宅建(宅地建物取引士)は、社会的に最もニーズのある国家資格の1つです。
マイホームのみならず、ほとんどの企業において不動産は重要な検討事項であり、不動産業に携わらなくとも、就職、昇進に非常に役に立つため、高い人気を誇っています。
一方、合格率は毎年15%程度で推移しており、いわゆる「難関資格」ではないものの、しっかりとした準備をすることなしに合格することは難しい資格です。
「宅建資格講座ってたくさん有るけど、どれが一番いいの?」
長期的な学習を行う上でどこの講座が最もオススメかを10選で紹介していきます。
オススメ宅建講座TOP10
宅建講座の特徴を解説していきます。通学、WEB、完全通学型など色々ありますが、その中でも厳選した『オススメ講座TOP10』の講座を紹介したいと思います。
TAC
TACは司法試験や公認会計士といった難関資格からマイナー資格まで扱っている。
資格取得学校の最大手と言えます。合格のための要所をじっくり的確に学習することができ、合格圏内に「短期間で」到達することができます。毎年5~6月に開講され、4~5ヵ月スケジュールで集中できるちょうどよい期間設定がされています。
■「速修本科生(Web通信講座)」コース
WEB講座のためネット環境さえあれば良く、効率良く学習できます。さらに、TACは予備校の中でもコスパが良く、この講座も121,000円と比較的安価で受講可能です。
基礎学習~模擬試験、論点開設までこれ1本でほかにいりません。
大手なので講師の質、教材の分かりやすさともに安定しているため、確実な選択肢の一つです。
■「総合本科生」コース(短期集中型コース)
イマイチ試験学習に自信が持てない人は、こちらのTAC通学式の「総合本科生」コースがオススメです。
4月から開講しているのでじっくり学習できることと、「フォロー制度」といって別料金で2万円程かかりますが、疑問点解消の特別制度が容易されています。
ここまでやればかなり手堅い合格が狙えますし、費用的にも他の予備校より抑えることができます。
→教材についての感想
教材はテキスト、問題集、DVDと別に郵送で定期テストが送られてきます。
テキストを見ながら、DVDを視聴するのですが講師の方が要点をまとめた内容を話してくれるので、学習箇所が絞られ効率よく勉強をおこなうことができました。
(30代・女性)
自分が受けたい講義の部分を受講できるし時間も粋な時間に熟することが出来るので非常に受けやすいです。また、一通り学習した後で苦手だった部分を受講できるので弱点の補強をすることが出来ます。また、幾通りの試験のパターンが勉強できるので重宝しました。
(40代・男性)
→総合的な感想
教材道具が送られた後は、自分自身との戦いです。私は自主学習など得意な方ではなかったのですが、定期的に送付されるテストが緊張感を持たせてくれました。
DVDと並行しての学習なので、テキストに書かれた内容だけに縛られず効率よく勉強をおこなうことができました。
(30代・女性)
具体的には、インプットとアウトプットに分かれますが、インプットは、ストリーミング配信で何度でも学習できまた、後から復習も出来るので扱いやすいです。アウトプットは、試験の種類が多いのでいくつもの問題を解くことが出来ます。
(40代・男性)
ユーキャン
こちらも資格取得講座会社の大手の一角です。ユーキャンの良いところはコスパと学習のしやすさ(=継続力支援)がバランスよく整っているところです。
フルカラーのテキスト3冊に講義動画付きで『63,000円』となっており、スマホ学習に便利な管理インターフェースが特徴的です。動画講義はもちろん、スケジュール管理や「その日何をすべきか」までチェックできる進捗・課題管理機能が搭載され、テストまでスマホで完結できます。
大手資格取得の通信講座開催企業だけあって、バランスの良い講座と言えます。
初歩から合格まで学べるシステムとなっており、誰でも学びやすいシステムになっていました。また、パートごとに分かれており、見直す際に探しやすい作りです。模擬試験などを開催しており、実際の実力を試す機会があるのも良いところだと思いました。
(男性・30代)
資格スクエア
資格スクエアの宅建士講座は合格率の高さが魅力で、2019年度試験では79%と、ものすごい合格率となっています
資格スクエアの「未来問」は第16回日本e-learning大賞において「AI・人工知能特別部門賞」を、第4回IMS JAPAN賞において「優秀賞」を受賞しており、この予想問題がこの合格率の高さの一因のようです。
他の大手予備校ほどの歴史はないものの、質の高い講義が想定できます。
オンライン講義画面にそのままテキスト内容がアップされているので、紙媒体のテキストなど不要のハンズフリー学習が可能です。
加えて、テキストの自己編集が可能なので、試験までには自分好みの試験対策参考書が完成することになり、自然と個別対策が出来るという優れものです。
有料ではありますが、質問回答サービスが用意されているため、初学者も安心して受講が可能です。
フォーサイト
フォーサイトで、最も特徴的なのは、不合格者に対する全額返金保証制度の存在です。
2019年度宅建試験におけるフォーサイトは受講生の合格率は71.5%であり、全国平均の4.21倍という実績を保持しています。
万が一不合格になっても全額戻ってくるため、コスト的にはかなりのアドバンテージがあります。
通学と比べてWEB講座の場合は孤独になりがちですが、フォーサイトの場合はメール質問を受け付けており、eラーニングも併設しているため、非常にパフォーマンスの高い講座としてオススメできます。
DVDのフルセットでも『89,200円』ですので、十分なコストパフォーマンスです。
アガルートアカデミー
合格特典として「全額返金」というものすごい特典がついています。もはやお祝い金というレベルではありません。
直近の試験合格実績としても55.6%と高い実績がありつつ、オンライン講義とフルカラーテキストがついてきて、『29,800円』という破格の金額です。
中でもオススメの「入門総合カリキュラム」は、法律の学習経験が全くない人でも,合格に必要な知識を身につけることができる「入門総合講義(インプット講座)」を中核として,過去問の中から、繰り返し出題されている問題を300問セレクトし、宅建試験に必要なインプット・アウトプット全ての講座を詰め込んだカリキュラムです。
スタディング
スタディングの講座最大の特徴はこだわって作られた「スキマ時間学習」というコンセプトの徹底です。
スマホ学習の利便性が非常に高く、講義受講から問題演習、進捗管理まで1つのインターフェースで可能となっており、一つの講義が細切れになっていて忙しい人には使いやすい講座です。集中力も続きます!
さらに、スタディングの講座費用はなんと『18,500円』と激安です。
講義進行が初学者向けに丁寧に作られているという点もポイントで、学習の基本である講義動画は初めての人でも着実に実力を身につけられるように、初心者に寄り添った解説がなされています。また、直前対策コースを開講しており、試験前に不安要素のつぶし込みができるのも初学者にとっては大きな魅力です。
受講の内容に比べて、料金が非常に安くオンラインで講義を聴くことができるため場所を選ばず重宝しました。もともと通勤講座という名前のとおり、通勤時間で勉強ができるように設計されているので、音声から情報を入れたい方にはピッタリだと思います。
(男性・40代)
日建学院
日建学院は資格取得を支援している予備校の中でも特に宅建に注力している学校です。
その講義の質の高さは非常に評判が良いです。
合格実績が非常に優れ、2019年度試験の宅建合格者数は3,714人と、宅建合格者の10人に1人が日建学院ということになります。さらに、受講生の合格率は66%と全国平均の4倍近くとなっており、人数まで公開しているのは自身の表れで、規模と実績としては他に無い特徴です。
資格スクール大栄
最大の特徴はとして「For You答練」といって、自分の弱点をカバーすることのできるオリジナルの問題演習を行うことができます。ポイントごとにチェックテストを行い、理解度や弱点を分析します。その分析結果から「パーソナルテスト」が作成され、効率的な問題演習が可能です。
無料体験があるので、パーソナルテストの威力を体験することが可能です。学習スタイルとしてインプットよりもアウトプットを重視しているため、あまりテキストでじっくり学習するより、どんどん問題を解いて覚えたい人向けの講座です。
資格の大原
資格の大原はTACと同様に有名な資格予備校の大手で、店舗数が多いため通学講座に重点があります。
「40問正解戦略」という独自の学習理論を持っていて、「講義の満足度」を一番のウリにしています(満足度87%以上)。40問正解戦略では的を絞った学習をすることで効率的に合格ラインを突破することを目指しており、40点を確実に取る戦略で合格率を上げる、という方法です。
費用的にも標準的となっており、通学で生講義が受けたい人には最適です。
通信教育は自分のタイミングでできるというのが大きな利点ですが、仕事が忙しかったりすると受講を後ろ倒ししてしまうので、自分でのスケジュール管理が難しかった印象です。でも繰り返し見れるのは大きなメリットだと思います。
(男性・40代)
初学者は予備校講座受講がコスパ◎!
初学者の独学は危険
結論から言いますと、初学者が独学で宅建試験を乗り切るのは難易度が高いです。
その理由は
「勉強が続かない」「途中で疑問点が解消できない」
という2点が最も大きいです。
宅建試験の合格には200~250時間程度の学習時間が必要とされていますが、一日2時間として100~120日(3~4か月)しっかり取り組む必要がありますが、そもそもこの期間ずっと机に向かい続けるというのはかなりの精神力が必要です。
また、民法や宅建業法にはテキストを読んだだけでは到底理解できないような内容も多数含まれるため、途中で疑問点が解消できずに蓄積し、1ヵ月程度頑張ったところで「やっぱりダメ」となります。
そこから焦って予備校に通いなおしたり、最悪挫折してしまう、、という人が大勢います。当然ですが、仕事をしながらだとこの傾向は非常に強く見られます。
収入アップと期間を考えれば確実性を重視したい
宅建試験に合格された方のほとんどが、年収アップを実現されます。不動産実務には「宅建士しかできないこと」が存在します。
そのため、ほとんどの不動産会社では宅建士に対してベース給のアップや歩合率のアップが設定されており、これだけでも年収ベースで100~200万程度のプラスになることが多いです。
講座受講をすると資格取得には10万~20万程度のコストがかかりますが、
長い目で見ると、そのコストを補って余りある金銭的メリットがあります。テキスト費用だけに限って言えば、独学はせいぜい1万円程度で済んでしまいますが、
確実性の高い資格講座利用でサクッと宅建士という不動産パスポートを手に入れたほうがずっと良い結果になることが大半です。
まとめ
以前は「通学」vs「独学」のような構図でしたが、現在ではWEB講義がむしろ主流になりつつあります。宅建取得による収入面でのメリットは前述のとおりとなっており、どの講座を選んだとしても、取得できれば短期間で回収可能なことは分かって頂けたと思います。
講座費用はもちろん大事な基準ではありますが「どの講座が最も自分にとって合格に近いか」ということを一番の基準とするのが最も良い選択だと思います。
■監修者からのアドバイス!
宅建士試験は科目が多く、試験範囲が大変広いために、闇雲に準備しようとすると学習の重点の置き方が分からず失敗してしまいます。
効率的に学習するために資格講座を受講することは、合格への近道となります。特に法律科目について初めて学習する受験者にとって、民法や法令上の制限についての学習は大きなハードルとなります。
まずは講義を聴き、法律に慣れることが重要です。
講座を受講することと同じぐらい重要なことが、過去問や練習問題を解くこと、そしてなるべく資格予備校が主催する模擬試験を受験して、本番の練習をしておくことです。家で模擬試験を解く場合でも、本番さながらに時間を測って行うべきでしょう。
宅建士試験の科目は多いですが、各科目特有の「問題の作り方」というものが存在します。出題者は例年の受験者の正誤答にデータを研究していますので、受験者が間違えやすいような問題をあえて作成してきます。
そのような問題に対応できるよう、「問われ方」と「知識」を結びつけるトレーニングをする必要があります。それは、テキストを読むだけでは身につかず、受験講座を受講したり、過去問や練習問題を解いたりする必要があるのです。
宅建士は15%以上の受験者が合格する試験であることから、事前の合格情報の収集さえ怠らなければ、合格できる試験です。ぜひ、万全の準備で試験に臨んでください。
宅建士 徳田倫朗(トクタ ミチロウ)
株式会社イーアライアンス代表取締役。宅地建物取引士。不動産・再生可能エネルギー投資ファンドの組成・販売、投資用商業不動産の売買・仲介、海外不動産投資など、不動産に関する20年以上の実績と経験を有する。近年では「新しいコトに新しい資本の流れを」をコンセプトに、イノベーティブなビジネスモデルと市場に散在する遊休資本をつなぐための新しいファイナンスモデルを開発・提供している。優れた技術革新や新サービスを事業として洗練させるとともに、それらに対する新たな資本の流れを創造する。