社労士の副業って?〜 収入やおすすめの業務について〜

社労士資格があれば、どんな副業ができるのでしょうか。

難関資格である社労士、せっかく取得したからには副業でも稼ぎたいところです。
この記事は、社労士資格を活かした副業には、どのような仕事があるのか、副業でどれくらいの収入が見込めるのかを解説していきます。

社労士には副業ができるのか?

最近、大手企業でも従業員に副業を許可しているというニュースを聞いたことはありませんか?では、社労士資格を持っている人は副業をできるのでしょうか。

もちろん、社労士資格を保有している従業員にも副業は可能です。

ただ、勤務をしながらの副業と独立して個人事業主となった場合の副業は異なってきます
企業を定年退職した後に事務所を開く方もおられるでしょう。

社労士という資格は、働き方において広い選択肢があり、しかも長期的に有効活用できるのです。参考までに、社労士として仕事を始めるまでの流れは以下の通りです。

社労士試験に合格→2年以上実務経験を積むか、事務指定講習で修了証明書を貰う→社労士会に登録→全国社会保険連合会発行の社労士会員証(社労士としての身分証)を貰う。

これで晴れて、社労士バッジを取得し、仕事をすることができます。

実際に、副業している人はたくさんいるの?

株式会社パーソル総合研究所の調査によれば、企業に勤める正社員のうち、10.9%が副業をしています。さらに、一年以内に副業したいと考えている人が41.3%にものぼるという結果も出ています。

日本の労働力人口が約6700万人ですので、約730万人の人が既に副業をしているということです。

このように、日本社会において、副業への関心が高まっていると言えるでしょう。また、副業をしたいと考える人の年齢層を見ると、20代、30代、40代の順に多いことが分かりました。男女別では、女性の方が副業への関心が高いという結果が出ています。

  • 副業をする理由

一般的に副業をする主な理由は以下の通りです。(独立行政法人調査)

  • 収入を増やしたい(52.7%)
  • 自分の活躍する場を広げたい(26.8%)
  • 一つの仕事だけでは生活が苦しい(26.5%)
ここからわかるのは、収入増や仕事の幅を広げたいと考える働き盛りの方が多いということです。
これは、社労士資格を保有している方にも当てはまる結果ではないかと思われます。

 

おすすめの副業は?

社労士会のアルバイト

資格取得直後の新人社労士であれば、社労士会や行政機関によるアルバイトがおすすめです。経験に関係なく、機会を得られること、さらに顧客獲得や人脈の拡大などにも役立ちます。

社労士会は各都道府県にあります。そして社労士会主導で、様々な活動が行われています。
その活動でアルバイトの募集があります。

これは、社労士会の会報や登録している社労士だけが閲覧できるHPなどで確認することができます。
このアルバイトは収入が不安定な開業当初には大変助かるだけでなく、人脈を広げて仕事を増やすことにつなげるというメリットがあります。したがって、比較的若い新人社労士が雇用されることが多いようです。

  • 社労士会主催の無料相談会

    たとえば、社労士会主催の無料相談会があります。

社会保険、労働関連の法律、年金制度などの相談ですから、社労士であれば問題なく対応できるでしょう。

デパートの催事場など、人が集まりやすい場所で毎月、あるいはそれ以上の回数で行われています。大規模なものも年に数回は行われます。

社労士のアルバイトの日当の相場は?

では、社労士が副業する場合の報酬の相場はどれくらいなのでしょうか。

例えば、社労士会が主催する仕事であればだいたい日当2万円です。また社労士としての経験年数などは関係ありませんので、新人でも稼ぐことができます。

一般的なアルバイトは時給制であることが多く、あまり高い報酬は期待できません。ただし、大手予備校などでの講師業務はその専門性の高さから、時給にして7千円を超える場合もあります。

あくまで「副業」ですので、収入の柱にはできませんが安定した事務所経営や生活に貢献することは十分に可能です。

他にはどんな副業がある?

ハローワーク

全国のハローワーク(公共職業安定所)では、失業者のために職業紹介だけでなく就職するための支援も行っています。例えば、履歴書の書き方や面接練習指導などです。

ハローワークの職員が行う場合が多いのですが、社労士会に依頼されることもあるようです。また、ハローワーク内で社労士資格保有者が兼務することもあります。

行政機関

行政機関では、社会保険や労働問題に関する専門知識が必要な業務が数多くあります。したがって、社労士を優遇するアルバイトが多くなるのです。

先に紹介したハローワークの他に、

  • 労働基準監督署
  • 協会けんぽ
  • 国民保険国民年金課・福祉課
  • 福祉事務所

などといった行政機関の非常勤職員の募集があります。
実務経験にもなりますし、人脈づくりにも役立つ副業と言えるでしょう。

社労士受験者対象の講師

資格予備校などの講師として、週に1~2回、1回3~4時間程度の講師業務があります。

講義は平日の夜や土日に行われるため、本業には支障をきたしません。雇用形態は様々ですが、時給にして7千円~1万円ほどで月収で20万円ほどにはなるようです。また、大学の就職課などからの依頼での講師業務もあります。

実務経験にはなりませんし、講義の準備も必要ですが、他の副業に比べると収入面でのメリットは大きいでしょう。

保険代理店

損害保険を扱う保険代理店では、社労士資格保有者が重宝されます。損害保険の手続きには社労士のサインが必要な場合もあるからです。ただし、時給はあまり期待できません。およそ900円が相場のようです。

コンサルタント業務

社労士の専門分野である社会保険や労働関連の法律に関するコンサルタント業務を副業として行うことが可能です。コンサルタント業務は3号業務に該当し、社労士資格がなくてもできます。しかし、現実的には専門資格を持つ社労士の方が需要があるでしょう。

ただ、経営に関わるコンサルタント業務は、中小企業診断士や税理士なども競争相手になります。副業として限られた時間の中で成果を出さなければならない難しさもあります。

したがって、コンサルタント業務を副業として行うためには、社労士としての特性を活かすこと、さらに経験を積んで短時間でも成果を出せる力を養っておく必要があります

個人事業主としての副業も可能

ここまでは、企業に勤務しながらの副業を中心に説明してきました。では、開業して社労士を本業としている場合の副業について見ていきましょう。

開業した場合、副業は本業を休む土曜や日曜に行うことが一般的です。

業務内容としては、コンサルタント業務やブログ運営などSNS上での活動が可能です。
特にブログなどは社労士を目指している人や、困っている問題について理解したい人には
有効でしょう。顧客獲得や広告収入につながる可能性があります。

事務所を開業後の副業には制約が多い

独立しても上記のような形でも副業は可能ではあります。しかし、勤務社労士に比べるとかなり制約があることは覚悟しておかなければなりません。

開業すると、事務所経営上、顧客の確保をするための活動に多くの時価を割かねばなりません。したがって副業に当てられる時間は非常に限られるということです。

副業をするにしても、コンサルタント業務やブログ運営など、集客効果のあるものに
するべきでしょう。

社労士が副業をする際に注意するべきこと

社労士登録には年会費が必要

社労士といて働くためには社労士会への登録が必要です。ただ、登録には年会費が必要で、およそ10万円かかります。

社労士会主催のアルバイトなど、開業当初には必要ですので本業を安定させるためには、登録は必須と言って差し支えないでしょう。

年会費以上の収入を稼ぎ、さらにアップを目指すためにはある程度の時間と労力が必要でしょう。

土曜・日曜だけでは難しい

社労士の本業は社会保険や労働関係書類の作成、提出代行、また帳簿書類の作成業務といった「独占業務」と言われる1号、2号業務ですが、官庁や関連機関の稼働は平日です。土日は休みなので、副業として行う業務には適しません

一方、コンサルタント業務であれば週末でも可能です。ただ、それは他の社労士も同じですので、競争は厳しいと思われます。

失業保険給付の対象外になる

会社をやめて開業した場合、失業保険の給付対象外になってしまいます。これは、実は大きな問題です。

失業保険の給付対象となるのは、「働く意思も能力もあるにも関わらず、仕事に就けていない」状態でなければなりません。開業登録をすれば事業主として仕事をしているとみなされ、対象にはなりません

したがって、本業での収入が途絶えてしまうと大変困った状況になります。それを補えるのが副業であり、うまく活用することで安定した副収入も可能になるでしょう。

社労士の副業についてのまとめ

では最後に、社労士の副業についてまとめておきましょう。

まとめ
  • 日本では、「副業」を検討している人が働く人の4割以上いる
  • 社労士には、社労士会が提供する副業がおすすめ
  • 副業は単なる収入目的ではなく、実務経験や人脈拡大などに役立つという
    面でも重要

社労士には年会費がかかる上に、副業するにしても週末だけに限られる場合が多く期待するほどの収入増にはならないかも知れません。

しかし、社労士にとつて副業は社労士間の人脈構築や、実務経験を積むことやスキルを向上させることなどの観点で言えば、決して無駄ではありません。

社労士資格は取得後も長きにわたって有効であり、それを活かしてキャリアアップを目指す上で一つの手段として検討されてはいかがでしょうか。

監修 片野 則之

関東学院大学卒。社会保険労務士事務所NKサポート代表。開業社会保険労務士として、中小企業を中心とした人事・労務コンサルティングを行う。

HP:https://www.e-606.net/