社労士のダブルライセンスにおすすめの資格10選

社労士は労務に関わる専門家として独占業務も認められているため、それだけでも十分に価値のある資格ですが、プラスアルファで別の資格を持っていると、さらに仕事の幅が広げられます。

今回は、そのような社労士資格と組み合わせやすい資格10選をご紹介します。

ダブルライセンスは他の社労士との差別化の手がかりにもなりますので、今後独立を考えていらっしゃる方はぜひ受験を検討してみてください。

社労士資格とダブルライセンスは相性がいい

全国の社労士は2020年の時点で約42,000人登録されており、毎年2,000人から3,000人もの方が新たに社労士試験に合格されています。

このような現状から推測すると、社労士のニーズが高まっているとともにそれだけ同業者間での競争が激しいことがうかがえます。
したがって社労士資格単独では差別化が難しいと言えるでしょう。

さらに、一般的な企業はできれば本業に専念したいため、官公庁への書類提出や手続きなど間接的な業務をできるだけ少なくし、それらを社労士に外注することが多いのです。

その際に、クライアントはより専門的・多面的なアドバイスを求める傾向がありますから、ダブルライセンサーは顧客から重宝され、新規契約や顧問契約の獲得につながりやすくなります。

社労士のダブルライセンスは、活動の幅を広げビジネスチャンスをつかむ上で非常にメリットがあるといえるのです。

社労士のダブルライセンスにおすすめの資格

ダブルライセンスを取得すると言っても、資格の名が付けば何でも良いわけではなく、それぞれがお互いの価値を活かせるような、親和性の高い資格を取得することが求められます。

では、どのような資格がダブルライセンスとして社労士と相性がいいのか見ていきましょう。

税理士

税理士は言わずと知れた税務関係のスペシャリストであり、試験の難易度が非常に高いことでも有名です

平成30年の場合ですと、合格率は15.3%と社労士よりも高い数値ですが、このほとんどが科目合格生です。

税理士は全科目を合格して初めて税理士として登録できますが、1科目ごとの合格が認められる「科目合格」制度をとっているので、何年もかけて税理士としての合格を目指す方が多いです。

税理士と社労士は実務上でも非常に深い関係にあり、ダブルライセンサーになると、たとえば税理士としては節税対策や決算業務、社労士としては、社会保険手続きや雇用問題対策・就業規則の作成などをワンストップで行うことが可能になります。

また税理士資格を取得すると、行政書士なども無試験で資格を得られるので、トリプルライセンスになる道もあるでしょう。

行政書士

行政書士は官公庁に提出する書類の作成が主な業務です。 扱える業務の幅が非常に広く、その種類は9,000以上や10,000以上とも言われています。

社労士業務との関連で作成する書類の種類としては、会社設立の際の定款や各種議事録、外国人の在留ビザなどが考えられるでしょう。

社労士との業務の連携の具体例としては、例えば近年増加している外国人研修生について、受け入れ準備の段階では行政書士として役所との折衝にあたり、その後の労務管理は社労士として関わるなどのワンストップサービスも可能です。

資格試験は、11月の年1回です。近年は合格率10%前後と難易度は高めですが、社労士よりは易しいと言われています。

ただし、社労士との共通の試験科目はほぼありません。仮に出題されるとしても、一般教養の政経・社会分野で、時事的な問題が出題される可能性がわずかにある程度でしょう。

そのため、社労士よりも簡単だからといって油断せずに、それなりの試験対策をしなければなりません。

中小企業診断士

中小企業診断士は、経営者に対して経営上の課題の診断やアドバイスを行います。日本版 MBAと称されることもあり、中小企業と行政・金融機関との橋渡しや、専門知識を活かして、中小企業施策の適切な活用の仕方などのアドバイスなども行います。

試験の難易度は社労士と同程度か、若干高めの位置づけです。
試験分野が社労士よりも幅広い分野にわたるため、社労士単独の知識よりも多角的視点からのアドバイスができるようになるでしょう。

今までの試験とは異なり、1次試験・2次試験それぞれに合格後、実務補習もしくは診断実務に従事してから登録するのが一般的なコースです。

弁理士

町工場など製造業を営んでいる中小企業において、隠れた資産価値があるのが特許です。この特許を申請・出願するのが弁理士の仕事です。

社労士と弁理士のダブルライセンスが実現できれば、中小企業において、労務面でだけでなく知的財産権の管理にも関わることができるので、新規開拓や顧問契約を行う際に有利になり、事業の継続的な付き合いも見込めるようになりますから、安定的に稼げるようになります。

ただし、特許申請に係る事務作業量はかなり膨大なものになります。のめり込み過ぎると社労士の業務も圧迫する可能性がありますから、自分の能力やクライアントの要望などを踏まえた上で検討するようにしましょう。

なお、弁理士の試験はかなりの難関です。
文系資格の最難関が司法試験であるならば、理系資格で最上位に位置するのが弁理士と考えてよいでしょう。試験の問題の内容も理系的な専門知識が要求されますので、理系出身の社労士の方ならば、一考の価値があるのではないでしょうか。

司法書士

社労士として活躍中の方で、クライアントに建築・不動産関連の方が多いのであれば、司法書士とのダブルライセンスがお勧めです。

このような分野においては、建築トラブルや、それにまつわる土地・建築物の諸権利の移動や登記などの業務を日常的に行わなければいけませんから、必ず司法書士や弁護士と契約を結んで予めトラブルに備えているからです。

さらに、経営者の抱えるトラブルの種類によっては、弁護士とともに裁判所に補助人として出廷したり、簡易裁判所の少額訴訟では直接法定代理人を務めることが可能になります。

このように、ダブルライセンスを取得すると、社労士のクライアントから発展的に司法書士としての仕事を獲得できるようになるでしょう。

ただし、試験資格は重複する科目がない上に、合格率もかなり低い難関資格なのがネックと言えます。

簿記

企業の経理担当者であれば、財務状況を把握できる簿記の知識は必須といえます。
社労士としても、社会保険の手続きなどで経理業務は密接に関わります。

具体的には簿記の勘定科目に社会保険料・労働保険料などがあります。また、独立した場合でも、自分自身の社労士としての売上・経費の計算は必ず行い、帳簿としての体裁を整えなければなりません。そのような意味でも必須の資格といえます。

簿記にはいくつか種類があり、日本商工会議所主催の簿記検定(日商簿記)や、全国経理教育協会簿記検定能力(全経簿記)などが代表的ですが、一般的に評価基準として認知されやすいのは日商簿記でしょう。できれば2級以上を取得した方が、知識を実務に活かしやすいでしょう。

ファイナンシャルプランナー(FP)

社労士が社会保険や年金など公的保険に関わる部分が専門的なのに対して、生命保険や住宅ローン・個人年金などの個人に関するお金の専門家が、ファイナンシャルプランナーです。

扱う分野が公的か私的かという違いはありますが、「お金を扱う」点に関しては共通しているので、社労士の資格との親和性が非常に高いと言えるでしょう。

ファイナンシャルプランナーには FP 技能検定(日本FP協会主催)と、ファイナンシャル・プランニング技能士(金融財政事情研究会主催)の2種類が存在します。

相互の資格間で優劣があるわけではないのですが、実技試験などで若干差があります。
ダブルライセンスを考えた場合に、「どちらが優れているか」という視点ではなく、社労士としてどのようなマネープランの提案を行えるのかを軸に、いずれかの選択をするのが良いでしょう。

<参考>日本FP協会金融財政事情研究会

メンタルヘルス・マネジメント検定

メンタルヘルス・マネジメント検定は、大阪商工会議所が主催している資格です。

201512月から、労働者が50人以上いる企業に対してストレスチェック制度が義務化されました。このことから、世間的にもメンタルヘルスのマネジメントに非常に注目が集まっています。
社労士は労務を扱う専門家ですから、従業員のメンタルヘルスについても相談を受けやすい立場にあります。

大企業でも、徐々にこの検定を奨励する企業が出始めているので、社労士とのダブルライセンスは 、「メンタルヘルスについても詳しい専門家」というインパクトを与えられるでしょう。

資格そのものは、最上位のⅠ種だと難易度はやや高めと言えますが、社労士に合格したのであれば十分な学力を有していると考えられますので、取得されるならばぜひⅠ種を目指してみましょう。

<参考>大阪商工会議所

キャリアコンサルタント

キャリアコンサルタントは 201641日から導入された、新しい国家資格です。

個人にとって望ましい職業やキャリアの選択を支援するのが主な仕事で、活躍の場として企業・組織、人材派遣会社・人材紹介会社、公的就業支援機関など様々な場面が考えられます。

試験の合格率は、最新の試験で34.6と国家資格の中では比較的高めです。

また、5年毎に講習を受講して資格を更新することが義務付けられているので、自ずと最新の知識が得やすいことも、メリットになりえるでしょう。

<参考>JCDA(日本キャリア開発協会)

個人情報保護士

近年、個人情報の流出や情報漏えいなどの被害、企業の損害がたびたび報じられています。
そのため、特に多くの顧客情報や情報資産を抱える企業は、情報のセキュリティに関する意識が非常に高くなっています。

社労士としてもこうした動きを無視できるわけではなく、業務に関連する中で、特に注目すべきなのがマイナンバー制度でしょう。マイナンバー制度の導入により、今まで以上に個人情報のセキュリティが重要視されている状況にあります。

個人情報士の資格そのものが直接的なビジネスに結びつくわけではないですが、より高い情報リテラシーを証明する武器としては、重宝するかもしれません。

合格率は37.3%と、易しめの試験になっています。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

難易度が高い資格もありますが、それだけ仕事の幅も広がります。また、中小企業診断士などの資格を取得すれば、コンサルティング業務にも強くなることでしょう

どの資格もその知識は社労士の仕事の幅を広げてくれますから、顧客の特性などと照らし合わせて検討してみてはいかがでしょうか。

監修 資格LIVE編集部
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