宅建の難易度は?独学でも合格できる?他の資格とも比較して解説!

宅建資格取得を目指す上で、試験の難易度や学習方法について疑問や不安を持つ方は多いのではないでしょうか。

本記事は、他の資格と比較や年度別の難易度を分析し、宅建試験の難易度を客観的に解説していきます。

まず、宅建試験の難易度を理解する上でのポイントを3点挙げましょう。

  • 他の資格試験と比較して、中程度の難易度である
  • 各科目の特徴と解法のコツを掴むことが重要
  • 難易度は年々上がっており、十分な学習量が必要である

これらの内容を以下の目次項目に従って解説していきます。

目次
  • 年度別に難易度を比較する
  • 各出題科目の難易度を比較する
  • 他の資格と比べるとどのくらい難しい?
  • 独学でも合格できるのか?
  • 「難易度」のまとめ

年度別に難易度を比較する

 過去に行われた試験の受験者数や合格率を知ることで、試験の傾向が見えてきます。

 傾向のイメージを掴むことができれば、対策にも役立てることができるでしょう。

受験者数と合格率

 一般財団法人不動産適正取引推進機構の発表による平成26年~30年の数値によれば、受験者数は、平成26年に192,029人、以降毎年増えて平成30年には213,993人でした。

また、合格率は、平成26年が17.5とやや高いものの、以降は15.415.6%で推移しています。合格者はおよそ3万人~3.3万人と安定しています。

  一方、合格点は31点~37点と変動があります。これはその年の難易度によるものだと考えられます。ただ、長年30点が合格の目安と言われていましたが、平成29年は35点、30年には37点と上昇傾向があります。今後も、受験者数が増加する一方で、合格率に変動がないと考えれば難易度は高くなると推測されます。

 近年、受験者のレベルがアップしていると言われています。合格点が上昇する一方で、合格率に変化がないことがそれを示しています。

 宅建試験は相対評価ですので、受験者のレベルが上がれば合格ラインに到達することは当然難しくなります。油断することなく、十分な時間んと労力をかけて対策に臨んでください。

各出題科目の難易度を比較する

 宅建試験は以下4つの科目で構成されています。

  • 宅建業法
  • 権利関係
  • 法令上の制限
  • 税金その他

 各科目の特徴を把握し、それに合わせた対策を行うことが必要です。

宅建業法

 出題数は最も多く20です。

 宅建業法は比較的学習しやすく、初学者にも取り組みやすい内容です。それだけに、全体の正答率が高くなり、取りこぼしせずにしっかりと得点しておかなければなりません。

 暗記項目が多いため、効率よく時間をかけて問題に取り組みましょう。特に基本的な項目は絶対に落とさないという気持ちで進め、得点源にできるようにしましょう。

権利関係

 権利関係は14問出題され、そのうち10問が民法に関する問題です。数字などの暗記は少ないことが特徴です。

 しかし、権利関係は馴染みがなく、難しい用語が頻出するため、苦労する分野です。

 事例が出題され、それに適応する法律の知識が要求されます。そのため、用語などの丸暗記では通用しません。過去問題を解き進める中で、頻出事例や重要な法律、判例などをしっかりと理解した上で覚えることが重要です。

法令上の制限

 法令上の制限では、建築基準や土地の利用に関する制限などについて出題されます。

 したがって、建築基準法、土地区画整理法、都市計画法などの知識が問われます。

 出題数は8問と少ないのですが、暗記項目が多いため時間がかかる科目です。

 学習方法としては、まず暗記するべき項目を徹底して覚えること。その後、過去問題に取り組むと良いでしょう。問題の性質上、正確に暗記していれば解きやすい傾向が見られます。

税金その他

 税金その他は8問出題されます。国税や地方税、土地、建物、住宅金融支援機構法などの8つの単元から1問ずつ出題されます。

 学習方法としては、過去問題から各単元の出題傾向を分析することから始めましょう。分析することで、各単元の頻出箇所や暗記するべきことが分かってきます。

とりわけ土地、建物、住宅金融支援機構法については暗記項目が少なく、分析による出題傾向を把握しておくと得点源にすることができます。

〜先輩受験者からのアドバイス〜

30代男性
試験対策としては科目によって足切りがないので、難易度が高くボリュームがある割に問題数が少ない税法は捨てて、覚えた分だけ確実に点数に繋がる宅建業法と法令上の制限を満点近く取れる様にしましょう。これだけで、6割近くの点数が見込めます。権利関係は考えて解く問題が多くなるので、過去問中心に学習しましょう。
30代女性
コツコツと時間をかけて行うのが一番です。宅建は出題範囲が非常に広いので個人差はあるとはいえ短時間で覚えるのは難しいと思います。特に不動産業に既に従事している方は実務経験があるので簡単にできると考えがちですが、民法などの範囲も広いので甘く見ていると後悔することになります。私の場合は教科書と問題集を何周も読み返して頭に刷り込んでいく形を取りましたが、その方が無理なく覚えることができるので良かったと思っています。あとはひたすら過去問を解くことで、購入した過去問の他、ネットに載っていた過去問も活用して勉強しました。

他の資格と比べるとどのくらい難しい?

 宅建試験の難易度について、漠然とした恐れや不安を払拭しましょう。他の資格と比較することで、実際どのくらいの難易度なのか具体的なイメージを把握しましょう。

不動産関連の資格における宅建の難易度

 では、まず同じ不動産関連の資格と比べてみましょう。

[二級建築士]

二級建築士は住宅の設計ができる資格です。学校、病院、映画館、百貨店などの大規模施設は設計できません。

また、設計できる住宅の規格についても規定されています。例えば、木造住宅であれば高さ13m、軒高9m以上の建物は設計できません。鉄筋コンクリート住宅であれば、さらに制限があります。

受験者の合格しやすさで言えば、宅建士よりも高いと言われています。

しかし、そもそも受験資格に学歴要件と実務経験要件があり、一般の方が取得することはかなり難しい資格です。
したがって、実際の難易度は相当難しい資格だと言わざるをえません。

 

 [不動産鑑定士]

 不動産鑑定士は土地の公示価格決定に携わります。土地価格の相場を決め、不正な値上げや買いたたきなどを防ぎ、土地取引が正常に行われることを目的としています。

 したがって、試験では土地価格の算出方法がメインとして出題されます。複雑な計算が必要であり、宅建士よりも難易度は高いと言えるでしょう。

 さらに、試験合格後1~2年の実務実習の後、修了考査に合格しなければなりません。かなりハードルの高い資格であり、一般の方が目指すには相当な時間と努力が要求されます

 

[管理業務主任者]

この資格は通称「管業」と呼ばれます。新規マンションの管理内容の企画・立案、管理・運営サポート、修繕計画・工事の提案、住民の生活環境改善など、マンション管理業務全体を担う仕事です。

また、管理組合に対して管理委託契約に関連する重要事項の説明や報告を行うのに必要な資格であり、需要の高い資格だと言えるでしょう。

合格率は20で、宅建士の約17%に比べると難易度は低いように思われるかも知れません。しかし、5人に1人しか合格できない試験であり、しっかりと準備しなければならないでしょう。

 

[マンション管理士]

マンション管理士も宅建士よりも難易度は高いと言われています。試験内容は、「区分所有法」が重要であり、最も力を注いで学習する必要があります。

ただ、マンション管理士は業務独占資格ではなく、資格がなくても同じ業務をすることができます。その意味では、資格取得のメリットは高くないと言えます。

しかし、宅建士とマンション管理士は試験内容が重複しており、宅建士を取得された方がマンション関係の法律などを追加で学習すると合格しやすくなります。

仕事の幅を広げることにもつながりますので、宅建士のあとマンション管理士に挑戦されることをおすすめします。

不動産以外の資格と比べると?-

 多くの資格の中で、宅建よりも取得しやすい資格も多くあります。主な資格を以下に紹介します。

 [FP2]

 FPは「ファイナンシャルプランナー」の略称です。人が生活する上で生じるお金にかかわる問題、避けて通れない問題について専門的な知識に基づいてアドバイスを行う仕事です。

 難易度は宅建よりも低いとされています。科目は民法などの法律系の問題も出題されるため難しいように思われますが、比較的学習しやすい科目構成になっています。

 ただ、試験が年に3行われます。1回しかない宅建よりも、取得するチャンスが多く、その点では難易度は宅建よりも低いと言えるでしょう。

 [日商簿記2]

 日商簿記は日本商工会議所主催の簿記検定です。2級は、個人商店などの会計処理を想定する3級と異なり、一般企業の経理部門レベルの力が求められます

 企業で経理、財務部門で働くことを目指す方は取得しておいた方がよいでしょう。試験の難易度そのものは宅建と変わらないと言われています。決して簡単な試験ではありません。

また、日商簿記もFP同様に、年3回試験が行われ、取得しやすいと言えるでしょう。

[危険物取扱者(甲種)]

 危険物取扱者には「甲種、乙種、丙種」の3種類があります。乙種、丙種は取扱可能な危険物に制限があります。甲種は全類の取り扱いが可能です。

 甲種は宅建よりもやや難易度が低いと言われています。ただ、受験資格に大学などで化学系科目の履修、単位取得が必要であること、乙種を取得してから2年以上の実務経験が必要であるなどの制約があります。

 しかし、試験は大学で学んだ知識や実務経験に基づくものであり、受験資格を満たしている人であれば合格しやすい資格です。

独学でも合格できるのか?

 これまで解説してきたように、宅建は決して簡単に合格できる資格ではありません。「独学ではやはり合格することは難しいのか?」とお考えになる方もおられるでしょう。

 ただ、実際には独学で合格される方もおられます。

40代男性
色々な通信講座や予備校などがあるようですが、はっきり言って独学で十分に合格できます。参考書は近い年の古本2冊と後は此方も古本で良いので問題集を使います。最初は参考書を一通り読んで内容を把握します。その次に一問一答の問題集をやることで基礎が身に付きます。空き時間はひたすら一問一答を覚えるくらいに学習します。ここで重要なのは一問一答で答えが×ならなぜ×なのか正解は何なのか、正解なら似たような問題で何を間違いとして問題を出していたか等考えながらやることで、派生した知識も身に付くようになっていきます。此処で気になることがあれば参考書を開きます。後は受験の2ヶ月前くらいで実践型の5択の問題集を解きながら試験の感覚を身につけます。此処で間違えた問題や解いた問題の正答は何かを振り替えることで知識の穴埋めが出来ます。私はこれで合格しました。

このようにご自身で手を抜くことなくしっかりと勉強できる方は独学でも合格可能だといえます。

一方でこういった声もあります。

30代女性
宅建自体はすごく難しいというよりも、勉強をしなければならないカテゴリーとその範囲が広いところが難点だと思います。独学で取得するにはかなり難しいタイプの資格だと思います。自分の経験上から言うと宅建に強い予備校の集中コースをオススメします。あまり長い期間をかけるより、半年くらいの集中コースの方がモチベーションも上がって効果的だと感じました。全容をある程度勉強したら、後は模試を何回も繰り返して自分の弱点を見つける事が大切だと思います。

やはり短期的に集中して勉強するとなると独学では難しいようです。

 さらに先に紹介した通り、宅建の難易度は近年確実に上がっています。それに伴い、合格者に占める独学者の割合は減少しています。

 2019年度は過去最高の受験者数となり、当然のことながら不合格者も例年以上の人数になるでしょう。これは、2020年度以降、再受験者も含めた厳しい競争になることを意味しています。

 独学だとなかなかモチベーションが上がらなかったり、計画を立てることが難しいという方もいらっしゃると思います。

 こうした状況を踏まえると、人それぞれではありますが予備校や通信講座を利用した学習方法を選択する方がベターであると言えます

宅建難易度のまとめ

 最後に、あらためて宅建試験の難易度についてまとめておきましょう。

まとめ
  • 他の資格との比較では、難易度は高めではある。しかし、しっかりとした準備をすれば、十分に合格できる
  • 年々難易度が上がっているため、より効果的な対策が必要
  • 科目ごとの特徴を把握し、それに合わせた解法を身につけることが重要

 他の資格との比較や、年度ごとの難易度推移、科目別の特徴などから宅建試験の実際が見えてきたのではないでしょうか。

それに合わせた学習方法を選択し、しっかりと対策をすれば十分に合格できる試験です。合格すれば非常に大きなメリットも手にすることができます。ぜひ合格に向けて1歩踏み出してください!

■監修者より一言

宅建士は決して合格のレベルは高いものではなく、きちんと準備すれば確実に合格を狙える資格です。

合格のポイントは、まず合格者の合格体験記を読んだり、資格予備校の合格セミナーに参加するなどして、合格のコツを掴むことです。短期間で合格を目指すには、勉強にもメリハリが必要です。

伝統的に必勝法として挙げられるのは、宅建業法と民法の勉強の割合です。民法は奥深い科目で、しかも面白い科目であることから、学習の多くを民法に費やしてしまいがちですが、学習時間の量が点数に結び付きにくいといえます。総合点を上げるには、宅建業法に注力して90%の正答率を目指し、一方で民法は60%ぐらいの正答率で御の字としておきましょう。

皆さんもぜひ合格をつかんでください!応援しています。

宅建士監修 徳田倫朗(トクタ ミチロウ)

株式会社イーアライアンス代表取締役。宅地建物取引士。不動産・再生可能エネルギー投資ファンドの組成・販売、投資用商業不動産の売買・仲介、海外不動産投資など、不動産に関する20年以上の実績と経験を有する。近年では「新しいコトに新しい資本の流れを」をコンセプトに、イノベーティブなビジネスモデルと市場に散在する遊休資本をつなぐための新しいファイナンスモデルを開発・提供している。優れた技術革新や新サービスを事業として洗練させるとともに、それらに対する新たな資本の流れを創造する。