【徹底解説】宅建士の年収はホントに450万円?仕事内容、業種、年収の違いを比較!

不動産業界で働くために、なくてはならない資格として真っ先に思いつくのは・・・「宅地建物取引士」です。
憧れの業界で仕事をして、かつ年収をアップさせたい!そういった思いで宅建士の資格の勉強をされている方も多いと思います。でも、ホントのところ宅建士の年収ってどれぐらいなのか?というところは気になりますよね。

今回は宅建専門家「徳田倫朗」さんに宅建士の年収、仕事、業種について解説して頂きました。

宅建解説「徳田倫朗」さん

株式会社イーアライアンス代表取締役。宅地建物取引士。不動産・再生可能エネルギー投資ファンドの組成・販売、投資用商業不動産の売買・仲介、海外不動産投資など、不動産に関する20年以上の実績と経験を有する。
近年では「新しいコトに新しい資本の流れを」をコンセプトに、イノベーティブなビジネスモデルと市場に散在する遊休資本をつなぐための新しいファイナンスモデルを開発・提供している。優れた技術革新や新サービスを事業として洗練させるとともに、それらに対する新たな資本の流れを創造する。

宅建士といっても色々な仕事がある

宅建士の年収は、求人サービスの各社統計データを参考にすると450万円から550万円ぐらいといわれています。しかし、これは宅建士の年収の平均データであり、宅建士の登録者は100万人以上いるために、少し実態とは離れた数字になっています。

宅建士という仕事は一括りに語られることは少なく、取扱物件の種類、取扱態様(賃貸・売買・開発など)によって仕事内容は様々です。
では、具体的にどのぐらいの年収なのか、仕事内容別にみていきましょう!

仕事内容による年収の違い

宅建士の仕事は大きく分けて次の3つがあります。

  • 賃貸不動産の仲介業務
  • 不動産の売買・売買の仲介業務
  • 不動産開発(ディベロッパー)

そして、上記の3つの知識が複合的に必要になってくる、不動産投資ファンドの組成・運営、そして不動産コンサルティングなどがあります。では、順にみていきましょう。

賃貸不動産仲介系

賃貸不動産の仲介というと、代表的なのは駅前のガラス張りのショップなどで、賃貸住宅の案内をする仕事です。年収イメージとしては350万円から450万円ぐらいです。

宅建士の役割として、営業担当が契約を決めたお客様に対して、重要事項説明書を説明することです。業務の役割分担が進んでいる場合が多く、3月などの繁忙期には1日に5~6件のお客様に対して重要事項説明をする場合もあります。いわば、店舗の契約責任者といっても過言ではないでしょう。
賃貸不動産といっても都心のオフィスや商業施設の賃貸仲介となると、取引額が数百万円、数千万円に及ぶことがあるために、年収も高くなってきます。マネージャーで600万円から700万円ぐらいが相場といえるでしょう。

売買不動産売買・仲介系

主に投資用マンション、投資用商業ビルの売買・売買の仲介業務にあたる仕事です。

年収は本当に様々で、取扱規模によって年収は400万円の方もいれば1億円以上稼いでいる方も珍しくありません。宅建士は独立がしやすい資格の一つで、独立した事務所を構え不動産協会に保証金を支払えばだれでも開業できるため、小規模な事務所で独立している方も多いです。

当事者の一方から頂く仲介手数料は法律で3%(プラス6万円)と決まっているため、10億円のビルを仲介した場合の手数料は3000万円となります。不動産市場自体が大きいためにこれくらいの取引は日常茶飯事に行われています。

独立開業していれば、手数料は年収に直結しますし、企業の営業担当として契約を決めた場合にはインセンティブとして給与に反映している場合が多いです。インセンティブの内容は企業によってさまざまで、単純に手数料の何%、という取決めもあれば、取引額の目標を設定し、それによってインセンティブの計算式を設定している場合もあります。その点は、入社の際に事前に確認するとよいでしょう。

ディベロッパー系

ディベロッパーとは、不動産開発業者のことで、土地を仕入れて、マンションや商業ビル、ホテルなどを建設し、買い手に売却することで利益を得る企業を言います。設計は設計会社、建設は建設会社に発注し、自らは用地の仕入れと売却を担当します。
大手不動産会社の用地仕入担当マネージャーならば、年収は1000万円は下らないでしょう。さらに、用地の仕入額に対してインセンティブが設けられているのが普通です。不動産の販売担当マネージャーについてもほぼ同様の年収です。もっとも、仕事内容はハードであるケースがほとんどで、相当な体力とメンタリティが要求されます。
それと引き換えに、自分が開発に関わった街がドラスティックに発展していくことを目の当たりにするため、自分の仕事のダイナミックさを肌で感じることができます。

投資ファンド系

いわゆる不動産投資ファンドの立ち上げ、J-REITなどのファンド運営を担当する仕事です。

イメージしにくいかもしれませんが、数億円から数十億円、あるいは数百億円規模の不動産の仕入れおよび管理、そして、ファンドの資金管理、会計決算業務、投資家への配当業務などを行う、不動産ファンドマネージャーといわれる仕事で、不動産のプロ中のプロと言えるでしょう。

このような投資ファンドには、宅建士を取得してすぐに就職というわけではありません。

少なくとも不動産に関する10年以上の実績を大手不動産会社や商社などで積み、キャリアアップの中で会計等ファンドの周辺知識を蓄えて、投資ファンドに転職、あるいは転籍する方が多いようです。資格についても、税理士、不動産鑑定士、証券アナリストなどの資格を併有している方が多いですが、不動産ファンドで働くならばもちろん宅建士は必須アイテムです。

年収は難しい仕事内容の通り高額で、アソシエイト(目安としてファンド経験1~2年程度)でも700万円以上、マネージャークラスでは1000万円から2000万円ぐらいの年収の方も散見されます。

コンサルティング系

相続対策として土地活用を提案したり、資産の組み換え(所有土地を売却して投資用不動産に組み替える)を提案したり、さらには資産管理会社を設立して投資用不動産の購入を提案したりするコンサルティング業務を行う仕事です。

AFP、CFP、あるいは生命保険系の資格などと組み合わせて、総合的な資産コンサルティングを業務を提供している方も多く見受けられます。

年収はコンサルティング内容によってさまざまで、アパート・マンションなどの土地活用の提案だと450万円から600万円ぐらいが多いでしょう。インセンティブ部分が多いのが特徴で、社内表彰を受けるようなレベルだと年収は優に1000万円を超えてきます。

総合的な資産コンサルティングを行う「プライベートバンカー」といわれる方々も年収は高額です。不動産に限らず、株式、債券、会計税務、経済情勢、会社設立などあらゆる知識とつながりを総動員して富裕層の方々のコンサルティングに従事します。大手証券会社や外資系金融機関のプライベートバンキング部などに所属するプロのバンカー方だと、1億円以上の年収をもらっている方もおります

役職昇格・資格のステップアップで年収の大幅アップも!

これまでに紹介した年収はあくまで目安です。もちろん賃貸不動産仲介だから年収が安いというわけではなく、役職が上がっていけば年収の大幅アップも見込めます。その意味では、宅建士は年収アップの上限が他の資格よりも高い仕事であるといえるでしょう。

さらに宅建士は不動産系資格の基本となる位置づけの資格であるとされ、不動産鑑定士、不動産証券化協会認定マスター、不動産コンサルティングマスターなどの資格取得に進む方もいます

これらの資格で不動産に関する技能をアピールすることができれば、さらなる年収アップにつながることになるでしょう。

資格手当も!

多くの不動産会社では、宅建士について資格手当を用意しています。金額は1万円程度ですので、年収に大きく影響する金額ではありませんが、資格について評価制度が整っているのは嬉しいですね。

やりがいがあり比較的年収が高い仕事

宅建士の活躍する不動産業界では、数億円、数十億円の取引が日常的に行われています。宅建士は、そのような取引の初めから終わりまでをスムーズに取り仕切る重大な任務を任されます。金融機関の融資担当者や司法書士と何度もコンタクトを取りながら、取引を成功に導く非常にやりがいのある仕事です。

また、年収についても、ある程度の年収で頭打ちになってしまうのではなく、スキルと経験次第ではどんどん上を狙える職業だと思います。

ぜひ一度、宅建士を目指してみてはいかがでしょうか。

執筆・監修 徳田倫朗(トクタ ミチロウ)

株式会社イーアライアンス代表取締役。宅地建物取引士。不動産・再生可能エネルギー投資ファンドの組成・販売、投資用商業不動産の売買・仲介、海外不動産投資など、不動産に関する20年以上の実績と経験を有する。近年では「新しいコトに新しい資本の流れを」をコンセプトに、イノベーティブなビジネスモデルと市場に散在する遊休資本をつなぐための新しいファイナンスモデルを開発・提供している。優れた技術革新や新サービスを事業として洗練させるとともに、それらに対する新たな資本の流れを創造する。