建築士に将来性はある?現状からAI時代の需要まで解説

建築物の設計から工事監督までを行う建築士。

建築士は、不動産の世界では欠かすことのできない専門的な仕事ですが、高齢化や環境問題と多くの問題を抱えている現代で、建築士の仕事には将来性があるのでしょうか。

こちらの記事では、建築士の将来性や需要について解説します。

建築士を目指している人はぜひ参考になさってください。

建築士・建築業界の現状

若い建築士が求められている

建築技術教育普及センターよると、建築士の登録者数の年代ごとの一級建築士の登録を見てみると、一級建築士の平均年齢は56.2となっています。

50代以上が半数を超え30代は15%程度、20代に至っては1%にも満たない人数です。

建築士業界でも少子高齢化は深刻です。今後も少子高齢化は進んでいく傾向であり、さらに建築士の高齢化が深刻化すると警戒しています。

このような背景から、多くの企業は若い年齢の建築士を獲得するために力を注いでいるようです。若い年齢の建築士は貴重な人材で、様々な企業からも求められています。

建築士自体が減少している背景もあり、建設技術者の有効求人倍率も6.18に達しています。

この数値をみると建築士が不足していることがよくわかります。

若い世代の建築士が減っていることからも、今後もこの状況は継続すると考えられています。

老朽化した建物が増えている

1960年代の高度経済成長期に日本で起こった建設ラッシュの影響で、現在は多くの建物が老朽化しています。現在そして今後も引き続き老朽化した建物の解体や改築工事、建て替えなどが見込まれています。

老朽化した建物の解体や新しく建物を建てるためには有能な建築士のスキルが求められます。

建築士の業務は建物をつくる設計だけではなく、解体する際のサポートとしても必要です。

建物を解体する際は、安全に建物を解体できなければなりません。

解体工事をする際には周辺環境などにも配慮して、安全に建物を解体する必要があるため、専門的な知識がある建築士のスキルが必要なのです。

新たなライフラインやタワマンブーム

近年新たなライフラインなどの整備タワーマンションブームなどで大規模の建築物の建設が増えています。

このような建設作業を行うには、良いパフォーマンスを安全に行う必要があります。

また、建物ばかりではなく不動産を有効に再利用していくためにも建築士の需要は高いのです。

近未来の街づくりのためにも、建築士は今後も必要とされていると言えるでしょう。

建築士の将来性

建築士はAIに代替される?

近年のAIの発達は目覚ましいものがありますが、建築士はAI化が進んだ時代になっても高い需要がある資格です。

建築士の需要は将来においても非常に高く、取得するメリットは大きいです。

建築業界では、AIが登場して受ける影響はどのようなものでしょうか。

敷地調査や基本設計のプランニングや図面作成、見積もりなどの業務もAIの得意とする分野となるので、AIを活用する企業も増加する可能性はあります。

建築士が行っていた業務がAI化によって減少する可能性はありますが、AIができない業務もあります。

AIが介入できない具体的な業務

顧客ニーズの聞き取り業務など、密接に顧客と関わる業務は、AIが介入できる分野ではありません。代替の可能性が低くなります。顧客との関わりを持つ業務に関しては、人間にしかできない業務と言えます。

機能性が高い設計などはAIが得意とする業務ではありますが、顧客の想いや思考など創造的アイディアを必要とする設計は人間にしかできない分野です。

このような感情や思考が関連する業務はAIには任せられない業務です。

AI化により減少する業務はあると思いますが、計算や分析処理などをAIに任せることにより、建築士の負担は軽減するでしょう。

負担が減れば、以前よりも斬新なデザインや画期的なアイディアを生み出す時間が確保できるようになります。

BIMの導入

BIMとは、Building Information Modeling(ビルディング インフォメーション モデリング)の略称で、コンピューター上で3次元の建築モデルを構築するシステムのことです。

建物モデルにコストや仕上げ、管理情報などの属性データを追加したデータベースを作成することができます。

このシステムを導入し、BIMを活用することで、建築ビジネス業務を効率的に行うことができます。より設計に関わるプロセスを円滑に進めることができるでしょう。

BIMを取り扱いを人間が行うのか、AIが行うのかは現在議論されている段階です。

建設業界において、AIが導入されたとしても、AIに介入できない分野は人間が作業しなければならないため、建築士の必要性は今後も高いでしょう。

建築士を目指す価値

建築士の収入は約700万円

賃金構造統計基本調査によると、建築士の月収の平均は41.59万円賞与の平均は182.27円でした。

一級建築士の平均年収は681となりました。

男性と女性の違いによっても収入にばらつきがあります。

男性の場合は月収の平均が42.45万円、賞与の平均は191.07万円で平均年収は700.47万円です。

女性の場合は月収の平均が33.86万円、賞与の平均は103.07万円で平均年収は509.36万円となり、男性の方が女性に比べて少し給与の面では高いということになります。

現在の日本国民の平均年収は400万円台と言われているので、この平均値と比べると建築士は稼ぐことができる仕事であることが分かります。

キャリアアップにつながる

一級建築士になると独立も視野に入れることができます。

設計事務所・ゼネコン・ハウスメーカーなど勤務先により手掛けている仕事に相違はありますが、大手に所属できれば年収1,000万円も可能です。

自分が建設業界でどのような仕事をしたいのかなどを十分検討して、自分のキャリアについて考えていきましょう。

社会問題を解決できる

現代の日本の不動産業界は、多くの問題を抱えています。

高齢化が進むことによっての空き家の増加や、頻繁に発生する自然災害への備えなどが代表的な問題であります。

建築士の資格を取得することで、このような社会問題を解決するためのスキルを身につけることができるのです。

建築士は創造力を必要とする作業が多く、自分がアイディアを出したものを設計して形にするという、非常にやりがいを感じることができる資格です。

就職先の選択肢も幅広く建設業界では自身の働き方の希望に沿うことも可能です。

残業は多い傾向にありますが、やりがいがあり魅力的な仕事であると言えるでしょう。

建築士に向いている人

創造性がある理系気質の人

建築士に向いている人は、設計や図面の作成などが得意な人で創造性豊かなセンスがある理系の人ではないでしょうか。

建築士は、顧客のニーズを伺いつつ建物の外装や内装の色合いなどを決定していきます。
法令を守りながら建物全体を顧客の要望を通りに設計するには、高い創造力センスが求められます。

器用ではない人や創造力が乏しい人は建築士として向かないかもしれません。また設計に関しては、理系の知識が必要な図面の作成や地盤の調査などをしなければなりません。

様々な図面を作成するためには数学的な知識が求められます。顧客が快適に過ごしていくためにはカビの発生を抑えるなどの生活に沿った工夫も必要になってきます。

このように、理系分野が得意な人や空間把握などのスキルに自信がある人は建築士に向いていると言えるでしょう。

多様化に沿ったスキルが必要に

今後更に社会のニーズが多様化し、必要なスキルも多様化していくと予想されます。

多くの競合相手の建築士との差別化を図るためにも独自の強みを持つことが最重要となってきています。

時代のニーズに合わせて、建築士も求められる能力が変わってきています。

例えば、高齢化が進む中でバリアフリー構造の家の建築希望が増加し、エネルギーの循環などができる地球環境に配慮した地球に優しいエコハウスの建築は今後ますます需要が高まってくると考えられています。

そのような特定の分野に特化したスキルを持つことで、他の建築士との差別化を図ることができるようになるでしょう。

まとめ

では最後に、建築士の将来性についてまとめておきましょう。

建築士の将来性まとめ
  • 建設業界の人手不足は深刻であり、将来的にも需要はある
  • 若い世代の建築士が求められている
  • 近未来に活躍するAIとの共存も可能
  • 今後は特定の分野に特化したスキルが必要

今後ますます活躍の場が広がる建築士の将来性は十分にあります。
特に若い世代の建築士の将来性は抜群に良く、キャリアアップが期待できます。

建物に関する様々な分野で活躍することができるため、建築士の資格が取得できれば多くの企業からのスカウトが期待できるでしょう。

一部の業務がAI化しても建築士としての仕事がなくなることはなく、共存することで自分の仕事の質を上げることができます。

ぜひ建設業界に興味がある人は建築士の取得を目指してみてはいかがでしょうか。

監修 資格LIVE編集部
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