宅建のダブルライセンスにおすすめの資格9選

宅建とは、不動産取引の場面においては必要不可欠の資格です。 そのため不動産業界だけではなく、金融業界や一般企業でも高く評価される資格となっています。さらにダブルライセンスはより専門的な分野で活躍できるので、収入面でも他の方よりも優位に立つことが予想できるでしょう。

そこで今回は、宅建士と相性の良いダブルライセンスにぴったりの資格を9つ紹介します。

すでに宅建士の資格を得ている方や、これから宅建資格の取得を目指す方は、参考にしてみてください。

宅建⼠とは?

宅建士(宅地建物取引士)は土地や建物などを扱う不動産取引の専門家です。扱う対象の取引金額が大きいだけではなく、 契約内容などについても高度な専門知識や処理が求められます。

そのため宅建士には次の3つの独占業務が存在します。

  • 重要事項の説明
  • 重要事項説明書への記名押印
  • 契約内容書面への記名押印

これらの独占業務は宅建士のみが認められていますから、不動産売買や賃貸の取引場面において、宅建士の存在は必要不可欠と言えます。

宅建士になるためには、「一般財団法人不動産適正取引推進機構」主催の宅建士試験に合格しなければなりません。

試験合格後は、次の要件のいずれかを満たしていることを確認して都道府県に宅建士として登録してから、活動が可能になります。

  • 宅地建物取引業の実務(一般管理部門は除く。)の経験が2年以上ある者
  • 国土交通大臣の登録を受けた宅地又は建物の取引に関する実務についての講習(以下「登録実務 講習」という。)を修了した者
  • 国、地方公共団体又はこれらの出資により設立された法人において宅地又は建物の取得又は処分の業務に従事した期間が通算して2年以上である者

(出典)一般財団法人 不動産適正取引推進機構

宅建とのダブルライセンスにおすすめの資格9選

宅建士の業務の要となる不動産取引は、相続や資産運用などと関係が深く、これらの業務を取り扱う他の資格との相性も抜群です。そのため宅建だけでなく、関連資格を所持するダブルライセンサーは、様々な相乗効果が期待できます。

中には宅建試験と試験科目が重複している場合もあり、初学者よりも学習しやすいというメリットもあります。

ここからはダブルライセンスにおすすめの、宅建と相性の良い9つの資格について確認してみましょう。

ファイナンシャル・プランナー(FP

ファイナンシャルプランナーは金融や税金、不動産、住宅ローン、保険、公的年金制度など、お金が絡む様々な場面で、各種ジャンルを超えた金融知識に精通している専門家です。

不動産取引に限定されるのではなく、総合的なマネープランを提案できるので 、不動産に特化した金融知識の宅建士だけよりも、より総合的・具体的なマネーライフプランを提案することができます。

宅建士のみの資格だと、顧客が住宅購入資金などについて悩んでいても、適切な住宅ローンを扱っている金融機関の紹介などに止まりますが、 FPの資格があると、依頼人の家計状況なども考慮した全面的なサポートを提供できます。

その結果、購入時だけでなく、購入後も顧客と長いお付き合いをすることが可能になります。
このように、宅建と FP は実務の上で非常に相性が良いことがわかります。

司法書⼠

司法書士は、人々の財産や権利を守る法律の専門家です。
主な業務内容としては、不動産を登記することによって所有者の権利を守ること、 相続発生時の各種手続き、簡易裁判所における少額訴訟での法定代理人としての活動などが挙げられます。

司法書士は、登記などがメイン業務となることが多いため、宅建とのダブルライセンスは非常に相性が良いと言えます。

不動産登記においては、登記の発生原因となる前提として不動産取引が存在しますが、正しく登記するためには不動産登記に関して精通していることが前提ですから、宅建の知識が活かしやすいのです。

また、司法書士試験の試験科目の中にも民法があります。司法書士は合格率が3%前後とかなりの難関資格ですが、民法は、宅建においても「権利関係」として物権や債権の問題を中心に出題されていますので、この点においても初学者よりも有利になるでしょう。

⾏政書⼠

行政書士は、行政手続きなどの専門家です。主に官公庁に提出する書類作成や手続きの代行などがメイン業務として挙げられますが、不動産取引に関わる行政手続きで宅建との相性が良いとされています。

例えば、宅建士として飲食店向けの物件を紹介した後、開業後に行政書士として風営法の許認可申請の手続きを行うことができます。
また、外国人の在留ビザについても、ビザ取得に関わった後に宅建士として外国人向けの賃貸物件を紹介したりできます。

試験についても、宅建と行政書士は民法という共通科目があるので、宅建資格の取得後に行政書士試験に挑戦した場合、民法が重要なウェイトを占める行政書士試験でも、宅建の知識が活かせるでしょう

税理⼠

税理士は、読んで字のごとく税金に関する専門家です。近年、民法の相続分野における大きな法改正があり、それに伴い相続税法も法改正がありました。

その結果、従来は相続税を払わなくて済んだ人も、税金を払わなければいけないケースが出てきており、相続分野に強い税理士の需要が急増しています。

具体的な宅建との絡みでは、相続税の評価額・相続税額の計算が必要になりますがその際に宅建の知識が活かしやすいでしょう。

例えば、相続税の納税のために不動産を売却して代金を納税に当てるケースがしばしば見られますが、顧客の資金繰りやアパート経営など資産運用の相談を受ける際にも、宅建の知識が役立ちます。

宅建士の知識を活かしながら税理士として手厚いサポートをできるようになれば、税理士として活躍するにあたっても、大きなセールスポイントになります。

中小企業診断士

中小企業診断士とは、中小企業の経営問題の相談に乗ったり、解決策のアドバイスを行う経営コンサルタントとして認定された唯一の国家資格です。

宅建士とのダブルライセンスの効果は、不動産に関する経営戦略を考えられるようになるということです。
具体的には、企業や団体などの組織が保有・管理する施設について、経営戦略の視点から、企画から運用・維持、活用まで含めて一元的にできる「ファシリティマネージャー」として活動できるようになるでしょう。

このような場面では、必然的に不動産物件の取引が入ってきますから、そこで宅建士の登場となるわけです。そのため、中小企業診断士の資格を取得してから宅建士に挑む人も多いです。

試験科目は経営学関連の科目が中心ですので、宅建との共通科目はありませんが、取得後にダブルライセンスの価値を発揮する場面は多いと考えられます。
<参考>一般社団法人 中小企業診断協会

不動産鑑定士

不動産鑑定士とは、独占業務として不動産の経済価値を鑑定する高度な専門家です。
宅建士と不動産鑑定士は扱う対象が不動産である点は共通していますが、業務内容は宅建士が仲介、不動産鑑定士が不動産の価値の鑑定と、活躍する分野が大きく異なります。

この2つを持っていれば、仲介と鑑定両方の仕事ができるので仕事の間口が広くなります。
また、不動産鑑定士は再鑑定などを求められることも多いので、顧客との継続的な関係が結びやすく、そこから宅建士としての仕事を得ることもあります。

不動産鑑定士は試験の難易度が非常に高いことで知られており、文系三大難関資格の一つと言われています。
さらに不動産鑑定士は全国に数千人しかおらず、宅建士よりも希少で信頼度の高い資格となっています。

科目数だけで見た場合、4分の1が宅建でも学ぶ内容ですから、不動産鑑定士は宅建士のさらにレベルアップした資格であると言っても過言ではありません。不動産業界でさらにステップアップしたい方におすすめの資格です。

賃貸不動産経営管理士

マンション管理士や管理業務主任者が購入タイプのマンションを想定しているのに対し、賃貸不動産経営管理士は、賃貸アパートやマンションなどの賃貸物件の管理に関する知識や技能、倫理観を求められる専門家です。

宅建やマンション管理士と異なり、まだ現在は公的資格という位置づけです。
しかし、国土交通省に登録を届け出ることが定められており、実質的には国家資格と同等の信頼性が担保されています。

国土交通省もこれから国家資格に昇格させると考えていますから、将来的には家主や入居者から信頼される資格と言えます。
また、借りる側ではなく投資などを目的とした貸す側の立場に立った時も、賃貸における専門知識がありますので、宅建士とのダブルライセンスを取得した際には、多面的な視点からのアドバイスが可能になるでしょう。
<参考>一般社団法人賃貸不動産経営管理士協議会 受付センター

マンション管理⼠

マンション管理士は平成19年に登場した比較的新しい資格で、通称マン管とも言われています。
文字通りマンションの管理に精通した専門家で、新築マンションが供給される都市部で特に需要が高いとされています。

一時マンションの空き室率が問題になっていたこともありましたが、近年は改善され、古いマンションをリノベーションする流れもあるので、それに対する需要も高まっています。

リノベーション物件の紹介などで宅建の知識を大いに生かすことができますから、不動産業界では、宅建とのダブルライセンスが奨励されています。

また、マンション管理士の試験においても、民法建築基準法区分所有法都市計画法などが試験科目として重複しています。

当然、マンション管理士を受験する際には宅建の知識があった方が有利になりますから、初めて不動産関連の資格に挑戦する人よりも、短期間でマンション管理士の合格を目指すことができます。

実務で知識を活かす上でも、重複科目が多いという点でも、マンション管理士とのダブルライセンスはお勧めです。

管理業務主任者

管理業務主任者とは、業者側の立場からマンションの管理を任されたり、住民同士のトラブルを未然に防ぐといった役割を担います。
名称だけ聞くと、「マンション管理士」とよく似ているので、混乱する方もいらっしゃるかもしれません。
どちらの立場もマンションを適切に管理し、アドバイスするという役割は共通しています。
ただし、管理業務主任者のみに契約時の重要事項説明や記名押印などの独占業務が認められています。

マンション管理士と同じように、マンション建築数の増加、リノベーション物件の登場などから 、今後も管理業務主任者の需要増加が見込まれます。
また、宅建士・ マンション管理士・管理業務主任者いずれも、試験科目として民法・宅建業法・区分所有法・不動産登記法・土地建物が共通しています。
そのため、マンション管理士を含めたトリプルライセンサーを目指す人も珍しくありません。

本当にダブルライセンスは必要なのか

ダブルライセンス・トリプルライセンスを取得することによって仕事の幅が大きく広がるのは確かです。ですが、ただ取得しただけでは意味がありません。取得しただけで満足するのではなく、他の資格のメリットとうまく組み合わせて役立ててこそ、初めてその価値が活きるのです。
目指してみたい資格が出てきたら、まずは今の環境で活かせるかどうかをよく検討してみることが大切です。

どんなに資格を取ることにメリットがあるとしても、それに労力や時間を費やすあまり、本業がおろそかになっては本末転倒です。勉強にかかる時間や資格の難易度なども考慮した上で、受験を検討しましょう。
それらをすべて考慮した上で、なおかつ挑戦したいと思ったら、後はひたすら合格に向かって進むのみです。

まとめ

いかがでしたか。宅建士は不動産取引の専門家ですから、不動産関連業務を行う他の資格との相性は抜群ですし、お互いの資格の強みを非常に活かしやすいといえます

ダブルライセンスによって活躍の幅が広がるだけでなく、キャリアアップを目指したい場合に、試験科目なども重複することが多いので効率的な勉強が可能です。

今後、不動産業界などでさらに活躍したい方は、是非ダブルライセンスを検討してみてください。

監修 資格LIVE編集部
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