ITパスポートは独学で合格可能?〜合格率や勉強法について解説〜

現代社会においてはエンジニアだけでなく、様々な職種や業務でITについての知識やリテラシーを有していることが必要とされています。

ITパスポート(iパス)は、ITにについて幅広い基礎知識を有していることを示す資格です。受験資格がないのでどんな人でも取得できますが、独学での取得が難しいのでは?と不安に感じている人もいるのではないでしょうか。

そこで、ITパスポート試験の合格を目指す人のために、試験の概要について解説します。更に、独学で勉強する場合に押さえておくべきポイントを紹介します。是非活用してください。

ITパスポート(iパス)の基本情報

ITパスポート(iパス)とは、ITについて基礎知識を持っていることを示す国家資格です。ITパスポート試験で出題される内容は、システム戦略や経営戦略、ソフトウェア開発管理技術、ネットワークやセキュリティなどです。

ここでは、試験内容や合格点、難易度などについて解説します。

  • 受験資格

特にありません。年齢は不問であり、身分も問いません。学生でも受験可能です。

  • 受験料

受験料は税込5,700円(2019年12月現在)です。

  • 出題分野

出題分野は「ストラテジ系(経営全般)」「マネジメント系(IT管理)」「テクノロジ系(IT技術)」の3種類に分類できます。

さらにこれら3つの分野は、このように複数の区分で分かれています。

  • ストラテジ系「企業と法務」「経営戦略」「システム戦略」
  • マネジメント系が「開発技術」「プロジェクトマネジメント」「サービスマネジメント」
  • テクノロジ系が「基礎理論」「コンピュータシステム」「技術要素」
  • 出題数

出題数は全100題です。分野ごとの出題数は、ストラテジ系が35題程度、マネジメント系が20題程度、テクノロジ系が45題程度です。

  • 試験時間

試験時間は120分間です。

  • 試験方式

CBT方式で実施されます。4つの選択肢がコンピュータに表示され、その中から正解を1つ選びます。解答はマウスやキーボードを操作して行います。

  • 合格点

合格基準点は、総合評価点が1,000点中の600点、3分野の分野別評価点がそれぞれ1,000点中の300点です。全体で600点以上得点し、かつ、それぞれの分野で300点以上ずつ得点することが必要です。

毎回出題問題が異なるため、難易度によってその都度合格率に変動が出ないようIRT方式で採点されます。IRT方式では、全員の解答結果を分析して、評価点を算出します。各設問に単純に配点されている試験形式ではないため、受験者には問題の配点がわからないままとなります。

  • 合格率

合格率は約50%です。IT系の国家試験の中ではいわゆる「入門レベル」の試験といえます。IPA(情報処理推進機構)が定める試験区分では、iパスは「ITを利活用するすべての社会人のための共通的知識」という位置づけになっています。他の国家試験が殆どエンジニア向けであるのとは対照的です。

近年の受験者数・合格率を下記に示します。

開催 受験者数 合格者数 合格率
元年下期 57,022人 30,486人 53.5%
元年上期 46,790人 25,837人 55.2%
30年下期 54,947人 28,004人 51.0%
30年上期 40,240人 21,217人 52.7%
29年下期 47,987人 23,957人 49.9%
29年上期 36,248人 18,475人 51.0%

参考:ITパスポートの合格率 その他統計資料|ITパスポート試験ドットコム

取得するメリット

どの業界においても、理解が不十分なままシステムを使用していては、トラブルに対応することができません。iパスの対策をすることで、社会人が知っておいたほうが良いIT知識の基礎を習得することができます。

また、iパスでは技術的な事項のみならず、情報漏洩やセキュリティ対策などについての知識も問われます。コンプライアンスが重視される現代社会において、情報リテラシーがあることの証明になる資格を取得していると、就職や転職において有利であると考えられるでしょう。

ITパスポートは独学で取得可能か?

独学でiパス試験に合格することもできます。また、独学で資格取得した人も実際にいます。しかし、独学で試験合格を目指すためは、多数出版されているテキストの中から自分に適しているものを選び、具体的な計画を立てて着実に実行しなければなりません。また、モチベーションを自力で維持する必要もあり、自己管理能力が必要です。

よりスムーズに合格したいのであれば、通信講座の利用もおすすめです。これから説明する試験内容や勉強方法を参考にして、独学と通信講座のどちらが自分に合っているか考えてみましょう。

独学取得のために必要な勉強時間

ITの基礎知識が無い人ですと、約180時間程度の勉強が必要であると言われています。大体、1日当たり2時間確保できれば、3カ月程度で完了する計算です。

まずは、テキストに出てくるIT用語を調べるところから始めましょう。家事や仕事の傍らで勉強する人は、隙間時間を活用するのがおすすめです。また確実に合格するためには、余裕のある学習計画を立てることが重要です。

なお、IT系の業務経験があったり、情報系の学校に通っていたりする場合など、ITの基礎知識が既にある人の場合は、100~150時間程度の学習が合格の目安となるそうです

独学が適している人の特徴

自分で計画を立てることが得意な人、自己管理が苦手ではない人は、独学での勉強に向いていると言えます。自分のペースで進めたいという希望がある場合や、1人の方が集中できて勉強が捗る人の場合も、独学に適性があると言えるでしょう。

一方、1人ではモチベーションの維持が難しい、計画を立てるのが得意ではないという場合は、独学を試みると途中で挫折する恐れがあります。当初の計画がうまくいかなくなった時に柔軟な計画変更ができない人や、分からないことをその都度質問したいと考えている人も、通信講座を検討するべきと言えるでしょう。

ITパスポート試験合格のための勉強方法

試験合格のため、どのような部分に焦点を当てて勉強するべきか見ていきましょう。

確実に6割得点することを目指して苦手分野は捨てる

iパスは、総合評価1,000点中600点以上で合格です。各分野3割以上、全体6割以上で特典できれば合格です。もし苦手な分野がある場合は、思い切ってその分野を捨てて、残りの分野の勉強に集中した方が効率的でしょう。
勿論、苦手分野を克服して完璧に仕上げた方が合格できる可能性は高いです。自分の状況・スケジュールなどに応じて、勉強内容や学習計画を調整していくのが良いです。

勉強の期間を決めて集中的に学習する

IパスはIT関連の国家試験の中では入門レベルという位置づけです。各設問は、専門的知識を深く問うというより、基本的な知識について広く浅く扱っています。そのため、狭い範囲の知識を掘り下げて勉強するよりも、広く浅く短期間で集中的に勉強したほうが効率的です。

自分に合った参考書や問題集を選択する

勉強に使う参考書や問題集は、自分のレベル・勉強スタイルなどに合わせて選ぶことが重要です。また、iパスは2019年4月からシラバスVer4.0となり、出題範囲などが改訂されました。このように、試験内容が変更される場合があるため、参考書は自分が使いやすいもので、尚且つ、最新情報にアップデートされているものを選びましょう。

参考書や過去問を繰り返し読み、何度も解く

まずは参考書を一通り読んでみましょう。一度で用語を理解することは難しいかもしれませんが、繰り返すうちに理解できるようになります。用語が分かるようになったと感じたら、過去の問題を解いて演習してみましょう。過去問題集も直近の出題傾向を反映した最新のものを選ぶことが重要です。

結局、独学と通信講座のどちらの方が良い?

それでは、独学と通信講座のどちらの方がiパス取得のために良いのでしょうか? 両方のメリットと注意が必要な点について比較しながら説明していきます。

◆独学のメリットとデメリット

独学における大きなメリットは、低コストであるという点です。独学の場合にかかる費用は、参考書と受験料などの書籍費、会場への交通費だけで済みます。また、自分との相性で自由にテキストを選ぶことができますし、カリキュラムも好きなように組むことができます。
一方で、独学の場合は自分で計画を立案し、モチベーションを維持しなければなりません。また、よく分からない部分を質問できる相手がいない点にも注意が必要です。

◆通信講座のメリットとデメリット

通信講座の強みは、効率重視の学習ができるところにあります。テキストは近年の出題傾向の分析が反映された内容になっている上、分からない部分について質問が可能であることも長所です。講座の中にはITの知識が全く無い人のために用語集が用意されているものや、質問解答サービスが受けられるものもあります。初心者をサポートするサービスが充実していることも特徴です。
全体のカリキュラムやスケジュールを自分で作成する必要がないため、勉強のみに集中したい人にも適しています。

注意するべき点としては、受講料など、独学よりは費用が必要であることや、サポートを受けられる学習期間が決められていることなどが挙げられるでしょう。

まとめ

最後に、ITパスポートの独学についてまとめておきましょう。

まとめ
  • 合格率は約50%で、IT系の国家試験の中では「入門レベル」
  • 必要な勉強時間は約180時間程度
  • 独学での合格も可能だが、スケジュール管理やテキスト選びなど注意が必要

iパスを取得すれば、IT関連の基礎知識を有していることを示すことができます。高度にIT化された現代社会において、「IT力」の習得は、就職や転職のみならず、社会人としてのキャリアアップにも役立ちます。参考書や過去問題集も多数販売されているので、独学でも合格を目指すことは可能です。しかし、独学に不安を感じる人は、通信講座の利用を検討してみるのが良いでしょう。

監修 資格LIVE編集部
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