【合格体験記】働きながら司法試験予備試験を勉強するコツは?独学がオススメ出来ない理由とは?

今回は「D.W」さんの司法試験予備試験の合格体験記を元に合格する秘訣に関してご紹介します。

はじめに

私は現在社会人として働きながら司法試験予備試験の勉強をしています。

既に8年程勉強しているので、いわゆるベテラン受験生ということになります。以下で勉強法などについて記述していますが、まだ合格したわけではなく、試行錯誤の状態でもあるので、一ベテラン受験生の意見として読んでいただけたら幸いです。

司法試験予備試験を受験しようと思った理由

大学3~4年生の時、周りが就職活動をする中で自分は一般企業に就職する気になれず、自分の力で何かを始めたいという気持ちがありました。

しかし、当時の自分には何か武器になる経験やスキルがあるわけでもなく、考えた末、資格を取ろうと思いました。独立可能な資格を取って起業しようと考え、早速資格の本で調べたところ、行政書士という資格に行きつきました。

初めは行政書士の資格をとることを考えましたが、行政書士について調べていると、同じ法律系の資格である司法書士や弁護士についても目に入ってきます。そして高校生の頃、弁護士になりたいと思っていたことを思い出しました。

当時はあきらめてしまい、弁護士のことなどすっかり忘れていたのですが、久しぶりにその時の気持ちを思い出し、「今度は本気で弁護士を目指してみよう」と思い、弁護士を目指すことにしました。そして弁護士について調べると弁護士になるためには、法科大学院を卒業して司法試験を受験するコースと司法試験予備試験に合格して司法試験を受験するコースの二つがあることが分かり、お金のかからない司法試験予備試験を受験するコースを選ぶことにしました。

どういう状況での勉強だったか

親が工務店を経営していたため、そこの事務員として働きながら司法試験予備試験の勉強をすることにしました。独学は危険だと判断し、伊藤塾の呉先生のクラスをネットで受講することにしました。

家族経営の会社のため、時間の融通は利く環境ですが、ひとり暮らしで生活費や予備校代も自分で負担していたので経済的には余裕がない状態でした。基本的に仕事以外の時間は勉強に充てようと思い、電車の中では必ず教科書を開き、歩いているときも条文のリスニングCDなどを聴き、スキマ時間を意識的に使っていました。平日は5時間程、休日は10時間以上勉強していました。

伊藤塾呉クラスについて

入門講座の速習コースを受講しました。

ネット受講のため都合のいい時に自分のペースで受講できる点は非常に良かったです。人によって通学の方が緊張感もあり、直接質問も出来るからいいと感じる人もいるとは思いますが、ネットで一気に全範囲を聴いて、試験範囲をとりあえず一周することが必要だと考えたので、ネットで受講しました。

呉先生はスパルタなところがあり、非常に厳しいことも言いますが、講師として確かな実績があり、ランク付けをしてメリハリをつけてもらえるので、覚えるべきところ、理解するべきところ、とばしていいところをはっきりさせてもらえます。

(出典:伊藤塾

勉強法について

まだ私自身合格していないので確かなことは言えないのですが、自身の反省も踏まえてこの勉強法は間違っていたと思うのは、ただひたすらに短答式過去問の問題集を繰り返す方法です。

ただ繰り返しているだけだと、そのうちに答えを暗記してしまい、しっかり理解していないので少し問題文をひねられただけで答えられなくなってしまうからです。ただ過去問を繰り返すのではなく、時間をかけてでも一問一問丁寧に取り組み、なぜその答えになるのか分からなければ基本書等を開き、理解をし、条文を引く手間を惜しまないことが大切だと思います。

勉強を始めた頃は条文を軽視していましたが、全ては条文から始まることに気づき、条文を重視した所理解が深まりました。条文は全て暗記する必要はないですが、大体どの条文がどの辺にあるかは頭に入っているくらいにした方がいいと思います。

論文については、学生の方は自主ゼミを組んだりして論文の批評をしあったりしていると思いますが、社会人の方は周りに勉強仲間がいなかったりすると思うので、予備校の答練やゼミといった何かしら他人に添削してもらえる機会を設けた方が良いと思います。私も伊藤塾の答練を通信で受講しており、添削してもらっています。やはり第三者に客観的に判断してもらうことは必要で、自分一人では気づくことができない点を指摘してもらえます。

司法試験予備試験を受験しようか迷っていて、ハードルが高いと感じている方は、行政書士試験を受けるのもいいと思います。記述式や個人情報保護法など行政書士試験特有の問題もありますが、基本的には司法試験予備試験の短答式試験の科目数を少なくしたイメージの試験です。

まずは行政書士試験の勉強を通じて、自分に司法試験予備試験に受かるだけの適正があるのかを判断してみるのもいいと思います。私も行政書士試験には合格していますが、司法試験予備試験の前に行政書士試験を置くことによって、いい中間目標にもなるし、自分の勉強方法が正しいのか検証手段にもなると思います。行政書士を受験する時点で勉強法の間違いに気づければ早めに方向転換ができます。そして受かれば自信にもなります。なので行政書士試験はおすすめです。

教材について

基本書と予備校本どちらがいいかという議論はありますが、以下が巷でよく言われているそれぞれのメリットとデメリットです。

基本書のメリット   

  1. 内容が深掘りされていて思考の道筋がよくわかる
  2. 網羅性があり内容が正確

基本書のデメリット  

  1. 必ずしも司法試験対策用に作られていない
  2. 内容が難解

予備校本のメリット 

  1. 司法試験対策用に作られている
  2. 読みやすく進めやすい

予備校本のデメリット 

  1. 学説の寄せ集めで一貫性がない
  2. 内容が薄い

私は今までずっと予備校本で勉強してきました。しかし、今合格していないことからも言えますが、予備校本だけでは足りないと思います。知識量というより、体系的な理解ができていないと感じています。

枝葉の知識ばかりに気を取られて幹の部分がしっかりしていないのだと思います。司法試験予備試験は範囲が膨大なので、体系的な理解を大切にして幹の部分をしっかり作っておかないと枝葉の知識が定着せずに落ちて行ってしまうのだと思います。

なのでこれからは、基本書も並行して読み、理解を深めていくことを意識していこうと思っています。 

最後に

一念発起して弁護士を目指すことにしてから8年程経ちます。

確実に前に進んでいる実感はあるものの、この試験の厳しさを痛感しています。生半可な覚悟や努力では到底受からないし、中途半端な気持ちなら他のことに時間を使った方が有意義な人生を送れると思います。

こういうことをいうのは正しいか分かりませんが、引き際というのも大切だと思います。自分がどれだけのリスクを負えるか、受からなかった場合はどうするのか、どれだけの時間とお金をかけられるのか、失うものは何なのか、司法試験予備試験に費やすお金や時間や労力を他のことに使っていたらどういう人生が待っているのか、そういった面も意識しておくことが大切だと思います。

もちろん合格後の輝かしい未来、合格したら手に入るもの、実現できること、それらを意識して勉強を続けることも大切だと思います。人それぞれ置かれている立場や状況、価値観も違うと思います。大切なことは自分の選択に責任を持つことだと思います。私自身、司法試験予備試験合格、そしてその先の司法試験、弁護士を目指して勉強を続けている身なので、あきらめずに挑戦し続け、必ず合格したいと思います。

執筆・監修 D.W

30代男性の司法試験予備試験受験生。働きながら独学で行政書士試験合格。伊藤塾呉クラス受講生。