ITパスポートの難易度は?〜合格率・勉強時間・試験範囲などを解説〜

「ITパスポート試験って聞いたことあるけど、実際の試験の難易度はどれくらい?」

近年、ITパスポートの資格を持っているかどうかや合格時の点数について、多くの企業が採用時に確認していると言われています。そのため、学生の間に試験に合格することを目指す人が増えているそうです。

そこで、この記事ではITパスポート試験の難易度や合格率さらに必要と思われる勉強時間に至るまで一通り解説します。

ITパスポート試験は比較的容易に合格できる

ITパスポート試験は、情報処理技術者試験の『ITを利活用する者』区分の中でレベル1に位置づけられている国家試験です。全ての社会人が対象です。通称で「Iパス」とも呼ばれます。
今までに経験のない人がIT分野へ参入する機会をひろげるための入門試験という位置づけであり、主に基礎的な知識が問われます。

ITパスポートの合格率

最近の合格率は、約50%と二人に一人が合格しています。
また、実務に即した内容の問題が多いことでもよく知られています。不得意だったり未経験だったりする分野の知識については、過去問演習のなかで身につけることで、誰でも合格を狙うことができるといえるでしょう。

参考までに、近年の合格率の表を掲載します。

年度 合格率
平成30年度 51.7%
平成29年度 50.4%
平成28年度 48.3%
平成27年度 47.4%
平成26年度 47.9%

毎年ほぼ一定の合格率です。基本情報技術者試験の合格率が、20~30%程度であることと比べても、難易度は易しめであると言えるでしょう。この合格率は数ある情報技術試験の中でも特に高いです。

前年の問題を少し改変した形で出題される設問が多いため、過去問演習を中心に学習を進めることで、十分合格ラインに到達できます。

ITパスポート試験の合格基準点

Iパスには、二つの合格基準点が存在します。合格するためには次の両方の条件を満たすことが必要です。

  • 各分野の合計点が600点以上(1000点満点中)であること(総合評価点の計算)
  • それぞれの分野が300点以上(1000点満点中)であること(分野別評価点)

なお、各分野の点数を合計する(総合評価点の計算)場合には、IRT(項目応答理論)が採用されています。各分野の具体的な数値がそのまま加算されている訳ではないので、気をつけましょう。それぞれの基準を満たすためには、それぞれの分野で約6割正解することが目安です。

ITパスポート試験の合格者年齢層

Iパスは、様々な世代の受験者が集まっている試験です。
過去の最年少合格者はなんと9歳の小学生です。

参考として、最近の受験者の年齢層を掲載します。

開催年度 最年少合格者 最高齢合格者
令和元年 上期 10才 75才
平成30年 下期 10才 74才
平成30年 上期 10才 75才
平成29年 下期 10才 75才
平成29年 上期 9才 75才

勉強がしやすいという点と人気の高まりから、しばらくの間、受験者層の若年齢化は続いていくでしょう。
今後は、プログラム教育の低年齢化の流れを受け、中学生・高校生からの受験者も増加すると予想されます。業務経験がなくても合格できる国家資格としてますます広まっていくかもしれません。

問題の難易度は毎回ほぼ一定

ITパスポート試験の問題には、2つの特徴があります。
・1つ目の特徴
100問の出題のうち8問は、過去問とは傾向の違う問題が出題されます。これは、最新の社会の変化に対応するためだと思われます。ただし、8題の問題については、次回以降の試験問題を評価するために使用されるだけで、評価点数には含まれません

・2つ目の特徴
残りの92問は前回までの試験問題を踏まえて出題されます。ところどころ設問の言葉使いや視点の変更が施されており、解答への変化はありますが、問題の内容そのものは同等の内容が繰り返し問われています。そのため、難易度にはあまり大きな変化が生じません出題傾向と解答手順を過去問から学ぶことで、十分に合格圏内を目指すことができます

未経験者に必要な勉強時間

ITパスポートの合格に必要な勉強時間は、約100時間が目安です。
しかし、これは広い出題範囲のすべてが未経験であるという仮定の話です。そのため、実際の勉強時間は、もっと少なくなる傾向にあります。

例えば、技術分野(テクノロジ系)と、法律分野(ストラテジ系)が未経験の場合でも、サービス提供のに関して知識のある人であれば、マネジメント系の対策はそこまで必要ないかもしれません。

また、逆にほとんどの分野について経験や基礎知識がある場合には、約30時間(それぞれの分野を約10時間)の勉強で合格基準に達した人もいるそうです。
得意・不得意の個人差などもありますので、まずは過去問を通して自分の現在の状況を把握すると良いでしょう。

試験の出題分野は大きく3種類に分類できる

ITパスポート試験の試験範囲は、大きく分けてストラテジ系、マネジメント系、テクノロジ系と呼ばれる、3種類があります。
試験時間120分の間に、合計100問を四肢択一式で解答することになります。
対策の上では、試験での時間配分を意識した学習が必要となります。

ストラテジ系(35問程度/100問中)

経営全般に関する設問です。いわゆる、社会における常識と良識に関する内容が多いです。企業活動や法務、事業運営に関わるマネジメント能力や、システム戦略についても問われます。
実務経験があれば短時間での勉強でも十分な得点を期待できます。ただし、情報の取り扱いに関連する法律とそれに基づく運営方法についても出題範囲に含まれますので、最新の情報を学び、暗記する必要があると言えるでしょう。

マネジメント系(20問程度/100問中)

具体的な業務進行の、マネジメント能力についての設問です。主に、プロジェクトマネジメントと、サービスマネジメントに関する設問です。

システム監査の方法や、顧客サービスの実現へ向けた考え方について、重点的に学んでおきましょう。システム監査については、自社の内部監査者相当の知識・理解が必要です。未経験の場合には、テキストを読み込み、過去問を元に出題傾向を把握しましょう。

テクノロジ系(45問程度/100問中)

コンピュータシステムそのもの、また、ハードウェアやソフトウェア、セキュリティ、マルチメディアと、幅広い分野が出題の対象です。ITパスポート試験の中でも最も比重が重い分野です。是非しっかり対策を行いましょう。
特に、日常であまり使わない正式名称と、略称の対応関係については、是非暗記しましょう。

独学合格するには

ITパスポート試験では、さほど難易度が高くないため独学でも合格することが十分可能です。しかし、勉強法を間違えると、なかなか要点を押さえることが難しいかもしれません。
ここでは独学における勉強法のポイントについて詳しく見ていきましょう。

勉強法

Iパスは、四肢択一式の解答形式の問題ですが、単純な消去法で答えられる問題は少ないです。二択まで絞り込むことができたものの、設問で示される内容を誤解していたために、解答を間違えてしまうことも珍しくありません。
また、正解となる選択肢が必ず含まれているため、正答できるかどうかはその選択肢を見つけられるか否かの運次第であるように誤解されてしまうこともあります。

そのため、何を身につけるためであるかという目標を明確にした勉強を意識するようにしましょう。そうすることで、効率的な学習を進めることができます。
特に、過去問演習を繰り返し行うことで、試験時間中の時間の使い方に慣れるのは重要です。

バランス良くインプットとアウトプットを行う

勉強時間に制約がある場合、必要な知識の吸収・設問の読解力・求められる解答手順の把握、のバランスに気をつけて勉強を進めることが大切です。実際の試験では、120分の間に100問の設問を解かなてはなりません。

インプットだけではなく、アウトプットにも時間を当て、早く問題を解く癖を身に付けましょう。

しっかりとしたスケジュールを

ITパスポート試験の受験に際しては、スケジュールをしっかり立てると良いです。合格のためには、順序立てて継続的に学習することが必須です。

試験日までに出題範囲の全てについて対策が間に合うよう、綿密にスケジュールを立てましょう。苦手分野や、未経験分野については、他の分野よりも多めの学習時間を要すると見込んでおくことが必要です。特に、技術分野の設問は、未経験分野を想像で補うことなく、確実な知識を持って解けるよう、勉強法を工夫しましょう。

ITパスポート試験の難易度に関するまとめ

最後に、ITパスポート試験の難易度についてまとめておきましょう。

まとめ
  • 合格率は約50%と比較的高く、9歳の合格者もいる
  • 100問中92問が過去問と同等内容からの出題であり、難易度に変化はない
  • 必要な勉強時間は約100時間

ITパスポート試験は、近年非常に人気の高い国家資格です。

合格率も高く、未経験の分野があったとしても、テキストや参考書・通信講座を活用することで、十分に合格を狙うことができます。

IT分野の資格を初めて取得するという人も、是非挑戦してみてください。

監修 資格LIVE編集部
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