【合格体験記】法律初学者でも行政書士に合格出来た方法とは?

今回は一度不合格を体験しながらも行政書士資格に合格することが出来た「なる」さんの体験を元に合格する秘訣を紹介していきます。

行政書士を目指した理由

大学を卒業して、地方金融機関に就職した私は、日々の業務に嫌気が差していました。朝早く起きて、会社に出勤し、淡々と業務をこなす。定時になると帰る支度をし、アパートへ帰って食事を取って、シャワーを浴びて寝る。毎日が同じで、学生時代を懐かしく思っていました。

そんなある日、ふとしたキッカケで『行政書士』の存在を知り、『開業をして、人助けができるなんて最高じゃん』『国家資格を取ってみたい』と安易な考えで勉強をスタートしました。その時、社会人1年目の夏で、ちょうど『行政書士試験』の申し込みが開始された時期でした。

休日に書店へと足を運び、資格予備校の大手TAC』が出版している「みんなが欲しかった! 行政書士シリーズ」の『はじめの第一』を購入しました。

このテキストは、前半に『行政書士という資格について』や『行政書士試験の流れ』『効率的な勉強方法』など、初学者の疑問に丁寧に説明されており、後半に各科目の内容をイラストや図解を用いて噛み砕いて解説されています。

社会人1年目で世間知らずな法律初学者の私にピッタリなテキストでした。今振り返ってみても、このテキストを選んだのは、最適な選択であったと思います。『はじめの一歩』を読み通した後も、この「みんなが欲しかった! 行政書士シリーズ」を購入して勉強をしていきました。そして、11月。試験を終えた私には、期待とは裏腹に、手応えが全くありませんでした。結果は『不合格』です。

なぜ不合格だったのか?

私は、前述したように日中は会社で働いており、帰宅後や週末に時間を割いて『行政書士試験』の勉強をしていました。ご存知の方もいらっしゃると思いますが、クタクタで帰宅した後に勉強をするのは、とても骨が折れる作業です。それを継続していくには、『自分は行政書士になりたいんだ』『新しい環境で働きたいんだ』という強固な信念が必要になります。しかし、そんな信念など持ち合わせていなかった私は『今日はしなくてもいいや』と自分に甘えることが多々、ありました。

行政書士は国家資格のなかでも比較的、簡単だと言われることがあります。しかし、それは『比較的』簡単であるだけで、国家資格であることに変わりはありません。その事を忘れて、初学者であるにも関わらず、楽観視していた自分がいた事に後悔しました。そして、次こそは絶対に受かってやると決意を固めました。

合格までの勉強法

目標を達成するためには見通しが重要になってきます。漠然と闇雲に勉強をしていても意味がありません。

今、自分がどれほど理解していて、これからどのレベルまで理解すれば良いのか、どの科目が苦手で、どれを重点的に勉強していけば良いのかを把握しておく必要があります。

平日は会社員として働く私にとっては、時間の『質』をこれまで以上に高め、『効率的』に勉強していくことで、合格のレベルまで達したいと考えました。

何が苦手かを理解する

まず、自分の勉強法を見つめ直しました。今やっている事は意味がある事なのか?効率的に勉強できているか?自分は何が苦手なのか?スキマ時間を有効に活用できているのか?

最初に「みんなが欲しかった! 行政書士シリーズ」の過去問題集をざっと解いて、間違ったものをリストアップしていきました。それを何度か繰り返してみると、自分が苦手な問題の傾向が明確になってきます。傾向が分かると、それに対応した科目を改めて熟読し、紙に書いてまとめます。「みんなが欲しかった! 行政書士シリーズ」では、それぞれがリンクしており、分からないものがあれば、すぐに教科書を開けるようページが振ってあるため、ストレスなく行うことができました。

配点の高い科目を攻略する

次に、配点の高い科目と低い科目を明確に区別して、配点の低い科目はいわゆる『捨て科目』として、必要最低限の勉強で抑えました。

行政書士試験の試験科目は大きく分けて『法令等科目』と『一般知識等』の2つです。

『法令等科目』では、「憲法」「行政法」「民法」「商法」「基礎法学」の5科目『一般知識』では「政治・経済・社会」「情報通信・個人情報保護」「文章理解」の3科目が出題となり、2018年度の試験を例に挙げると、全60問、300点満点のうち、『法令等科目』が46問で244点、『一般知識等』が14問で56点といった問題数、配点になっています。

つまり、行政書士試験で最も比重を占めるものが『法令等科目』ということになります。さらに深くみていけば、その『法令等科目』のうちでも、もっとも配点が高い科目が「行政法」と「民法」で、8割近い配点を占めています。そこで、配点の高い「行政法」と「民法」に勉強のほとんどの時間を費やし、その合間に、苦手な問題を補填していきました。

また、スキマ時間の有効活用を図るために、仕事の昼休憩にスマートフォンアプリで勉強しました。使用したアプリは『資格の大原』が提供するトレーニング問題集です。無料でも利用できますが、有料問題集は豊富で、紙媒体よりも手頃な値段で購入できます。これは本当にいい買い物、自己投資でした。暇を見つけては問題を解いていくことで、正答を定着することができました。

試験当日

試験当日。受験票を握りしめて、会場へと足を運びました。緊張のあまりどうにかなってしまいそうでしたが、日々の勉強を思い出して、自分を勇気づけました。

試験は180分ほどです。会場には比較的、20代、30代の男性が多かったように思います。合格基準は非常に明確で、法令等で50%以上、一般知識等で40%以上、試験全体で満点の60%以上で合格、片方が基準に達していても、もう片方が基準に達していなければ、不合格になります。

試験中、どうしてもわからない問題と直面した時は混乱したものの、落ち着いて自分の記憶を辿って、なんとか回答することができました。そして、試験は終了しました。何箇所かわからない問題もありましたが、妙に手応えを感じ、あれほど勉強したんだから大丈夫だろうと、根拠のない自信はありました。帰宅して、解答速報を見ながら、持ち帰った問題用紙で答え合わせをしてみると、合格基準点を大幅に上回っていました。自己採点とはいえ、肩の荷が下りた感覚でした。

合格発表は、翌年のはじめにセンター事務所の掲示板とホームページで公表されます。当日、私は仕事に出勤し、朝礼を終えるとトイレに駆け込んでスマートフォンでホームページを開いて、発表を待機しました。呼吸が乱れ、手には汗をかいていました。結果は『合格』でした。喜びのあまり、少し泣いてしまったことを覚えています。

行政書士試験合格までを振り返って

行政書士試験合格までを振り返ってみると、決して『簡単な試験ではない』ことを痛感する日々でした。

今まで聞いたこともない法律用語を相手に、わからないなりにも無我夢中で勉強し続けたことで合格できたのだと思います。時には、もうやりたくないと投げ出したくなることもありました。事実、私は1回目の試験が『不合格』で、その後の1、2ヶ月は何も手がつかない、いわゆる『燃え尽き症候群』でした。

しかし、今振り返ってみれば、1回目の試験後には2回目のような『やりきった』と思えるような自信はありませんでした。自信を持てるほど、質の高く効率的な勉強方法を追求していくことが、合格の秘訣だと思います。

行政書士試験を勉強していく過程で思わぬサプライズもありました。会社員として業務をこなしていく中で、『法律』は切っても切れない存在です。また、自治体で手続きをするときも同様です。日々、生活をしていく中で、『あ、勉強したな』『これ、知ってる』と思わされる機会が頻繁にありました。行政書士の資格を取得することは、『開業したい』『転職したい』という夢を叶えてくれるだけではなく、社会に生きる大人としての素養を鍛えてくれるといったメリットがあることを痛感しました。

最後に

『とりあえず開業したい』という安易な気持ちで始めた行政書士の勉強でしたが、やってよかったと身にしみて感じます。これから行政書士試験を受けようと考えている方、試験に向けて勉強されている方の参考に少しでもなると嬉しいです。

監修・執筆 なる
駆け出しのライターとして奮闘中の若輩者。趣味はランニングと読書。特技はボールリフティングです。