宅建士は稼げる? 〜年収・資格手当・将来性について解説〜

仕事として考えるのであれば、収入は大切なことです。

この記事では、宅建士資格の概要と、給料や資格取得後に支給される資格手当などについても解説していきます

実際の仕事内容や年収を理解することで、資格取得を目指す上で必要なことが明確になり、モチベーションも向上するはずです!

宅建士の年収

宅建士の平均年収は約500万円と言われています。ただ、雇用形態・勤務年数・役職などで幅があり、おおよそ400~700万円かと思われます。国内の平均年収は約420~500万円であり、平均以上の年収を目指すことができます

多くの宅建士が働く不動産業界は、歩合制を採用していることが多く、資格を活かして成果を上げればさらに高い年収も可能です。

年齢(年代)別の年収

平均年収が最も高くなるのは50代です。経験や実績により、昇格した結果です。
20~30代は決して高い年収とは言えませんが、キャリアと積むことで昇級が可能なのです。

働く地域による差もある

宅建士は年齢や役職だけでなく、働く地域によっても給与・年収に差があります。最も平均年収が高いのは東京都で700万円前後です。一方、最も低いのが沖縄県で、430万円前後です。

宅建士に限らず、国民の平均年収には地域差があります。沖縄県は平均年収が約360万円であり、日本全体の平均よりも低めなのです。これは、物価などの生活、経済環境によるもので、各都道府県の平均年収の水準に宅建士の年収も影響される傾向にあります。

1000万円を超える年収も可能

ここまで、収入について一般的なお話しをしてきましたが、宅建士の中には年収1000万円を超える人もいます
どうすればそれほどの年収を稼ぐことができるのでしょうか?

  • 企業に勤務しながら目指す

企業で、就業員として働く宅建士が年収1000万円を実現するのは容易ではありません

しかし、不動産業界の営業職は「歩合給」を採用していることが多く、宅建士の知識を
活かして実績を上げれば年収1000万円も決して不可能ではありません

実績を上げることが昇格につながり、役職につけば収入は上がっていきます。宅建士が活躍する業界は、成果が報酬に反映されやすいのです。

  • 独立開業して目指す

独立開業して年収1000万円を目指すこともできます。実際、成功して企業に雇用されていた時よりもはるかに高い収入を得ている人もいます

もしマンションなど、賃貸可能な物件を所有していれば、それを利用して賃貸仲介ができます。開業当初の資金面などのリスクを抑えて始めることができるでしょう。
しかし、一から始めるとなると、事務所経費や営業活動経費などで開業資金として500万円以上必要ですし、その分リスクを負うことになります。慎重に検討する必要があります。

宅建士になると年収が上がるのか

では、現在会社に勤めている人が宅建士資格を取得した場合、給与はどのくらい変わるのでしょうか。

  • 資格手当で40万円程度の年収アップが可能

多くの企業において、宅建士資格を取得すると「資格手当」が支給されます。相場は月1~3万円程度です。3万円で計算すると、年にすれば36万円の年収アップです。

宅建士は、資格手当を支給してでも社員として確保したい企業が多いのです。したがって、転職にも役立ちます。
また、事務職でも宅建士資格を持っているだけで、一般の事務職よりも高い年収になります

  • 宅建士は昇格・昇級が期待できる

宅建士も企業勤務3年目くらいまでは高い年収は期待できません。おおむね300~400万円というところです。これは国内の平均年収をした回る金額であり、「資格取得してもメリットがない」と感じるかも知れません。

しかし、係長、課長、部長と昇格すれば年収は500~700万円前後になります。役職が上がるたびに年収は50~100万円程度の昇給が期待できます

宅建士が活躍する業界は、経験と実績が報酬に反映されやすい企業が多いのでがんばりがいがあると言えます。

宅建士の仕事内容

さて、ここで宅建士の仕事内容を確認しておきましょう。

主な業務は「重要事項説明」などの「独占業務」営業や事務作業などの一般業務です。
企業に勤務している場合には、独占業務だけではなく一般業務も併せて担当することが多いです。ただ、これは勤務する企業によって大きく変わってきます。

独占業務

宅建士の中心業務である独占業務は、不動産の売買や賃貸の取引における「重要事項説明」「重要事項説明書への記名・押印」「契約書への記名・押印」です。

借主・買主に対する重要事項の説明は、宅建士にしかできません。契約が双方に不当なものにならないように仲介約としてサポートします。
いかに知識があっても、いかに優秀な営業マンであっても、宅建士でなければできないのです。

一般業務

多くの場合、不動産や金融などの企業に勤務して専業業務(独占業務)と一般業務を平行して行います。

転職や就職を検討する場合、専業業務だけをしていれば良いわけではなく、営業や事務の仕事を他の社員と同様にしなければならないことにも注意をしてください

就職や転職をする際には、事前に宅建士として業務範囲をよく確認しておきましょう。

 

宅建士の将来性

最近、多くの仕事がAIにとって変わられると言われています。実際、不動産取引の一部の業務はAIが行っている企業もあります。

宅建士の仕事はAIに代替され、なくなってしまうのでしょう?

不動産の契約は人と人が結ぶもの

不動産の営業活動において、AIが情報の提供などを中心に活躍も増えてはいますが、まだまだ人が介在しなければ成立しません

特に売買ともなれば、人生で何度もあるわけではありません。販売担当者への信頼が購入者になければ前に進みません。人間力や信頼性というのは、現状のAIではまだまだ対応が難しいでしょう。

宅建士の「独占業務」

先に述べたように、宅建士には「独占業務」があります。それらは、宅建士でなければできない業務です。

借主・買主にとって不利な契約にならないようサポートする役割を担うわけですが、法律上、この業務はAIではできない仕事なのです。

AIを活かす?

一方、AIにも得意業務があります。それは分析業務です。
売主・買主双方に最適な物件を、AIは瞬時に選び出すでしょう。データ量が豊富になればなるほど正確性もあがります。

そのような機能を活かすことで、営業としての仕事を効率よく進めることができるでしょう。「奪われる」のではなく、「利用する」「活かす」というスタンスで向き合っていけば期待はあっても、心配するようなことはないでしょう。

宅建資格は就職や転職に有利なのか

不動産業を営む上で、宅建士は必要不可欠な存在です。正社員の5人に1人以上
宅建士でなくてはなりません。

不動産業・金融業・建設業など、不動産に関わる業界を目指すのであればぜひ取得しておきたいところです。就職や転職で優遇され、採用される確率が大幅に上がるでしょう。

不動産・建築業以外で宅建士が活躍できる業界は?

宅建士は不動産取引に関する専門家ですので、不動産業で重宝されることは当然です。さらに建築会社には、建築から販売まで一貫して行う会社があります。そこには当然、宅建士が必要であり、将来の事業拡大を見据えて社員に宅建資格取得を推奨する会社もあります。

では、それ以外に宅建士が活躍する場はあるのでしょうか。

  • 金融機関

金融機関における融資業務は、不動産を担保として実行されることが多いです。そこで必要なのは、不動産に関する専門知識です。

また、大手都市銀行を中心にグループ内に不動産販売会社をかかえています。そこでも不動産知識を持つ宅建士が求められています。
融資業務、不動産部門、いずれでも宅建士は活躍できるのです。

  • 一般企業の総務・財務部門

一般企業でも、保有する土地や建物の管理や運用は重要な業務であり、そこでも宅建士
の力が役に立ちます。また、社員の社宅に関わる業務でも知識を活かすことができます。

宅建士になるためには

宅建士になるためには、まず試験に合格する必要があります。

合格率は?

宅建士試験の合格率は15~18%と、決して易しい試験ではありません。

ただ、合格ラインは正答率70%程度です。これは有名国家資格の中では低い方です。受験資格がなく、独学でも合格できるレベルなのです。

試験合格後、講習や登録の手続きを経て、「宅地建物取引士証」が交付されて宅建士と
しての仕事が始められます。

合格するために必要な勉強時間は

一般的に、宅建士試験に合格するためには最低100時間の勉強が必要だと言われています。1日1時間として、3ヶ月+αで可能です。

独学の場合には、200~300時間必要だと言われています。1日1時間だと、1年くらいかかる計算になります。

仕事をしながら目指す方が多い資格ですが、比較的取り組みやすいと言えるでしょう。

比較的難易度は高い

とはいえ、宅建試験は出題範囲が広いため、効率的に勉強を進める必要があるため通信講座などを利用する人も多いです。合否に直結する法改正情報なども提供されるというメリットもあります。

独学で合格するにはしっかりと計画を立て、教材を活用して勉強することが重要です。

宅建士資格取得後におすすめの資格

実は、宅建士試験対策に勉強した内容は、他の資格試験でも活かせることが多いのです。
宅建合格後、将来を見据えて他の資格取得でステップアップもおすすめです。

マンション管理士

マンション管理士はマンション管理組合の運営や維持管理に関してコンサルティング業務を行う国家資格です。

宅建士試験と出題科目が重複しており、宅建士試験対策で得た知識が役に立つ資格です。

管理業務主任者

管理業務主任者は、マンション管理業者が管理組合などに対して、管理委託契約に関して重要項目の説明や管理事務報告などを行う際に必要な国家資格です。

マンション管理士と同様、宅建士と出題科目がかなり重複しているため取り組みやすい資格だと言えます。

ファイナンシャルプランナー

ファイナンシャルプランナー(FP)はお金の運用に関する専門家です。お金の面から、ライフプランニングや金融資産運用など、お客様に適切な資金計画を提案してサポートします。

FPの試験には「不動産」という科目があり、宅建試験のために得た知識を活かすこともできます。

不動産を購入する際の資金繰りについては多くの方が心配されます。FPとして、資金計画面での相談対応は当然ですが、宅建士としての不動産売買や専門知識を活かすことができます

不動産鑑定士

不動産鑑定士は、不動産系資格の最高峰です。不動産の価値を適切に判断できる唯一の国家資格です。

難関資格ではありますが、試験科目のうち「短答式試験(行政法規)」と「民法」は宅建士試験で勉強した内容が活かせるため、取り組みやすい資格だと言えます。

司法書士

司法書士は個人や企業からの依頼を受け、法律に関する書類作成や手続き代行などを行う国家資格です。

不動産登記手続きの代理が主たる業務であるため、宅建士とは非常に親和性が高いです。

また、宅建士対策で勉強した「民法」「不動産登記法」「借地借家法」「区分所有法」「農地法」「登録免許税」の知識が司法書士試験でも非常に役立つでしょう。

行政書士

行政書士は官公庁への提出書類作成や、申請業務を代行する国家資格です。不動産鑑定士同様、「民法」の範囲は宅建士での学習を活かすことができます。
実際の仕事面でも親和性が良く、仕事の幅が広がることが期待できます。

宅建士の年収についてのまとめ

最後に、宅建士の年収に関してまとめておきましょう。

まとめ
  • 宅建士の平均年収は約500万円
  • 独立開業で年収1000万円も目指せるが、開業資金などのリスクもある
  • 相場月1~3万円の「資格手当」が支給される企業もある
  • 若いうちは高収入は期待できないが、役職が上がるたびに昇給が期待できる

宅建士は資格取得後、一生涯活用でき、収入増やキャリアアップに結びつけやすい資格です。
ぜひ資格取得を目指して1歩踏み出しませんか!

監修 資格LIVE編集部
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