『現役宅建講師』が教える【宅建・独学合格】必勝法!オススメテキストや、学習スケジュールなど解説。

『現役宅建講師』が教える【宅建・独学合格】必勝法!オススメテキストや、学習スケジュールなど解説。

宅建士は社会的に最もニーズのある国家資格の1つです。個人の住宅はもちろん、ほとんどの企業で関わる機会のある分野になるため、社会的にもその有用性は高く評価されています。そのため、毎年20万人ほども受験するほどの資格ですが、合格率は毎年15%程度です。

こう聞くと、さも「難しい試験」のように思われるかもしれませんが、決してそんなことはありません。

「宅建試験の独学って自分でもできるのかな?」

「実際、どのくらい勉強すれば合格するの?」

「頭のイイ人じゃないと独学は無理なんじゃないの?」

そして、実は宅建士試験は独学の方が圧倒的にオススメです。今回は、現役の宅建講師の立場から、こんな疑問に答えつつ「あえて独学合格」の必勝法をお伝えします。

宅建士試験に合格して手に入るもの

就職に有利

不動産業というのは売買から賃貸・管理、住宅用、投資用、店舗管理など、一口に「不動産」といっても多種多様な職種がありますが、極端に言えば、宅建士さえ持っていれば、ある程度の規模の不動産業でも、35才以下であれば比較的簡単に入社出来ます。

収入が上がる

不動産取引においては『宅建士しかできないこと』がたくさんあります。そのため、ほとんどの不動産会社では宅建士を持っている人に対して基本給のアップもしくは契約したときの歩合給が高いという、収入について大きなメリットがあります。

宅建士試験の概要から申し込みまで丸わかり!

宅建士とは、宅地建物取引士資格試験(宅建試験)に合格し、その後一定の手続きを経て国土交通大臣又は都道府県知事から宅建士証の交付を受けた人のことを言います。

宅建試験概要

毎年1回、10月の第3日曜日、午後1時~午後3時(2時間)に試験が行われます。

50問の試験で合格点は年によって上下しますが、合格率は15%程度で調整されています。

受験料は7,000円(2020年度試験実績)

申込期間:インターネットの場合:7/1~7/15、郵送の場合:7/1~7/31

※一般社団法人不動産適正取引推進機構(通称:RETIO)から申し込みとなります。

受験3ヵ月前の申し込みのため、注意しましょう!

宅建試験攻略の前提

実は、宅建試験というのは『どの分野から、何問出題されるか?』が決まっています。

  • 1~14問目 :権利関係(民法)
  • 15~22問目:法令上の制限
  • 23~25問目:その他
  • 26~45問目:宅建業法
  • 46~50問目:その他(5免除対象 ※最後に補足解説)

権利関連(民法)で14点、宅建業法で20点ありますから、極端な話、この2分野だけで34点となり、ほぼ合格点分の配点があるのです。やみくもに勉強するのではなく、配点の大きい分野を優先的に勉強することで効率的に得点することが出来ます。

さらに、宅建試験の場合、毎年合格点が変わります。過去5年間の合格点と合格率は下記のとおりです。

年度

合格率

合格点

2019年

17.0%

35

2018年

15.6%

37

2017年

15.6%

35

2016年

15.4%

35

2015年

15.4%

31

合格率が15%程度になるように合格点が調整されているため、「今年は問題が難しかったから合格が厳しい」ということは全くありません。問題が難しければ合格点が下がるので、結局は「受験者の上位15%の実力に食い込めれば合格する」ということになります。

毎年の傾向からすると36点~37点程度取れれば合格点となります。

実質合格率は30%~40%!?

合格率が毎年15%程度というのは前述のとおり、事実です。しかし、この中には記念受験、まぐれ狙い、とりあえず受験も相当数含まれます。(不動産会社に勤務している1年目の人など、受験することが義務になっているところも多いです。)

宅建講師の間で話をすると、「一応、半年間程度は勉強を継続した」くらいの感覚の人(=合格するつもりで受験する人)でいえば、半分とまでいかなくとも、3~4割の人が合格しているという感覚値があります。

独学合格できるのか?独学メリットも同時解説!

結論から言うと、独学合格は十分可能です。むしろ、やり方さえ間違えなければ独学の方が受かりやすく、圧倒的にメリットがあると思います。暗記しなければいけない部分もありますが、一般的に「頭の良し悪しで合否が決まる試験ではない。」と言われ、不合格となる人の多くは、そもそもの学習時間が足りない場合が圧倒的にに多いです。

独学で合格を目指すメリット

  • 金額的な負担が圧倒的に少額で済む

予備校や通信講座を使うと、少なくとも10万円、平均で15万円前後の費用が掛かります。独学の場合、テキストと問題集2~3冊、過去問1冊、予想問題1冊で、1.5万円~2万円程度あれば十分です。

  • 「受かるはず」という妙な勘違いが起きない

確実に合格したいなら予備校へ」と考える方も多いですが、それは事実ではありません。予備校に通ったから合格するのではなく「合格に必要な知識がついたから合格する」のです。もっと正確に言えば「合格に必要な勉強時間を確保できなければ、予備校に行っても不合格」なのです。「予備校に行っているから大丈夫!」と安易に思い込んでしまうのは非常に危険です。

「もうお金を払ってしまったのだからやるしかない!」という精神状況を作るというのは確かに有効かもしれませんが、それにどの程度価値があるかどうかは、個人の判断によります。

  • 予備校に通学・通信接続など無駄な時間が無い

結局は必要な勉強時間を確保することが第一で、テキストを読んで学ぶか講義で学ぶかで、大きな違いはありません。(非常に分かりやすいテキストがたくさんあります!)

片道30分かけて予備校に通うより、勉強しやすい場所を見つけてその分勉強したほうがよほど効率的です。

宅建合格のための必勝法「必ず民法を最初にマスターする」

民法を制す者は宅建を制す

最初に民法をマスターすることで、合格がグッと近づきます。

前述のとおり、配点が建業法(20点)と民法関連(14点)に大部分が集中しているので、ここを重点的にやるのは当然ですが、重要なのは学習順序です。

ズバリ回答は、

STEP1:スピート重視でテキストを何度も読みこむ(5周ほどが目安)

STEP2:民法を集中して取組、まず8割正解できるまでやる。

STEP3:宅建業法に集中して、8割正解できるまでやる。

STEP4:民法を忘れないように問題に触れながら、その他の分野をつぶしていく。

STEP5:問題演習を基本にして、苦手意識のある分野に集中する。

最もやってはいけないのは「宅建業法からやること」です。宅建業法は要するに知識問題で、実際に勉強するとわかるのですが、ひたすら暗記です。そして分量もさほどではありません。試験半年前からスタートしても、勉強中に忘れてしまいます。

不合格となる人のほとんどは、民法を落として不合格となります。というのも、民法は暗記ではなく理解が必要な為、詰め込み式の勉強が効かず、時間切れで試験を迎えるというのが典型的な不合格パターンです。

とにかく、民法が8割程度できるようになるまで、ほかの分野に手を付ける必要はありません。

  • 独学の最大の敵は勉強を中断してしまうこと

独学合格の最大の敵は、勉強が続かないことです。

途中で「どうせやっても受からない」という気持ちが大きくなり、不安がやる気の衰退につながることが多いようです。

順調に学習が進むと、9月頭くらいで過去問で30点を超え、9月中には過去問でちらほら合格点が取れるようになってきます。こうなると「あ!これは合格できるかもしれない!絶対に落ちたくない!」という心境になり、勉強熱が一気に加速するものです。反対に、この段階で焦りが生まれる状態にしかなっていないと「どうせ受からないかも。」ということで失速していきます。

また、ブランクを作ってしまうと、一気にやる気がしぼむというのもかなり多いパターンなので、毎日少しでもコツコツやるというのが非常に重要です。

おすすめは、通勤時間を必ず勉強に充てる、という自分ルールです。「試験期間中はYou TubeTとケータイゲームを禁止する!」と決めるだけでも大分成功が引き寄せられますよ(笑)。

一発合格のための勉強量とスケジュール

合格に必要な学習時間と期間

独学に必要な期間、時間はどのくらいか?というところですが、勉強時間の目安は250時間です。単純に、1日2時間(正味1.5時間程度)やるなら、150日くらいが目安になります。学習期間は長ければ良いというものではなく、オススメは5~6ヵ月間です。(つまり、5月くらいから勉強スタート)

重要なのは毎日やることです。週末にまとめて長時間勉強するのと、毎日触れるのとでは記憶の定着が全く違います。仕事をしている人の場合、イメージ的には1日1.5時間、土日で3~4時間ずつ。これを半年間続けることが出来れば、合格できます。要領の良さや記憶力は人によって差が有るのは当然ですが、そのあたりに自信がない人でも、これくらいで合格できます。逆に、これくらいの勉強時間を確保するのが難しい場合、予備校に通ったとしても合格角度は低いものになると言えます。

学習スケジュール

ここでは、前述のSTEP1~STEP5に沿って、5月頭から学習スタートする前提でモデルケースを設定します。

5月前半:STEP1 テキストをぐるぐると何度も読み込み、言葉に慣れる。
この段階では、以降の学習をしやすくするために何となく、勉強する全体像をつかむくらいの軽い気持ちでOKです。
5月後半~7月末:STEP2 民法に集中する
ほかの分野にはわき目もふらず、民法に集中します。テキストを併用しつつ、問題集をひたすら解き、間違えた問題についてテキストに戻ってその単元をしっかり理解するように心がけます。
8月中:STEP3 宅建業法を固めに行く
この段階までで民法が有る程度得点できるようになっていさえすれば、合格がかなり近づきます。あとは宅建業法を中心に勉強すれば、順調に得点力が増していきます。逆に、民法が出来ていない場合、宅建業法のスケジュールは後回しにして、とにかく民法を最初に得点できるようになることに全力を尽くしてください。
9月~10月:STEP4、5 民法、宅建業法以外の分野を一気に学習します。
お盆明けくらいに過去問もしくは予想問題を1~2回解いておき、実力を知っておくのが良いでしょう。
繰り返しになりますが、民法が出来ていないのに他の分野の勉強に力を使うのは非常に非効率です。9月くらいの段階で民法、宅建業法が固まっていない場合、焦ってその他の分野まで勉強しようとする人が多いですが、極端な話、民法と宅建業法がしっかり得点出来ればその他の部分が勘でも結構合格します(笑)。あてずっぽうにやっても4択問題なので、1/4は正解できる計算です

独学に最適な最強テキスト

独学に最適なテキストは「らくらく宅建塾」シリーズです。

解説が分かりやすいうえ、要点が絞ってあります。また、シリーズ問題集にはテキストの参照ページが書いてありますので、非常に高効率な学習が可能です。

また、学習方針が「民法に重点」があるため、非常に合格角度の高い実践的な学習を進めることが可能です。

過去問や予想問題については、時間内に問題を解くスピード感をつかむためのものなので、どこの問題集を使っても問題ありませんが、実績からいうとTACが出しているものがおすすめです。

独学の必勝テキスト
  • らくらく宅建塾テキスト
  • らくらく宅建塾(過去問宅建塾1「権利関係」)
  • らくらく宅建塾(過去問宅建塾2「宅建業法」)
  • らくらく宅建塾(過去問宅建塾3「その他の分野」)

+過去問と予想問題(基本どこのものでもOK) 

宅建士問題集 過去問宅建塾
宅建学院 (著)

試験テクニック(これだけで3点アップ!)

宅建試験では絶対に守るべき試験テクニックが1つあります。

それは「26~45問目:宅建業法から必ず解く。」ということです。

試験開始して、いきなり1問目から(知らなければ普通奏しますが。)解いては絶対にダメです。なぜかというと、1~14問目というのは鬼門の「民法関連」が出題されます。

ここでは、毎年難しい問題や、ひっかけが続出するうえに、法律文章的な文章がややこしいので、時間がかかります。そのため、本番でいきなり全く分からない問題に遭遇し、開始早々に民法パートでパニックになったり、時間が足りなくなったりする危険があります。

宅建業法に関してはこういうことはまずありませんので、比較的安全に試験を始めることができます。さらに、知識問題なので問題を解くペースもさほどブレないはずですから、宅建業法を説き終わったところで時計をみつつ進めれば、試験終盤で解き終わらない・・・ということにもなりにくいです。

民法から解き始めてしまって、本番いきなり焦ってしまう、、というのは私自身の経験上間違いありません(笑)。これは絶対に忘れずに実行してください。

(補足)業界経験者の5点免除制度

 宅建試験には、50問ある宅建試験のうち、46~50問目の問題が本試験で免除となるというスペシャルな制度があります。5点免除の制度を利用しない一般受験者と比べて5問少なくなり、合格ラインが5点引き下げられ、試験時間も10分短縮されます。

 使ったほうが合格難易度は下がりますが、これには条件がありますが、結論からすると既に宅建業の仕事に就いている人しか受けることができません。

それに、この制度が無くとも十分宅建合格は可能ですので、無理して制度を利用する必要も無いというのが個人的感想です。

5点免除の条件
  1. 国土交通大臣が指定する講習を受講して「登録講習修了者証明書」を交付が必要
  2. この「登録講習」は受講するときに宅地建物取引業に就いている必要がある
  3. 5点免除になるのは修了試験に合格した日から「3年以内」

講習申し込みにあたっては、複数の資格学校が運営していますが、どこでも内容も費用感も大差ないため、スケジュールと費用の面から検討すればどこでも良いと思います。まずは「宅建 登録講習」で検索し、申し込みをするところからスタートです。

申し込み後に届いた教材を使って1~2カ月程度の事前学習を行います。

その後、2日間みっちり講義を受けます。

講習の2日目の受講終了後に修了試験が実施されますが、簡単な内容なので、講習中に寝てさえいなければ、ほぼ落ちることはありません(笑)

修了試験合格後、有効期限が3年間の「登録講習修了者証明書」が発行されますので、それを宅建試験申し込み時に制度利用申請します。(通常の申込フローで記載箇所がありますので簡単)

【注意点】

5点免除登録講習はかなり早い段階で受付を締め切りますので、少なくとも試験を受験する年の年初には一度確認してスケジュールを決めてしまったほうが良いでしょう。

※もし締め切られた後からでも十分独学で合格は間に合いますよ!

最後に独学試験を志す方へむけて

 今まで、宅建試験に合格して大げさではなく「人生が変わった」人を何人も見てきました。

もちろん試験に合格しただけではありませんが、人生が好転するきっかけの一つになることは間違いありません。

せっかくやるのであれば、一発で合格しましょう。やることをやれば、ちゃんと合格できる試験です。皆さんが、宅建合格を機に、今よりさらに素晴らしい人生を実現されることを願っています。

執筆・監修:R/hanzawa
中央大学法学部法律学科卒。新卒で大手機械メーカー、その後コンサル会社を経て、現在は不動産業の上場会社の経営企画部長。『宅建』『簿記』ともに独学で合格し、『宅建』『簿記』を新入社員向けに講師を行う。2児の父、趣味は司馬遼太郎小説を読むこと。Twitter:@R_hanzawa