行政書士試験は難易度が高く、資格予備校・通信講座などに通ってしっかり勉強をする方が多い資格です。
一般的な勉強時間は通信講座などを利用して400~600時間、独学の場合は800〜1000時間の勉強が必要であるといわれています。
しかし独学で合格する人が一定数いるのも確かです。
これから行政書士の勉強を始める方は「どうやって合格したの?」「勉強方法は?」「仕事をしながらでも合格できるの?」と様々な疑問が湧いてくるかと思います。
そこで、今回は行政書士に独学で一発合格したつのさんの体験談をご紹介します!
皆さんの合格に少しでもお役に立てば幸いです。

私立の法学部法律学科を卒業後、旧司法試験を受験しながら法律事務所事務職員として勤務。
行政書士、日商簿記2・3級、FP技能士検定2・3級、ビジネス実務法務検定2・3級などを取得した経験がある。
現在は実務経験と法律知識を活かして法律系のWEBコンテンツライターとして活躍
それでは早速つのさんの合格体験談をご紹介しましょう!
「行政書士試験を取得してみたい」という方へ
筆者は平成19年の行政書士試験に独学で一発合格をし、行政書士資格があることでその後の人生を有利にすすめてきました。
このページでは筆者の合格のための勉強時間・勉強方法や、資格を取得してからのことについてお伝えしたいと思います。
29歳までフリーターだった僕がフリーランスになれた原動力が行政書士資格
私は29歳までフリーターでしたが、現在はwebコンテンツライターとして活躍しております。
29歳までフリーターだったのですが、行政書士資格が評価され法律事務所に就職することができ、現在は行政書士資格を持っている法律系ライターとして活躍させていただいています。
行政書士として独立する方にはもちろんのこと、一定の法律に関するベースがあることを証明することができるので、法律に関する職種に就職・転職をするのに非常に有利です。
行政書士試験を受ける前の私の状態
筆者が行政書士試験を受けようと思った時の状態についてお伝えします。
筆者は、法学部法律学科を卒業し、そこから派遣社員で平日9時~18時で勤務しながら、その後の時間は旧司法試験の勉強をしていました。
行政書士試験を受けようとおもったのは、卒業後2年目になり、旧司法試験の憲法・民法・刑法の勉強が一通り終わった頃になります。
ですので、法学のベースと司法試験の入門レベルの憲法・民法・刑法の知識はすでにあったといえます。
受験決意から受験をするまでの期間
その年の司法試験を受験し、短答式に不合格となっており、いまいちやる気がでない時期でしたが、たまたま申し込み資料を目にしたので、急いで受験のための資料をあつめて申し込みをしました。
この時点では参考書・問題集も購入していませんでした。
申し込みギリギリだったので試験までは3ヶ月を切っている状況でした。
にもかかわらず、300点満点中200点近くで合格を勝ち取りました。
行政書士試験を受けるために行ったこと
行政書士試験の主要科目である憲法と民法についての一通りの知識はあったものの、大きな割合を占める行政法については手がついていないという状態でした。
特に法令でどれだけ良い点数を取得したとしても、一般知識の科目での足切りの可能性は残っています。
派遣で残業がないものを選んだとはいえ、平日9時18時で働いていて時間が限られているので効率よく知識を吸収する必要がありました。
そのため、次のような方法をとりました。
■法令科目
主要科目である民法では取りこぼしがほぼない状態だったのですが、憲法に苦手意識があるため、共通点も多い行政法に対してもどうしても苦手意識がありました。
そのため、「難易度の低い問題を取りこぼさない」ということを念頭に、試験範囲が1冊になっている参考書と肢別の過去問集をひたすら繰り返すことに徹しました。
筆者が利用したのはLECが出版している「出る順行政書士 基本合格書」および、早稲田経家出版の行政書士肢別過去問集です。
■一般知識
行政書士試験の合格に一番の障害になるとすると、おそらく一般知識での足切りになると考えました。
しかし、何から出題があるかわからない、というのが一般知識科目ですので、確実に足切りとなる点数を突破する必要があります。
そのため、国語問題と個人情報保護の部分を徹底的に集中してインプットすることで、確実に足切りを回避することに専念しました。
利用した書籍は「出る順行政書士 基本合格書」および「行政書士肢別過去問集」、書籍は失念したのですが、センター試験用の現代国語の問題集を使用しました。

■記述式
記述式では民法から2題が出題されるということもあり、得意な民法なのであえてここで行政法のもう一問を獲得するための対策に時間を費やすことは必要ないかと思い、特別な対策は行いませんでした。
法律学習経験のない方へのアドバイス
ここまで読んでいただてわかるかと思うのですが、やはりかなり司法試験のアドバンテージがあるので、法律学習の経験がない方が同じ方法を取れるわけではないとは思います。
ただし、資格試験をパスするという観点から次のようなアドバイスをさせください。
過去問を徹底的に解くのは合格への最短ルート
上述したように、私は過去問を中心に試験勉強をすすめてきて合格を勝ち取りました。
法令科目の勉強は用語が難しく覚えることも多いので、参考書を読んでいるのも苦痛だという方も多いのではないでしょうか。
過去問を徹底的に攻略することによって、参考書のどのような情報がどう出題されるのかを知ることができます。
例を見てみましょう
平成30年の行政書士試験の問題35の選択肢1
「未成年後見は、未成年者に対して親権を行う者がないときに限り、開始する。」
この正誤が問われています。
答えは×なのですが、これは民法838条1号が、
「未成年者に対して親権を行う者がないとき、又は親権を行う者が管理権を有しないとき。」
と規定しているため、親権を行う者が管理権を有しない、という例外があるので×になります。
この過去問を解いて確実な知識としていると、未成年後見開始の理由が二つあること、出題方法として、親権を行う者がいないときに限り開始するかどうか聞かれたので、そうではないこと、という風に記憶をすることができます。
このように、参考書にかかれている内容を記憶するきっかけになるのが過去問でもあります。
筆者は行政書士試験直前には、肢別の過去問を3時間で1周できる程度に徹底的に解きました。
過去問を徹底的に解くことを意識してみてください。
ビジネス実務法務検定の受験を上手につかう
行政書士試験は年に一回11月の第二日曜日に行われます。
高校・大学受験の経験や、他の資格を受験したことがあれば「直前期」にすごく集中して勉強する経験をみなさんしているはずです。
試験科目として民法・商法が共通しているビジネス実務法務検定は、7月と12月に開催されます。
7月にビジネス実務法務検定を受験すれば、民法・商法に追い込みをかけることができるのです。
そうすれば、7月から11月の間は憲法・行政法・一般知識に割く時間を増やすことが可能になります。
また、不幸にも11月に受験をして不合格だった場合には、12月にビジネス実務法務検定を受験することで、民法・商法に追い込みをかける期間を増やすことができます。
民法は行政書士試験でも主要な科目ですし、商法は学習範囲の割には出題数が低くどうしても優先度が下がりがちです。
ビジネス実務法務検定を受験をうまくつかって1年を通して民法・商法の勉強のためのモーチベーションを賢く保ちましょう。
予備校は行くべき!モーチベーション維持など使い方について
私は行政書士試験については独学で合格しましたが、司法試験の勉強については予備校に通学をしていました。
単に知識を吸収するだけならば独学でも可能ではあるのですが、なかなか独学でモーチベーションを維持したり、進行状況を管理したりするのは難しいです。
疑問点を早めに解消したり、気軽に相談できる相手がいるのは、長期間勉強しつづけるためのモーチベーション維持に欠かせません。
予備校やオンライン予備校を利用して、賢く勉強を継続するのが短期合格に不可欠です。
まとめ
今回はつのさんの貴重な合格体験談をご紹介しました!
重要なポイントをおさらいしましょう。
- 法律学習経験のない方は過去問を徹底的に解くこと!
- ビジネス実務法務検定で、民法・商法の追い込みができる!
- やっぱり予備校は行くべき!独学はモーチベーション維持が大変。
つのさんが独学で合格できたのは、もともと法学部法律学科を卒業し司法試験を目指していたためでした。
やはり予備知識がない場合は、予備校やオンライン講座に通って学んだ方が良さそうです。
お仕事など忙しい中で一発合格・短期合格を目指されるのでれば、通信講座の受講をおすすめします。
独学でなくても、勉強方法や力を入れたポイントなど参考になることがたくさんありましたね。
皆さんの合格に、少しでもお役に立てば何よりです。

監修 資格LIVE編集部
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