社労士は合格率が低く、非常に難しい試験だと言われています。そのため、
「社労士に関心はあるが、実際の難易度はどれくらいなのか?」
このような疑問を持つ方が多いのではないでしょうか。
ここでは、さまざまな角度から社労士試験を分析し、その結果に基づいて解説します。社労士試験の実際を理解し、合格するための正しい方法を見出していただきたいと思います。
まず、社労士試験の難易度について大枠でのポイントを挙げます。
- 合格に必要な勉強時間はおよそ1000時間、1年くらいの期間で準備する必要がある
- 合格率は約6%で推移しているが、近年やや上昇傾向にある
- 難易度は高いが、誰にでも合格するチャンスはある
ではこのポイントを裏付ける情報や学習の指針を、以下の目次項目にしたがって解説していきます。
- なぜ社労士は人気があるのか
- 社労士の合格率は?
- 試験範囲は広い
- 国家資格難易度ランキング
- 他の資格と比べてみよう
- 独学での合格も可能
- 通信講座がおすすめ
- まとめ
なぜ社労士は人気があるのか
まず、社労士が人気資格である要因を4つの視点で紹介します。
-就職・転職に有利-
社労士は資格取得が就職や転職活動におけるアピールポイントになります。
社労士は書類作成、提出、コンサルティングなどの独占業務があり、その点が非常に有利であると言えます。
就職先として、社労士事務所、企業など幅広い選択肢があります。実務経験を要する求人もありますが、未経験者も応募可能な求人も多くあるので心配ありません。
-高収入も可能-
社労士は独立開業して成功すれば高収入が見込めることはイメージできると思いますが、雇用されている場合でも高水準の収入が期待できます。
実際、社労士の平均年収は600~700万円であり、国内の平均年収約430万円に比べると高いことがよくわかります。さらに企業によっては資格手当がある場合もあります。
開業すれば1000万円を超える年収も狙え、努力次第でより高い収入を目指せる職業なのです。
-独立開業も可能-
勤務型の働き方の他に、独立・開業という選択肢もあります。
開業した場合、収入増が狙えること、業務内容を自分で裁量できるというメリットがあります。
このように、独立するメリットは大きいのですが、その分顧客を増やすための営業活動も自分でしなければなりません。
それが上手くいかない場合には、収入が安定しないというリスクもあります。それを意識して、積極的な営業活動とともに、人脈を広げていくことが必要です。
-難易度がそれほど高くはない-
合格基準点が細かく設定され、苦手科目を作らず、まんべんなく得点できることが求められるという点で、決して易しい資格ではありません。
しかし、税理士や司法書士などの超難関資格に比べると、正しい方法と必要な時間さえ確保できれば誰にでもチャンスがある試験なのです。
勉強時間の比較
社労士 | 難関 | 1000時間 |
中小企業診断士 | 難関 | 1000時間 |
税理士 | 超難関 | 3000時間以上 |
司法書士 | 超難関 | 3000時間以上 |
数年をかける必要もなく、実際に働きながら合格する人が多いことからもわかります。これこそ、人気資格である理由のひとつでしょう。
〜資格取得者の声〜

社労士の合格率は?
では次に、社労士の合格率についてみていきましょう。
-合格率は約6%-
社労士試験は年に一回だけ行われます。直近11年間を見ても、10%に達したことはなく、
2015年には3%を切りましたが、その後はやや上昇傾向にあり、2017年~2019年は6%台で推移しています。
合格者の定数はありませんが、倍率は低い年度でも10倍以上であり、高い年度では20倍を超えています。
-なぜ合格率が低いのか-
合格率が6%と聞くと、腰が引けてしまうかも知れません。しかし、実際には数値が示すほど低いわけではありません。
まず、独学で挑戦する人のうち、かなりの人が試験本番までに諦めてしまうことが多いのです。実際には2割以上の受験生が受験することなく諦めているのです。
また、仕事をしながら勉強する人が多いため、準備が不十分なまま受験する人も大勢おられます。
このように、合格する可能性は合格率が表すほど低くはないでのです。
-合格ラインは?-
社労士試験の合否は、選択式、択一式の総得点と各科目別の得点がそれぞれの基準点を超えているか否かで決まります。
具体的に言うと、各試験形式(選択式、択一式)の2つの総得点と、科目別15個の得点、合計17個の得点が合格基準を上回っていなければなりません。
つまり、苦手科目を作ることなく、全科目を平均的に解く力が求められるのです。
[選択式試験の合格ライン]
近年の選択式試験の合格ラインは、23点前後(40点満点)です。したがって、70%以上の得点率であれば確実に合格ラインを突破できるでしょう。
一方、科目別の合格ラインは3点(5点満点)が一般的です。ただ、問題の難易度によっては、受験生の得点率が低かった科目については救済措置が行われることがあります。具体的には、
本来合格点が3点であるところ、1~2点に下げ、必要以上に不合格者を出さないように配慮されるというものです。
[択一式の合格ライン]
択一式の総合得点における合格ラインは41~49点(70点満点)となっています。やはり、70%以上の得点率であればまず間違いなく合格ラインは超えているでしょう。
科目別の合格ラインは4点(10点満点)が基準となっています。選択式と同様に、救済措置が行われる場合があり、その際には合格点が3点に変更されます。ただ、択一式試験で救済措置が行われることはほとんどありませんので、確実に4点が取れるようにしましょう!
-合格に必要な勉強時間-
一般的に、社労士試験合格には800~1000時間の勉強時間が必要だと言われています。
1000時間と言えば、1日3時間で約1年かかる計算です。
合格者の7割は仕事をしながらの受験生であり、現実的には1日3時間の勉強は困難であると推測されます。したがって、合格までに2年以上かかる人も多くおられるのが実態です。
当然勉強する環境には個人差があり、一概には言えませんが、目安として合格するためには1年程度は必要だとお考えください。
-社労士試験の受験者層-
社労士試験はどのような人が多く受験しているのでしょうか。受験者層を知っておくことも大切なことです。
例えば、合格率が70%の試験でも、受験者の大半が有名大学の学生であれば決して難易度が低いとは言えません。
では社労士試験はどうでしょうか?
[年齢層]
社労士試験の合格者の中で、6割以上が30・40代の社会人です。仕事も忙しい年代である
にもかかわらずです。
これは、社会人が仕事をしながら、あるいは家事や育児をしながらという状況でも、十分に合格が可能であることを示しています。
[男女の合格比]
変動はあるものの、2019年度で見ると女性の合格者は35.7%でした。つまり、合格者のほぼ3人に1人は女性であるということになります。これは、行政書士の 23.3%、中小企業診断士の8.7%に比べるとかなり高い割合です。
これは、社労士が男女を問わず活躍できる職業であることを示しています。働き方の選択肢も豊富であると言えるでしょう。
試験範囲は広い
社労士試験は、毎年5万人が受験する人気資格です。しかし、合格率は約6%程度。これは試験範囲の広さが原因と考えられます。
社労士試験は8科目で構成され、選択式と択一式の2通りの形式で出題されます。
しかも、各科目に合格基準点があり、すべての科目を平均して学習しなければなりません。いわゆる「捨て科目」を作ることが許されないのです。
〜先輩受験者の声〜

過去の試験と類似した問題が出題される傾向が強いので、何度も過去問を解くことも重要です。また、法改正部分も出題頻度が高いので、十分な対策をしなければいけません。
社労士試験で大切なのは、根気強い継続学習です。
では、具体的に試験範囲の広さをみてみましょう。勉強方法も合わせてご紹介していきます。
[労働基準法及び労働安全衛生法]
労働基準法と労働安全衛生法は1科目として扱われています。
- 労働基準法:労働時間や就業規則に関する法律。労働者の権利を守ることを目的としている。
- 労働安全衛生法:健康診断などを規定した、労働者の安全を守るための法律。
いずれも働く人にとって身近な内容を扱う法律であり、比較的勉強しやすい科目だと言えるでしょう。
比較的労働基準法の出題数が多く、判例について問われますので法律内容の正しい理解が求められます。しかし、比較的得点しやすく、得点源にできる科目です。
一方、労働安全衛生法は出題数が少ない分、過去問における頻出項目を中心に対策することが効果的です。
[労働者災害補償保険法]
労働者災害補償保険法は、労働者が業務中などに罹災・罹患した場合に企業や国が行うべき補償を規定した法律です。
出題は保険給付が中心であり、あまり深いところまで問われることはないため、基本的な知識をしっかりとおさえておくことが重要です。
[雇用保険法]
雇用保険法は、失業時に給付される「基本手当」の規定内容から、育児休業について規定した「育児休業給付」など、広い範囲で出題されます。
実際には、失業給付の「基本手当」が支給される条件などの基本的な項目が問われることが多いようです。特に数字は正確に暗記しておくことが必要です。
[労務管理その他の労働に関する一般常識]
労働者に関する法律全般について出題されます。男女雇用機会均等法、労働者派遣法など時代に合わせて定められた多くの法律の学習が必要です。
出題範囲が広いため、法律の改正や新しく施行された法律などに注意して幅広く学習しておく必要があるでしょう。
[社会保険に関する常識]
社会保険に関するさまざまな分野から出題されます。医療や財政など、幅広く学習しておく必要があります。
特に、年金制度や医療保険などの国民生活に直結する分野における最新情報には注意しておく必要があります。
出題範囲は広いのですが、ほかの科目と重複している部分も多く、十分に得点源にすることが可能です。
[健康保険法]
健康保険法は、仕事以外の日常生活を送る中での病気やけがについて、国が医療費を負担する内容を規定しています。
基本的な給付内容だけでなく、監督官庁などから自治体へ出される「通達」なども出題されることがあります。内容をしっかりと理解しておく必要があります。
また、法改正があれば、その部分は出題される可能性が高いので要注意です。
[厚生年金保険法]
厚生年金保険法は、会社員が加入して国民年金と合わせて将来に備える制度について規定した法律です。
しかし、度重なる改正、特に「経過措置」は非常に複雑で、しっかりと理解した上で暗記する必要があるため難易度が高い科目です。
国民年金法と合わせて学習し、年金制度の全体像を理解するよう学習しましょう。
[国民年金法]
国民年金法はその制度内容は当然のことながら、その歴史も学習しておく必要があります。
厚生年金法に比べると分かりやすく、基本的な内容の出題が多いようです。受験生間で得点差がつきやすく、基本的な項目をしっかりと学習しておくことで、優位に立つことができます。
[労働管理・社会保険に関する一般常識]
社労士試験の中で意外と苦戦するのが「一般常識」です。あくまで「労働管理・社会保険」に関する一般常識なのです。
試験前年度の関連政策の報道発表や関連官庁の報告書、白書などから出題されます。したがって、過去問題による対策が難しく、毎年通信講座や予備校などが出している予想問題などを利用することがおすすめです。
-受験資格が厳しい-
社労士試験は、学歴・資格・実務経験の3つの条件から1つ以上に該当していなければ受験できません。主な条件内容は以下の通りです。
- 大学・専門学校卒業等の学歴
- 3年以上の実務経験
- 指定された国家資格の保有
特に学歴要件については、5種類の規定があり、受験の際には社労士試験の公式サイトでしっかりと確認しておく必要があります。
ただ、高卒・中卒の方は該当しませんので、その場合には「指定された国家資格」、例えば行政書士などを取得して要件を満たすという方が多いようです。
受験資格については必ず社労士試験の公式サイトでご確認ください。
-社労士の「偏差値」は高い?-
難関資格と言われる国家試験の偏差値で表すと、以下のようになります。
資格 |
偏差値 |
弁護士 |
75 |
公認会計士 |
74 |
司法書士 |
72 |
中小企業診断士 |
63 |
社労士 |
62 |
行政書士 |
60 |
宅建士 |
56 |
社労士の偏差値は62であり、行政書士や宅建士よりも高いことがわかります。しかし、弁護士や公認会計士に比べると、かなり低い数値です。難関資格ではあるのですが、難関資格と言われる中では決して高い方ではありません。
社労士は簡単ではありませんが、十分な時間と効果的な対策をすれば誰にでも合格が可能な試験なのです。
-試験当日は長い一日-
準備期間も大変ですが、試験当日も長い一日となります。
当日は午前に80分、午後に210分と、合計290分の試験が課されます。例年朝10時30分から午後4時50分までの長い戦いです。
学生時代と異なり、一日中試験を受けるという経験は社会人ではまずありません。プレッシャーを感じながらの1日は、集中力を維持するだけでも大変です。
本番で実力を出し切れる精神力を要求される点も、難易度を上げている要因の一つでしょう。
-体力づくりが必要-
上記の通り、1日で何時間も試験を受けるのはなかなか厳しいことです。
20代なら問題ないかもしれませんが、30代以上になると多くの人が体力の維持が難しくなっています。そのため、長時間の試験を乗り切るための訓練も必要になります。
具体的に言うと、過去問題に取り組む際に、その年度のすべての問題を解いてみることや、予備校などで行われる模擬試験を経験しておくことが必要です。
特に自宅外で受験する模擬試験は、本番と同様に不測の事態にも対応する練習にもなります。どのような時でも集中力を維持することが大切なのです。
国家資格難易度ランキング
次に、他の資格と比較してランキング化してみましょう。
資格 |
難易度 |
必要な勉強時間(目安) |
日照簿記1級 |
難関 |
800~2000時間 |
FP1級 |
やや難関 |
500時間 |
行政書士 |
やや難関 |
500~800時間 |
社労士 |
難関 |
1000時間 |
中小企業診断士 |
難関 |
1000時間 |
税理士 |
超難関 |
3000時間以上 |
司法書士 |
超難関 |
3000時間以上 |
有名な資格と比較すると難易度がよりイメージしやすくなると思います。
他の資格と比べてみよう
-難易度が近い資格-
[中小企業診断士]
中小企業診断士は必要な勉強時間1000時間、合格率4%と、社労士と同程度の難易度と言えるでしょう。
行政書士と同様に、ダブルライセンス取得で仕事の幅が広がり、より高い需要を見込むことができます。
近年注目されている「働き方改革」の影響で、企業内の労働環境改善についてのコンサルティング業務需要が高まっており、今後もそれが継続すると思われます。
[行政書士]
行政書士合格に必要な勉強時間は500~800時間程度です。合格率は10%程度と社労士よりもやや難易度は低いと言えます。
法律を扱う仕事という点では共通していますが、試験では行政書士が憲法などのなじみのある法律が中心であるの対して、社労士は労務や社会保険制度関連の専門的な法律が出題される点が異なります。
したがって、行政書士で問われる内容を押さえた上で社労士の勉強をすることが望ましいと言えるでしょう。実際、行政書士から社労士という順番で受験する方も多いようです。
どちらも「士業」であり、双方が補完できる親和性があるため、行政書士と社労士のダブルライセンスを取得する人が多いのです。
[簿記]
日商簿記はかなり人気度の高い資格です。2級であれば合格率は23.0%で勉強時間も350時間程度であり、社労士よりも難易度は低いと言えます。
しかし、1級となると合格率は9%、勉強時間も800~200時間必要であり、同程度の難易度とみて良いでしょう。
[FP]
FPは社労士に比べると易しい資格だと言えるでしょう。
1級でも必要な勉強時間は500時間程度、合格率は10%程度です。2級であればより易しくなります。
ただ、1級には受験資格にいくつか条件があり、それを考慮すると社労士と同程度の難易度と言えるかも知れません。
-超難関資格との比較-
[税理士]
税理士試験は数字処理の問題が多く、数学が苦手な人には極めて難関であることは間違いありません。
ただ、年一回の一発勝負である社労士とは異なり、1科目ごとに合格を積み上げていくことができます。したがって、5年以上かけて合格するという人もおり、社労士よりもはるかに難しい国家資格だと言えます。
[司法書士]
司法書士は、合格まで5年はかかると言われる超難関資格です。合格率も平均3%程度であり、はるかに難しい資格です。
試験範囲も膨大であり、択一式11科目70問、さらにそのうち2科目については記述式の試験も課されます。その上、3科目について口述試験もあります。
膨大な学習範囲を一つ一つ丁寧に勉強していく必要があり、社労士試験をはるかに上回る難易度です。
独学での合格も可能
社労士を目指す勉強方法は人それぞれです。独学で目指すことをお考えの方もいらっしゃるでしょう。独学は費用を抑えられるという大きなメリットがあります。
ただ、社労士のような比較的難易度が高い資格試験の場合には、独学での合格は容易なことではありません。そのため、試験の特徴を把握し、効率的な学習方法が必要です。
-独学で合格するための勉強方法は?ー
まず、学習スケジュールを立てることです。1年での合格を目指す場合、1科目につき1ヶ月の学習期間を設定しましょう。
全8科目の学習を8ヶ月で行い、以降は各科目でそれぞれ7割以上の得点が可能になるように復習を徹底して行います。
学習は過去問題集を中心に進めてください。本番に近づくほど、インプットではなく、アウトプットに重点をおくようにしてください。
-独学での合格を目指す上での注意は?-
通信講座や予備校であればさまざまなサポートを受けることができます。しかし、独学であれば、自分でスケジュールを立て、進捗の管理もしていかなければなりません。
そうした状況で、闇雲に進むことは効率が悪くなる可能性が高く、危険です。以下で、注意するべき点を解説します。
[法改正]
まず注意するべきことは、毎年行われる「法改正」です。独学の場合、自分で「法改正」の情報を収集しなければなりません。
少なくとも、テキストや問題集は最新版を購入しましょう。
[合格基準点]
社労士試験では、各科目に合格基準点が設定されています。したがって、全科目をまんべんなくカバーした学習が必要です。
[模擬試験]
独学者にとって、本番同様の試験感覚を身につける最適な方法が模擬試験です。また、相対順位を知ることで、自分の学習進捗度を確認することができます。
-独学者におすすめの教材-
独学者におすすめなテキストは、TAC出版によるものです。予備校としても高い実績を誇るTACですので信頼できます。
特に「みんなが欲しかった!社労士」シリーズは図やイラストが豊富で、初学者にも非常にわかりやすくなっています。入門書としても最適です。

また、テキストを購入する場合、以下の2点を守ってください。
- 必ず問題集もセットで購入すること
- 最新版を購入すること
実際、問題集を解く方がテキストを読み込んで学習するよりも効率が良いのです。問題集を中心に、テキストは補助として利用する形が良いでしょう。
また、必ず法改正に対応した最新版を購入してください。
通信講座がおすすめ
ここまで独学者向けに解説しましたが、社労士の難易度を考慮するとやはり通信講座の受講をおすすめします。実際、合格者の8割は通信講座また資格予備校の利用者なのです。
通信講座は独学とあまり変わらない費用ですむものも多く、是非利用をご検討ください。
〜先輩受験者からのアドバイス〜

まとめ
さて、社労士試験に難易度についてさまざまな角度から解説してきました。
ここで、改めてまとめてみましょう。
- 資格を取得することのメリットは非常に大きい
- 合格に必要な勉強時間は1000時間
- 社労士試験の合格率は約6%の難関資格
- 独学でも合格は可能。しかし、通信講座などの利用がおすすめ
社労士資格を取得することは、決して簡単なことではありません。しかし、だからこそ、取得後の大きなメリットがあるのです。
魅力的で、合格するためのさまざまな学習方法もある社労士、将来を見据えて是非検討されてはいかがでしょうか。
■監修者より一言
勉強時間の目安は参考になる部分であり、全く無視すべきではないと考えますが、過度に意識しすぎないことも重要です。
これは、1,000時間勉強しなければならないと考えてしまい、内容が伴っていなかった場合(ただ机に座って時間を計測しているだけで頭が働いていない)はむしろせっかく覚えた知識が抜け落ちていることさえありえます。
よって、時間は目安としては意識しつつも最重要事項とまではすべきではないと言えます。あくまで目的は試験の合格であり、1,000時間勉強することが目的ではなく時間数は手段です。
手段の目的化現象と言い、誰しも本試験の日は一定の緊張感は感じます。その日の会場に自信を持てる実績を持って行きたいということで勉強時間もそれに相応しいと言えます。しかし、本試験日前までは時間数を一つの目安としてむしろ内容を充実させる勉強法の方が本質的と考えます。
監修 片野 則之
関東学院大学卒。社会保険労務士事務所NKサポート代表。開業社会保険労務士として、中小企業を中心とした人事・労務コンサルティングを行う。