司法書士を取得するメリットは?仕事の魅力や求人について解説

司法書士といえば、よく「登記のエキスパート」と評されます。
司法書士になるには合格率3〜4%の超難関試験を突破しなければなりません。

では、司法書士にはそれに見合っただけの価値があるのでしょうか。

今回は司法書士資格を取得した場合のメリットや魅力について考察していきます。

司法書士取得のメリット

独立や開業を目指せる

司法書士資格を目指す人の中には、将来の独立開業を考えている人も多いでしょう。

司法書士試験の合格率は平均4%未満と言われる難関資格ですが、逆に言えば、それだけ社会で認められやすく必要とされる職業です。

ただし、知識と経験則に頼るところの大きい職業ですから、試験合格後にすぐに開業する人はまれで、多くの人が資格取得後に司法書士事務所などに就職して経験を積んでから独立しています。

また、開業するにあたっては各地の司法書士会経由で「日本司法書士会連合会」に備える司法書士名簿に登録されて、初めて開業することができます。
ただし、実務経験が全くない状態の登録はほぼ認められていません。司法書士試験合格者を対象にした研修の受講が、実質的な登録要件になっています。

事務所を構える際に揃えなければいけない備品は、パソコン・電話などの他に、スキャナーや鍵付きのキャビネットなどを用意するのが望ましいと言えるでしょう。
とはいえ、開業前の事前調査も特にないので、少しずつ揃えていく形でも大丈夫です。

収入が安定しやすい

司法書士になるメリットとして第一に挙げられるのは、収入が安定しやすい点です。

司法書士としての働き方は二通りのパターンが考えられますので、それぞれの収入面について見ていきましょう。

  • 勤務型

1つ目は弁護士のいる法律事務所や、他の士業者もいる法務事務所で働くパターンです。

初めは大抵このパターンですが、月収は約20万円代の前半が目安になります。
ボーナス等は各勤務先でばらつきがありますが、年収としては250万円〜400万円程度が一般的な数字になります。

都市部の有名事務所のケースでは500万円~700万円と言う所も存在していて、地域や事業規模、勤続年数にもよりますが一般的な会社員とほぼ同等といった所がほとんどになります。

勤務型と言われるスタイルで、以下のような勤め先が考えられるでしょう。

①司法書士事務所

真っ先に思い浮かぶのが、このパターンではないかと思います。将来独立して事務所を構えたいと考えている人ならば、経験を積むにはぴったりの働き方でしょう。

事務所によって得意とする分野が異なってきますので、何度か転職をしながらキャリアアップする人も多くいます。

②他の士業事務所

こちらは、弁護士事務所他の士業の事務所などに勤務するパターンです。

弁護士事務所であればパラリーガルとして知見を深めたり、総合的な事務所であれば他の法律士業の業務も間近で学ぶことができますので、他業との連携の仕方などを学習する良い機会になります。

③一般企業

法律系の事務所への就職以外にも、「企業法務」として就職する方法もあります。
司法書士資格があると法律に強い人物とみなされるので、企業法務で働くことも可能です。

また、企業法務を求める会社は大手企業がほとんどであるため、給与や福利厚生での待遇に恵まれやすくなります。

ただし、応募条件に司法書士事務所での勤務経験が要件とされていることが大半ですから、まずは司法書士事務所での勤務経験を積むことをおすすめします。

 

  • 開業型

こちらは独立して新規に事務所を立ち上げるパターンです。

勤務型の平均年収は250~400万円くらいと言われていますが、独立すると自分の頑張り方次第で収入が大きく変わりますので、1000万円以上を稼ぎ出す人もいれば、200万円未満の人もいます。

もっとも、「事業の成功」を単純に事務所の拡大や売上の増加と結び付けられない面もあるので、これを多いと見るか少ないと見るかは、人にもよるでしょう。

しかし、「登記」は司法書士の専売特許と言えますから、仕事の性質上、依頼がなくなるということは考えづらく、士業の中でも比較的安定度が高いと言えます。

転職や就職で重宝されやすい

先にも述べたように、司法書士は社会的にも認知度が高く、その価値が認められやすい資格です。

資格の性質上、金融不動産と密接した知識があるので、これらの業界で重宝されるのはもちろんのこと、コンプライアンスが重視される昨今において、大企業に留まらず中堅企業などでも法務部門を立ち上げたり、法務専門のアウトソーシング事業を展開することが予想されます。

また、求人の時期にあまり偏りがなく安定的に募集があるのも特徴です。あえて述べるならば、司法書士試験の合格発表後の10月~年明けや年度末に転職者が増えるので、それに合わせて求人も増えるようです。

司法書士の求人・就職について

求人数は増えている

地域によって格差はありますが、近年司法書士事務所の求人数は増加傾向にあり、関東圏や関西圏などの大都市のケースでは資格試験の合格者を上回っている所も存在します。

大抵合格してすぐは司法書士事務所に勤務するので、首都圏であれば就職率の高い安定した業界といえます。しかし司法書士事務所自体が少ない地方では首都圏ほどの安定は見込めないのが現状です。

50代での就職

司法書士は合格者の平均年齢が30代で、就職者も30代や40代がメインになります。年齢制限がある事務所も存在していますが、経験豊富な人材を求める事務所も多いため、50代で採用されることも可能です。

幅広い年代の人材が求められている業界であり、採用面接においては意欲コミュニケーション能力社会経験等も重視される事から、50代も問題なく就職しています。

求人情報の探し方

一番多い方法は各都道府県の司法書士会に掲載されている求人情報によって探す方法です。その他にはハローワークや予備校主催の事務所合同説明会への参加、またはエージェント会社の利用などがあります。
中には事務所のウェブサイトに求人情報を載せている事務所もありますので、特定の事務所が決まっている場合は見てみるのも良いかもしれません。

司法書士になるには

試験合格後、司法書士会に登録する

司法書士になるためには、司法書士試験に合格した後、全国のいずれかの司法書士会に登録をして、指定される研修に参加しなければいけないのです。この研修を終了して初めて、司法書士としての業務を始める事が可能になります。

各司法書士会によって研修のカリキュラム期間が異なっており、詳細は登録を予定している司法書士会に確認が必要です。

いきなりの開業は非現実的で、大抵の人は自分の将来やりたいと考えている分野をメインとしている司法書士事務所に勤務します。補助者として勤務する事で、実務経験を積みながらスキルを伸ばして行くやり方になります。

司法書士試験に合格する以外の方法

司法書士試験に合格する以外の方法は、裁判所事務官や検察事務官として10年以上の勤務経験を積んで法務大臣の認定を受ける事が出来たケースになります。
しかしこちらは、裁判所事務官や検察事務官の採用試験に合格する必要がありますし、10年以上の勤務実績も必要なため司法書士試験に合格する方法が一般的になります。

司法書士試験の内容と受験資格

司法書士試験は例年筆記試験が7月、口述試験が10月に実地されます。

筆記試験

筆記試験は択一式と記述式が以下のように午前午後に分けて行われます。

  • 午前の部:択一式35問
  • 午後の部:択一式35問、記述式2問

内容は民法、不動産登記法等の各種法律の11科目からの出題で、主要4科目の民法・不動産登記法・商業登記法・会社法を含む商法の出題数が多くなっています。

口述試験

口述試験は、筆記試験の合格者のほとんどが合格する試験で、司法書士の業務をするための会話能力の確認の試験と呼ばれています。

受験資格

司法書士試験はには受験資格がありません。年齢や学歴、職務経験等の条件は定められておらず、受験回数の制限も無いので合格するまで何度でもチャレンジする事が可能です。受験者の層は厚く、70代で合格する人もいます。

司法書士試験の勉強時間

勉強時間は3000時間

合格者の一般の勉強時間の平均を考慮すると、法律知識を全く持たない状態から合格圏内に入るには約3000時間の勉強量が必要とされています。

平日2時間、休日に10時間勉強したとして700日、つまり2年ほどで合格できる計算になります。

独学で合格を目指せるのか

司法書士試験の受験者の多くは講座を受講したりスクールに通って勉強していますが、ほんの一握りに独学で合格している人も存在しています。

しかし独学は、自分でテキストを選んだり学習スケジュールを立てなければなりません。
平日の日中に仕事をこなしながら、毎日まとまった時間を学習に充てる事は容易ではありません。隙間時間を上手く使いこなしながら、有意義に時間を使えるスケジュールを立てる必要があります。

さらに孤独に耐えうるモチベーション維持能力も身に付ける必要があります。
資格取得までは長い道のりです。独学では質問をすることもできず仲間もいないため、そうやって集中力を維持するのかがカギとなります。

まとめ

それでは最後に、司法書士のメリットをまとめておきましょう。

司法書士のメリット
  • 独立や開業を目指せる
  • 収入が安定しやすい
  • 独立すれば年収1,000万円も可能
  • 転職や就職で重宝されやすい

司法書士は、専門職として非常に魅力のある仕事の一つです。

日常生活において司法書士と関わる機会はそう多くはなく、どのような仕事をしているのか想像がつかない人も大勢いらっしゃるかもしれません。

しかし司法書士は登記業務以外でも、相談問題などにも応じることができるので、今後も求められる仕事であることは間違いありません。

資格を得るには相当の努力が必要ですが、決して取得が不可能な資格ではなく、努力次第で誰でも挑戦できる資格です。

独立すれば安定して高収入が期待できますので、気になる方はぜひ、司法書士を目指してみてください。

監修 資格LIVE編集部
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