【現役臨床心理士による体験談】臨床心理士になるには?資格取得方法、仕事内容、年収・収入を解説!

今回は「臨床心理士」資格の「NR」さんの体験談を見ながら資格取得方法、仕事内容、年収・収入を解説致します!

「NR」さんのプロフィール

NR
上智大学外国語学部英語学科卒業後、社会人経験を経て、私立のロースクールを卒業。その後、心理系の大学院を卒業し、臨床心理士の資格を取得。公認心理師。著書に「輪廻の羽根」(文芸社)。趣味は旅行、読書。

 

臨床心理士になるまで

将来、臨床心理士になろうと思っている方、臨床心理士はどのよう仕事をするのかと思っている方。ここでは、臨床心理士の仕事内容やなり方など私の体験談を交えて紹介したいと思います。

臨床心理士の仕事

臨床心理士とは、心の問題に取り組む心理専門職のことです。臨床心理士は心理学に基づく知識や技術を用いて、人間のこころの問題にアプローチします。心の専門家と呼ばれ、多くの方は病院や心療内科でのカウンセラーを思い浮かべるのではないでしょうか。私も自分の職業を言うとだいたいこのようなイメージを持たれることが多いです。

しかし、その他の分野でも臨床心理士は活躍しています。

分野でいえば、例えば、

子どもの発達の問題や女性問題に関して援助する福祉分野

家庭裁判所や少年鑑別所などの社会的処遇を決定する際の心理的側面に関するテストや心理教育などを行う司法分野

企業の相談室などで職業生活を行うため心理的援助を行う産業分野などです。

臨床心理士の仕事内容

仕事の内容も多岐にわたります。

日本臨床心理資格認定協会では臨床心理士の仕事の内容を4種にわけて規定しています。

1つ目は臨床心理査定。これは心理テストや観察を通して、どのような問題があるのかを明らかにしていくことです。

2つ目は臨床心理面接。これは、カウンセリングをイメージするとわかりやすいですが、様々な技法(精神分析、クライアント中心療法、認知行動療法など)を使ってクライアントの心の支援をします。

3つ目は臨床心理的地域援助。これは、地域や学校などのコミュニティのこころの健康や地域住民の心理的被害の援助を行うことで、情報の提供なども含んできます。最後はこれらの領域人関する調査や研究です。

4つ目は臨床心理士になった後、自ら起業をする。自分の心理相談室を持つ人もいますが、多くの人は資格取得後はこのようなところで仕事をすることになります。

臨床心理士になるにはどうすればいいの?

臨床心理士になるには2段階のことが必要になってきます。

まず、指定された大学院または専門職大学を卒業して「受験資格」を取得することです。

次に、臨床心理士資格認定試験に合格することです。

私は指定大学院を卒業したのですが、大学院を卒業するのに2年間かかりました。社会人をしていて、仕事を続けながら大学院に通っていたこともあり、毎回出る課題をこなしながら、仕事をするのには相当なエネルギーが必要でした。

大学院在学中の生活ですが、週に5日は大学院に行っていました(平日3日夜間、平日1日日中、土曜日)。

授業は講義だけではなく、病院などに実習に行ったり、実際に大学院併設のカウンセリングルームでトレーニングを受けたり濃い2年間でした。臨床心理士なるにはある程度、目標と覚悟をもって目指す必要があると思います。

指定大学院入試の勉強方法

私は大学院に入るまで心理学の勉強を全くしたことがありませんでした。

大学院によって異なるかもしれませんが、多くの大学院の入学科目は英語と心理科目です。英語は大学時代に専攻していたこともあり、得意だったので主に心理学についての勉強をしました。もう一つ忘れてはならないのが、研究計画書です。これは、志望理由書のようなもので願書とともに提出します。「大学院でどのような研究したいか」「なぜこの研究に興味を持ったかなど」具体的に書かなければならないのです。それまで、研究とは縁もゆかりもなかったので、私にとってこの研究計画書を書く方が試験科目を勉強するよりも大変でした。書き方の参考書も出ていたので、それを読み、同時に大学院の学校案内などを取り寄せて、どうにか書き上げました。自分が入りたい大学院で出来る研究なのか、その大学院が専門としている研究なのかなどを盛り込むのがポイントになると思いました。

「臨床心理士認定資格試験」の勉強方法

大学院修了後は日本臨床心理士資格認定協会の資格認定試験に合格しなければ、臨床心理士にはなれません

試験は学科試験と論文試験の一次試験と二次試験の面接からなります。一次試験は午前中に100題のマークシート方式のものを2時間30分で、午後からは論文記述試験を1時間30分で解くことになります。私は大学院で勉強したことを見直し、その他は主に過去問を何度も解き、出来なかったところは、それに関連することなどを調べてなぜ間違えたのかをはっきりさせるという勉強方法を取りました。また、論文試験では書くことに慣れておかなければならないので、自分の書くスピードを把握するためにアウトプットの練習も何回かしました。当日は試験を受けるというだけで緊張しますが、雰囲気に飲み込まれないようにするのが重要だと思いました。

臨床心理士になった後は?

臨床心理士の資格認定試験に合格した後は、無事、臨床心理士として登録することになります。

しかし、弁護士資格などと異なって一度、合格して登録すれば永遠に臨床心理士の資格があるわけではありません。

資格の更新が5年ごとに必要になってきます。更新もただ申請すれば良いというものではなく、5年以内に講習会や研修会に参加したり、発表したりするなどが必要になってきます。資格を取った後も、常に自己の技術を研鑽することが求められるのです。

臨床心理士の生活や収入(実際に勤務してみたら・・)

私は資格取得後、病院での心理検査、大学でのカウンセリング、電話相談などの仕事を経験しました。

臨床心理士の仕事は常に常勤とは限りません。

非常勤で週に何日というところも多いのです。また、常勤でも年間契約のところもあります。

そのため、メリットとしては自分のスケジュールをある程度自由に決められるということです。そして、いろいろな分野の仕事に挑戦出来ます。その反面、常に来年の仕事のことやどのくらい今の職場にいられるのか、いたいかなどを考えることが必要になってきます。臨床心理士の年収は200万~500万だと言われているそうです。公的機関で働くのか、常勤なのか、非常勤なのか、それ以外の資格(大学教授や医師)を持っているのかによっても随分と収入は異なってきます。

公認心理師との違い

同じ心理士として、漢字は違いますが「公認心理師」という資格が2017年に創設されました。臨床心理士は民間資格ですが、公認心理師は国家資格です。公認心理師はまだ出来たての資格で臨床心理士とどのように使い分けされていくのかはこれからの動向によるのだと思います。ちなみに私が公認心理師の資格を持っていますが、公認心理師第1回目の試験のときでした。勉強するにしろ、問題の対策も出来ず、とりあえず臨床心理士の資格試験でやったことを復習するくらいでした。これからの動向が気になるところです。

臨床心理士になって良かった点と悪かった点

臨床心理士になって私が良かったと思った点は手に職をつけられたことです。就職をするにしても専門的な資格があるとないときよりも仕事を探しやすいと思いました。また、困っている人に寄り添う仕事なので、クライアントから感謝されると嬉しいと仕事にやりがいを感じることができた点です。悪かった点としては、職業が安定しないことです。臨床心理士師以外で自分の強みを持っておく必要があると思いました。私は臨床心理士になる前は企業で働いていたり、いろいろなことをしてきたので、そのときの経験が役に立っています。

【資格LIVE編集部より】臨床心理士まとめ

臨床心理士まとめ
  • 臨床心理士とは、心の問題に取り組む心理専門職、福祉や司法、産業などの分野で活躍!
  • 臨床心理士になるには指定大学院、専門職大学を卒業し「受験資格」を取得し、「臨床心理士認定資格試験」を合格する
  • 資格更新は5年ごと
  • 雇用状態で自分の年収が変わる(収入が安定しにくい点がある)

収入の安定はしにくい難しい点もあるものの、福祉関係で直接的に人の役に立つことができるなどあり、やりがいがありそうな職業だと感じました。臨床心理士師で1本で食べていくとなったら現実的に難しいところですが、他にも色々資格を取得しておくと就職や転職に有利だと思いました。臨床心理士を目指す方は、他の資格も取得しつつ、仕事の幅を広げて行きましょう!

執筆・監修 NR

上智大学外国語学部英語学科卒業後、社会人経験を経て、私立のロースクールを卒業。その後、心理系の大学院を卒業し、臨床心理士の資格を取得。公認心理師。著書に「輪廻の羽根」(文芸社)。趣味は旅行、読書。