のない範囲で自分の決めた時間勉強し続けることではないでしょうか。
以上が私の行政書士試験合格までのきっかけから勉強スケジュールまででした。やるべきことを続けて、あきらめなければ法律初学者でも十分合格できるのが行政書士試験です。

執筆・監修 ヌメよし
令和元年度の行政書士試験に2回目の挑戦で合格。昨年12月から受験対策のブログを開始し、現在では収益も出始めている。