【合格体験記】中小企業診断士の資格試験、独学勉強法を解説!オススメのテキストも紹介!

中小企業診断士は、中小企業が経営課題に対応するための診断・助言を行う専門家です。コンサルタント唯一の国家資格ともいわれ、日本経済新聞社の2016年の調査では、「取得したいビジネス関連資格」のランキングで1位を獲得するなど、注目を集めています。

日本企業の99.7%は中小企業です。現在のコロナ禍でその多くが苦境に立っており、支援者である中小企業診断士の活躍の場は以前よりも急激に広がっています。

今回は「中小企業診断士」の資格を持つ「小山祐貴さん」にご自身の勉強法や試験内容などを伺いました!

「小山祐貴さん」プロフィール

小山祐貴
コンサル会社に勤める30代の中小企業診断士。現職在籍中に独学で診断士資格を取得。資格を活かした執筆や事業計画の策定支援なども副業として行っています。また、Twitterとブログにより、中小企業診断士の受験対策や診断士業務の内容などを情報発信。

中小企業診断士の試験内容

中小企業診断士の試験内容は、1次試験と2次試験に分かれます。

■1次試験

1次試験はマークシート方式で、「経済学・経済政策」「財務・会計」「企業経営理論」「運営管理」「経営法務」「経営情報システム」「中小企業経営・政策」の全7科目。

これらの平均点が60点以上、かつ40点未満の科目が1つもないことが合格の条件です。なお、1次試験には科目合格制度があり、60点以上を獲得した科目は、翌年と翌々年の受験を免除してもらえる権利が得られます。この科目合格制度を活用し、1次試験に2年計画でチャレンジする方も多いです。1次試験に合格した方は、その年と翌年、計2回の2次試験の受験資格が得られます。

■2次試験

2次試験は記述試験と口述試験に分かれます。

記述試験は、提示される事例企業が置かれた状況に応じて診断・助言を行うものです。全4科目があり、事例(組織・人事 )、事例(マーケティング・流通)、事例(生産・技術)、事例(財務・会計)という科目になっています。

合格条件は1次試験と同じく、全科目の平均点が60点以上、かつ40点未満の科目が1つもないことです。なお、2次試験では科目合格制度はありません。この記述試験が中小企業診断士試験の最大の難所です。その理由としては、マークシート方式の試験とは異なり、診断・助言に唯一無二の正解は存在しないこと、そもそも試験機関である中小企業診断協会から解答が発表されないため、過去問があっても対策が難しいことが挙げられます。

記述試験に合格した方のみ、口述試験に進めます。口述試験では、記述試験の事例企業に対して助言すべき内容について、10分程度ランダムに質問をされます。これに口頭で答えるのですが、たとえ回答が誤っていたとしても、それで不合格になることはありません。中小企業の診断に必要な最低限のコミュニケーション能力を確かめることが主旨ですので、社会人としてごく普通の受け答えができれば合格できます。

試験を確認した上での必要な勉強時間は・・

このように、かなりボリュームの多い試験ですので、合格までに要する勉強時間は、概ね1,000時間といわれています。勉強期間を1年と仮定した場合、1日に必要な勉強時間は2.7時間。仕事とプライベートがある中で、この勉強時間を確保するのは簡単ではありません。合格に向けては、勉強を習慣化することや、スキマ時間を上手く活用することが必要になります。

試験の難易度について

試験の難易度は、数ある国家資格の中でもかなりの難関に位置されます。1回目の挑戦で1次試験、2次試験ともに合格することをストレート合格と呼びますが、この確率はわずか45%20人に1人しか合格しないという極めて高い難易度となっています。

近年の合格率は、令和元年度の1次試験が30.2%2次試験が18.3%、最終合格率は5.5%でした。直近の令和2年度1次試験では、合格率42.5%という過去に例のない高い数字となりましたが、この数字は今後の参考にはなりません。その理由は、同試験は相当の勉強量をこなし、自信のある受験者しか受験しなかったためです。コロナ禍の影響で、受験を自粛した方への受験料返還措置、科目合格の延長措置などが特別に取られました。

中小企業診断士は難易度の高い試験ですので、自身に合った勉強方法を選ぶことが合格への近道です。勉強の方法は主に、「資格学校への通学」「資格学校の通信教育」「eラーニング」「独学」の4つに分類されます。

各勉強法のメリット、デメリットについて

資格学校への通学

最大のメリットは、実際に講義を受講し、講師への質問も自由にできるので、記憶への定着が促され、学習効率が最も高い点です。一方で、費用が高額(25万円前後)、そもそも都市部にしか学校が存在しない、といったデメリットがあります。都市部にお住いの方で、予算に余裕もあり、最速合格を目指す方におすすめです。

資格学校の通信教育

資格学校が近くにない方でも、Webでの受講やDVDでの学習が可能です。学習効率は通学ほど高くありませんが、講義の内容は殆ど変わりませんので、質の高い学習ができる点がメリットです。

デメリットは、通学ほどではありませんが費用が高額(22万円前後)になる点です。予算には余裕があり、早期の合格を目指したいが近くに資格学校がない、という方におすすめです。

eラーニング

こちらはパソコンやスマートフォン、タブレットなどでインターネットを利用して学習する方法で、近年では急速に利用者が増えています。eラーニングの大きなメリットは2つあります。

1.スキマ時間を有効活用した学習ができる!

eラーニングの多くは、通勤中などのスキマ時間での学習を想定しており、教材自体が短時間で学習できる仕様になっています。

2.費用が安価!

1年間で4,5万円台という安価な教材、合格できなかった場合は次年度以降も無料や割引で受講を継続できる教材などもあり、コストパフォーマンスという点では群を抜いています。一方で、タイムリーな質問ができない、教材によっては質問が有料の場合があるといったデメリットがあります。

筆者は、独学の道を選びました。その理由は、「近くに資格学校がない」「独学でも合格できそう」というものでした。勉強方法は、1次試験、2次試験で異なります。

1次試験、2次試験で異なる独学勉強法とは

1次試験では、大手資格学校のテキスト・問題集・過去問集を購入し、テキストである程度基礎を固めた後、過去問と予想問題集をひたすら反復しました。

また、通勤中や何かの待ち時間といったスキマ時間を活用するため、スマートフォンで暗記カードのアプリをダウンロードし、オリジナルの暗記カードを作成して過去問や問題集で間違った点を復習していました。加えて、自身の現在地を知るため、資格学校の模擬試験も2校ほど自宅受験しました。1次試験は科目合格制度がありますので、学習時間が一定の量を超れば、合格できる確率はかなり高くなるという印象です。

2次試験でも、大手予備校の過去問集を購入しましたが、他の出版社の2次試験対策の教材も併せて購入しました。2次試験は解答が分からない試験と前述しましたが、これは教材の解答例にも大きく影響しています。

実際に、同じ問題でも、出版社ごとに解答の方向性が全く異なることが多いのです。このため、特定の出版社の解答の方向性のみを妄信していると、試験で論点の偏った診断・助言を書いてしまい、大きな失点につながるリスクがあります。

これを避けるためには、最低でも2社以上の出版社の教材を使用することが有効です。色々な考え方を習得した上で、自身が最も妥当だと判断した解答を書ける状態になることが、合格への近道といえます。

また、インターネット上では、2次試験の受験者を応援している組織のサイトがいくつか存在します。これらの多くは中小企業診断士試験の合格者がボランティアで受験者を支援しているもので、サイトの記事を毎日チェックするだけで、合格者の有益なノウハウや最新の試験対策手法などを学べます。

更に、現役受験者のコミュニティとしても機能しているので、特に独学者がモチベーションを保つことにも役立ちます。筆者が合格できたのも、これらのサイトから情報を得られたこと、刺激を受けたことが合格に至った大きな要因だと感じています。

学習スタイル

ちなみに私の学習スタイルは、仕事にも家庭にも影響されない早朝に机に向かっての学習を2時間。

通勤中や休憩時間などでスマートフォンを使っての学習を1時間。1日で3時間の勉強時間を確保していました。朝の時間は1人で集中できますし、早起きするために夜は早めに寝るという習慣ができるので、体調管理の観点でもおすすめです。

中小企業診断士試験の受験対策は、教材の種類や学習スタイルが多様化しています。まずは、自身に合った学習スタイルを見出し、それに対応した教材の中からフィーリングの合うものを選ぶところから始めてはいかがでしょうか。

中小企業診断士になることで得られる自信や経験、人脈などは人生の大きなプラスになります。難易度が高く、合格にはかなりの時間と労力を要しますが、それ以上に得られるものが大きいのが中小企業診断士という資格です。「経営について学びたい」「自身の市場価値を高めたい」という方は、ぜひチャレンジしてみてください。

使用教材

使用した教材は次のとおりです。

・1次試験の教材

TAC出版
中小企業診断士 2020年度版 最速合格のための スピードテキスト

・2次試験の教材=過去問集(TAC,ふぞろいな合格答案)※模試は受けていません

出版社 : 同友館
ふぞろいな合格答案(ふぞろいな合格答案プロジェクトチーム)

・2次試験の参考サイト=中小企業診断士試験 一発合格道場,ふぞろいな合格答案ブログ

執筆・監修 小山祐貴
コンサル会社に勤める30代の中小企業診断士。現職在籍中に独学で診断士資格を取得。資格を活かした執筆や事業計画の策定支援なども副業として行っています。また、Twitterとブログにより、中小企業診断士の受験対策や診断士業務の内容などを情報発信。

Twitter:サラさぽ@中小企業診断士