【合格体験記】予備校に通いながら司法書士に一発合格!初学者でも合格するコツとは?

今回は実際に司法書士として働く「D,H」さんの合格体験記を元に合格の秘訣をご紹介します。

私の合格体験記

私は元々弁護士になるため、法学部の中でもロースクールを目指す学科を受験し、大学に入学しました。しかし、大学2年生の時に先輩達と話している際に、ロースクールに行くとなると学費がかかり、なおかつ勉強期間中はアルバイトなどをする余裕も無いと聞き、経済的に難しかったため、弁護士になることは諦めました。

特に目標も無く遊びながら大学生活を送っていると、3年生の時に、特別授業で現役の司法書士の先生が講師として講義して頂ける授業がありました。「司法書士という職業がある」という事をそこで初めて知りましたが、その先生が司法書士の仕事をこう表現しました。

『弁護士は紛争が起きてから仕事をするが、司法書士は紛争を起こさない為に仕事をする』

この表現が本当かどうかは分かりませんでしたし、先生も分かりやすく仕事内容を伝えるためにこう表現したのだと思います。これを聞いた私は『やりがいありそう!』という単純な興味で司法書士試験の受験生活をスタートしました。

予備校に入学

司法書士試験については全く分からなかったのでインターネットで調べてみると、『司法書士試験の内容はよく分からないけどどうやら試験は難しいらしい。独学でも予備校でも合格はできるみたいだけど予備校に通った方が質問が出来るから近道っぽいな。予備校はいくつかあって学費が結構違うな。』という事が分かりました。予備校はとにかく安い所を探しましたが、通学・模試付きのコースで40万円でした。大学生にはとてもじゃないけど払えません!

そこで私は父親に相談しました。いくつか交渉材料を用意していき、

『司法書士になるためには予備校に40万円もかかる。でも1発(1年目)で合格すれば予備校からお祝い金20万円貰えるらしいし、大学からも10万円貰えるらしい。そのお金で授業料は返済するのでお願いします。』と。

当時の私は司法書士試験の難易度や合格率なども分からず、それなのにお祝い金は当たり前のように貰えると思っていたので、今考えたら相当な自信家です(笑)ですがなんとか1年で受かるぞ!という気合だけはありました。

ちなみに私は法学部に在学していたものの、まともに大学の授業は出席しておらず、法律の知識はと言うと正に初学者というレベルでした。ですので法学部で学んだ知識は、私の場合はほとんど関係ありませんでした。(余談ですが、司法書士合格の同期は文学部や情報処理科学部?というような学歴の方がいっぱいいました。)

学習方法

私が予備校で入学したコースは、『15か月間の学習期間で基礎から学んで一発合格を目指す』というものでした。週2回各90分の授業が12か月あり、残りの3か月は毎週1回答練がある、というカリキュラムです。

学習を始めたころに実践していた方法としては、

  1. 予備校の授業を受ける。
  2. その日の内に授業で進んだ分のテキストを1周読む。
  3. 次の日に該当する分野の過去問を解く。
  4. 間違えた問題の解説を読み、該当のテキストを読む。

以上の繰り返しでした。これを1年間続けると予備校の授業が一通り終わります。

一通り授業を受け終わった後は、

 

  1. 過去問集(30年間分くらいの問題がまとめられているもの)を25問ずつ区切り、時間を計って一気に解く。
  2. 間違えた問題に付箋をつけながら、1冊分最後までやってみる。
  3. 付箋がついている問題だけをもう一度やる。(また間違えたら付箋を残す。)
  4. 3.を繰り返し、付箋が無くなるまでやったら1周とカウント。
  5. 1.に戻り、全教科10周はやる。

という方法を実践していました。

何度やっても間違えてしまう、理解できない問題は、テキストを読み直し、オンラインで授業を受け直し、それでも分からなかった時は予備校の先生に聞きに行きました。

予備校の先生からは『過去問こそが重要だよ!最低10周はやらなきゃいけないよ!』と授業で言われていたため、私はその通りにやっていました。驚いたのは、クラスメイト(予備校のクラスは30名ほど)と話していると、過去問を1周しかしていないのに、本屋さんで新しいテキストを買ってきて勉強してる人が多い事です。驚愕でした。予備校の先生(=受験のプロ)が『とにかく過去問を何周もやりなさい』と言っているのに、生徒(=受験の素人)が自分の判断でやり方を変えて勉強しているのです。

私が声を大にして言いたいことは、

予備校に通っている(通信でも同じ)人は、先生の言う学習の仕方を素直に実践しなさいという事。独学の方はいわゆる王道と呼ばれる方法を真っすぐに実践するという事。

また、テキストは何冊も要らない、1種類のテキストを隅々まで理解すれば十分合格レベルに達することができるという事。

最後に、過去問30年分を理解していれば、本試験で出題される新たな設問でも必ず回答に辿り着けるという事です。

ちなみに、合格後クラスメイトと食事に行く機会があり話をしていると、最終的に過去問を3周しかできなかった点、ネットでおススメのテキストをつい買ってしまい思うように学習が進まなかった点を後悔していました。

司法書士を目指して良かった点

私は司法書士になり、最初は既存の司法書士事務所に勤務をして経験を積ませてもらいました。当初は実務について右も左も分からず、『試験勉強と実際の仕事全然違うやん!』と毎日実務書を読みながら働いておりました。

それから5年ほどして自分の事務所を開設し、現在は事務所の代表として働いています。司法書士の周辺資格業と言われる土地家屋調査士の資格も独立してから取得し、所謂ダブルライセンスで事務所を運営しておりますが、土地家屋調査士の試験勉強を始めた時に、『司法書士で良かったぁ』と思いました。

というのも、司法書士試験を合格できるほどの憲法・民法・不動産登記法の知識を持っていれば、土地家屋調査士試験の学習がぐっと楽になります。行政書士試験も同様に、憲法・民法・会社法の知識はそのまま使えます。具体的には、一般的に必要とされる学習期間が半分になるイメージで周辺資格の試験に合格できると思います。

独立してからの状況

5年ほど前に独立しましたが、独立したばかりの頃は当然ですが得意先も無く、開業して2か月間は受注件数0でした。ただそんな事は分かっていましたので、その2か月間を利用し、税理士さんやM&Aセンターなどに飛び込み営業をしていると、徐々にですが依頼が舞い込んでくるようになりました。少しづつ仕事が受注できるようになると、得意先が新たなお客様を紹介して下さるようになり、段々と受注件数が増えていきます。

1年目の決算はギリギリ黒字で、独立前と同じような年収となりました。

2年目はお客様も増えてきておりましたので、年収も1000万を超えました。

3年目~現在にかけても、今のところ前年比を割り込む事はなく、年々増えております。

ネット情報ですと平均年収として厳しい数字が書かれておりますが、私の周り(同期や後輩)で独立している人は同じくらいの年収になっているイメージです。正しい知識を身に付けて、正しい営業をし、誠実に業務をこなせば、十分に仕事として成り立つ職業だと感じています。

最後に

今振り返っても、司法書士試験は他の資格と比べても、かなり難しい部類に入る資格だと思います。

その分、合格した時に得られる達成感、実務のやりがい、社会的信用はかなり大きいと感じます。また、独立開業が可能な資格で、比較的独立した後の成功率も高い職業ですので、現在学習されている方は迷うことなく、合格に向けて走り続けて頂きたいと思います。

執筆・監修 D,H
司法書士試験に合格後、個人事務所での修業期間を経て独立。現在は事務所を法人化し、代表として司法書士法人を運営中。メインの業務はハウスメーカーから受注する建物新築登記のご依頼で、土地家屋調査士と司法書士の資格を活かして日々の業務を行っています。司法書士として相続セミナー・遺言セミナーの開催経験あり。