【基礎知識】宅建士の仕事内容、難易度、勉強法など全て解説!

宅地建物取引士(以下、宅建)は、毎年20万人以上の人が受験する国家資格です。

多くの国家資格の中で、なぜこれほどの人気があるのでしょうか。また、宅建資格の内容を正直よく知らない、という方もいらっしゃると思います。

ここでは、宅建士についての基本的な知識を紹介し、人気の要因をお伝えします。

学習する内容、難易度、仕事の需要まで、大切なことはすべてわかります!

それでは、以下の目次にしたがって、解説していきます。

目次
  • 宅建とはどのような資格なのか
  • 宅建士の仕事内容・将来性は?
  • 資格試験の内容
  • 合格するための勉強法
  • おすすめの通信講座
  • 他の資格と比較すると
  • 宅建士についてのまとめ

宅建とはどのような資格なのか

不動産取引に関する資格はたくさんありますが、宅建は最もポピュラーな資格です。

宅地建物取引業に関する専門家であるのは当然ですが、民法についても関連知識を持つ法律の専門家だと言えます。

-取得するメリット-

宅建は、多くの国家資格の中でもメリットが非常に大きいことが特徴です。

宅建士でなければできない「独占業務」があり、不動産業界では大変重宝されますし、他の業界でもその知識や経験を活かせる場が多いです。したがって就職や転職に有利であることは言うまでもありませんし、資格保有が収入増につながることもあります。

  • 宅建士の設置義務

上記の「独占業務」の存在とともに、「宅建士の設置義務」も宅建士の需要を高めている大きな要因です。

これは、宅地建物取引業者従業員の20%以上は宅建士でなければならないというものです。

「独占業務」、「宅建士の設置義務」などの法的な決まりがあるため、不動産業界だけでなく、多くの業界から需要があるのです

-取得する難易度-

宅建士は、国家資格の中では難易度が低い方です。つまり、メリットが大きい割に、取得しやすい資格なのです。

とは言うものの、合格率は15%程度であり、それなりの対策をしなければならないことは間違いありません。

-宅建の「士業」化-

宅建士は元々「宅地建物取引主任者」という名称でした。いわゆる「士業」ではありませんでした。

宅地建物取引業法の改正により、「宅地建物取引士」と名称変更され、「税理士」、「公認会計士」などの「士業」として位置づけられました。この変更により、宅建士証交付の手続きなどが変更されています。

宅建士の仕事内容・将来性は?

宅建士の主な仕事は、不動産や賃貸の取引の際に顧客に対して「重要事項説明」を行うことです。

「重要事項説明」は宅建士でなければできない業務であり、その後の契約書への記名・押印も含め。「独占業務」なのです。

つまり、不動産の取引は宅建士がいなければ成立しないということです。

  • 宅建士の仕事は厳しい?

宅建士の仕事は激務で、大変だと言われることがあります。果たして、本当にそうなのでしょうか?

不動産というのは、人が一生の中で経験する最大の買い物だと言われます。それだけにそこにかかわる仕事は責任が伴うものです。宅建士は不動産取引を行う企業であれば、必要不可欠な存在ですが、営業職であれば同時に実績をあげることが求められます。

実績をあげれば高収入に直結するのが不動産営業です。そのためには、自分よりもお客様の都合を優先した働き方にならざるを得ないこともあります。そうした意味では、「大変」ということになるのかも知れません。

最近は、「働き方改革」が提唱され、不動産業界も変わりつつあります。実際の状況は、自分でよく調べてみることをおすすめします。

-宅建士の就職・転職事情-

宅建士は「独占業務」、「設置義務」などで、不動産業界への就職や転職には非常に有利です

また、住宅ローンを扱う金融業界、物件の売買を行う建築業界などでも活躍できる場があります。

不動産の取引というのは、さまざまな業界が関連しており、その点でも宅建士が求められることが多いのがおわかりいただけると思います。

-宅建士の年収-

一般的に、宅建士の平均年収は500万円と言われています。

不動産業界でも、営業職なのか宅建事務など職種によっても収入は大きく変わります。

特に営業職は歩合制である場合が多く、宅建士資格を活かして営業実績をあげれば1000万円を超える年収も可能です。

  • 資格手当

宅建士を保有していると、資格手当をもらえる場合が多く、直截収入増に繋がることが多いです。

資格手当は、一般的に5,000円~30,000円であり、平均20,000です。つまり、資格を保有しているだけで、年に24万円の収入増だということです。

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-宅建士の副業-

宅建士の副業は、不動産会社での「重要事項説明」などの「独占業務」を依頼されるという仕事が多いようです。

実際、アルバイトやパートタイムでの募集も多くあり、副業を見つけるのに苦労することはないでしょう。

また、宅建士を目指している人を対象にした家庭教師などのアルバイトもあります。

  • 名義貸し

宅建士は不動産業を営む上で必要不可欠な存在です。そこで、宅建士の人数を確保するために「名義貸し」を依頼してくる企業があります。

勤務実態がないにもかかわらず、宅建士としての名前や免許番号を「貸す」ことで、毎月数万円の収入となります

しかし、これは「犯罪」です。懲役や罰金が課されます。絶対にしてはなりません

-宅建士は独立開業できるか-

宅建士として独立開業し不動産取引を生業にする方もおられます。

ただ、不動産業を開業する場合、宅建業者としての免許を取得する必要があり、その条件として「事務所」を設けなければなりません。「事務所」の仕様も不動産業を営む上で相応しいものとして規定があります。

このように、事務所を開くまでにはある程度の費用と時間がかかります。しっかりとその準備をしておく必要があります。

-宅建士の将来性-

宅建士は「士業」になったこともあり、将来的にも不動産業界で重要な資格であり続けることは間違いありません。

実際、その将来性への期待からか、宅建試験の受験者は年々増加しています。宅建士は士業の中でも、とりわけ将来性の高い資格であると言えるでしょう。

-宅建士として働くには「登録」が必要-

試験に合格しただけでは宅建士として働くことができません。試験合格後に、「資格登録」「宅建士証の交付」という手続きを経て、宅建士としての業務を行えるようになります。

なお資格試験合格は、一生涯有効です。いつでも「登録」などの手続きを行うことが可能です。

  • 「登録」には実務経験が必要なのか?

宅建士として登録するためには、「2年以上の実務経験」が必要とされています。しかし、実務経験がない場合、「登録実務講習」を修了すれば登録が可能です。

登録実務講習は国土交通省が講習実施機関として定めたところで受講できます。修了試験もありますが、90%は合格しますので心配には及びません。しっかりと受講すれば問題ありません。

詳細は国土交通省のホームページに掲載されている各講習実施機関のホームページで実施詳細を確認してください。

  • 資格登録後は更新が必要

宅建士証の有効期限は5です。したがって更新する必要があります。

手続きについては、各県の宅地建物取引業協会などの公式サイトでご確認ください。

  • 登録しない人もいる

宅建士登録には時間も費用もかかります。そのため、試験に合格しても登録手続きをしない方もおられます。

もちろん、宅建士として仕事をしないのであれば登録する必要はありません。また、就職の際に、「宅建士試験合格」は書くことができますし、不動産業界であればアピールにもなるでしょう。

もし不動産業界や不動産取引にかかわる仕事でキャリアを積むのであれば、登録をした方がメリットは大きいでしょう。試験合格は、一生涯有効ですがタイミングによって必要な手続きや講習に違いがありますので注意が必要です。

資格試験の内容

では、次に宅建試験の日程、受験資格、科目などの基本的な内容について説明していきましょう。

-日程-

宅建建試験は毎年10月の第3日曜日に行われます。

受宅建同様に受験者が多いFPや簿記、TOIECなどは年に複数回行われますが、宅建は年に1回だけです。

例年申し込みは7月に行われ、期間が短いので注意が必要です

-受験資格-

宅建試験に受験資格はありません。学歴、年齢、必要資格などの要件がなく、誰でも受験することができます。

実際、12歳で合格、90歳で合格といったことがあります。

-受験料-

宅建試験の受験料は7、000円です。

決して安い金額ではありません。ぜひ一発合格したいものです。

-試験会場-

宅建試験は全国で行われます。

自分が住んでいる都道府県内の会場で受験します。複数の会場が設けられている場合には、申込時に希望する会場を申告することができます。

しかし、その割り当ては先着順ですので、申し込みが遅いと希望外の会場になることもあります。早めに申し込むようにしましょう。

-合格基準点-

宅建試験は11点で、50点満点です。

合格基準点は毎年変動しますが、3437で推移しています。

最近は、やや高くなっています。

-試験科目-

宅建は以下の4科目で構成されています。

・権利関係(民法など)14

・宅建業法      20

・法令上の制限    8

・税金その他     8

合計50問です。

試験形式は4肢択一で、マークシート式で行われます。

  • 民法が難しい

宅建試験で特に難易度が高いのが「民法」です。

民法は範囲が膨大で、しかも単純な暗記では通用しません。事例と判例を構成する法律をしっかりと理解していなければなりません。

過去には民法を全問捨て科目にする、という戦法を取る人もおられるほどでした。しかし、現在は合格基準点が上がっていることもあり、民法でもしっかりと得点しなければ合格できなくなっています。

  • 登録講習で5点免除!

不動産実務に携わる人の場合、登録講習を受講することで宅建試験で5点分の問題が免除されます

これは非常に有利であり、実際、登録講習受講生の合格率は一般の受験生の平均合格率を上回っています。

様々な機関が行っていますので、詳しくは国土交通省の登録講習機関一覧をご覧ください。

  • 高卒でも合格可能か

宅建試験には受験資格がありません。高卒でも十分に合格する可能性はあります

試験科目も、大学の法学部で学んだ人以外には全て初めて勉強することばかりです。大卒でも高卒でも関係ありません。

ただ、大卒以上の、一般的に高学歴と呼ばれる人は集中して効率良く勉強する経験をしている場合が多く、それが試験準備において差が出る可能性はあります。

合格するための勉強法

宅建士は有名な国家資格の中では比較的取得しやすい資格です。しかし、毎年8割以上の不合格者が出ていることも事実です。

ここでは、合格するために必要な効率的な勉強法について解説します。

-合格に必要な勉強時間と勉強法-

一般的に、宅建試験合格に必要な勉強時間は約300時間と言われています。

仮に12時間であれば、5ヶ月ほどが必要ということになります。実際、合格者の中でも半年程度の勉強時間という方が多いようです。

宅建試験は7割の得点で合格できます。したがって、全範囲を闇雲に取り組んでいくのは効率的とは言えません。

試験科目の中で、特に難易度が高い民法を含む宅建業法には重点を置く必要があるでしょう。重要科目を中心に学習スケジュールを組み立て、実行することが大切です。

  • 30点の壁

多くの学習者が経験するのは、30点から伸び悩むことです。この「30点の壁」を突破するためには、勉強方法を見直す必要があります。

宅建試験のポイントは

  • 過去問題を中心に学習する
  • 出題数の多い宅建業法、民法に重点をおく

この2点です。もし、テキストを読み込んで理解してから問題を解く、という方法をとっているのであれば、問題演習中心に切り替えた方が良いでしょう。

あらゆる国家資格の試験でも、過去問対策は重要です。宅建試験は特にその傾向が強いのです。

過去問題は最低10年分は解いて、完全に理解しておくことが望ましいです。

独学者の方も、できるだけ過去問題を利用して重要な箇所を確認して学習範囲を絞ることが重要です。

過去問題は、直前の力試しや本番の時間配分に慣れることだけでなく、早い段階から普段の学習の中で活用することをおすすめします。

-独学で合格できるか-

独学でも合格できます。ただ、自己流で学習を進めるため、結果として効率的とは言えない可能性が高いです。

したがって、短期間で集中して合格を目指すという方にはおすすめできません

独学を選択される方は、できれば本番の78ヶ月前の3月事から学習をスタートすることが良いのではないでしょうか。

-模擬試験の活用-

宅建試験の模擬試験は、多くの予備校が実施しています。

模擬試験は自宅で受験できるものもありますが、できる限り会場で受験するようにしましょう

特に独学の方は、本番に近い環境を経験できる貴重な場です。また順位確認で、自分の学習進捗度を確認することができます。

-直前対策-

9月後半以降の直前期は、

  • 暗記科目である「法令上の制限」に力を注ぐ
  • 全範囲を一通り見直す

この2点が重要です。直前だからと言って、勉強時間を延ばしたり、量を増やすことをして生活のリズムを狂わせないよういしてください。本番を万全の体調で迎えることが何よりも大切です。

おすすめの通信講座

「できれば1回で合格したい!」そのために通信講座を利用する方が多くおられます。

実は通信講座を利用した方の合格率は平均と比べてかなり高くなっています

ここでは、おすすめの通信講座とその特徴をご紹介します。

-宅建士講座人気ランキング-

宅建士の通信講座は非常に多くあるのですが、費用・教材・サポート・合格率などから3社を挙げておきます。

  1. フォーサイト
  2. スタディング
  3. 資格スクエア

-フォーサイトの講座-

フォーサイトの講座受講生の合格率は例年なんと70%前後です。これは全国平均の44.5にもなります。

「不合格者への受講料全額返金制度」は、この圧倒的な合格実績だからこそできることです。受講生にとっても非常に魅力的な制度であり、「合格」か「無料」かの選択しかありません。

サポートも充実しており、最もおすすめできる講座と言えます。

-スタディングの講座-

スタディングの講座は、スマートフォンを使った学習方法に特化していることが最大の特長です。

スマホ1台で、講義(動画)の視聴、問題・過去問の演習まで、すべての学習が可能です。加えて、講座費用は業界で最安価格であり、多くの受験生から支持されています。

-資格スクエアの講座-

資格スクエアは最新技術を活用したサービスがあり、特にAIによる出題予測を元に作られた予想問題「未来問」の存在は、受講生のみならず様々なメディアで注目を集めています。

合格率も79%とかなり高い数値を記録しています。

合わせて読みたい

他の資格と比較すると

宅建を他の国家資格と比較して難易度メリット、さらにダブルライセンスの相性などを解説していきます。

-管理業務主任者-

管理業務主任者は宅建とのダブルライセンスをおすすめする筆頭資格です。

試験範囲は宅建とかなり重複しており、合格率も20%以上です。まず最初に取得する資格としておすすめです。

宅建と管理業務主任者のダブルライセンス保有者であれば、不動産業界での転職でも非常に有利になることは間違いありません。

-マンション管理士-

マンション管理士(以下、マン管)は「管理業務主任者」と並んで、宅建と合わせて取得する人が多い資格です。

マン管は宅建よりも明らかに難易度が高いのですが、取得後は宅建の方が活躍の場が広いのが実状です。

宅建士からのステップアップを狙う場合、先に「管理業務主任者」を取得することをおすすめします

-不動産鑑定士-

宅建同様、不動産系の資格ですが、扱う内容には違いがあります。

宅建士は不動産取引契約のタイミングに特化していますが、不動産鑑定士は土地価格の評価が主な仕事です。

試験範囲はかなり重複していますが、全体的に不動産鑑定士はより深い内容が問われるため、かなり難易度が高くなっています。

したがって、宅建士を取得したあとの最終目標とされることが多い資格です。

-建築士-

建築士は建物の設計が主な仕事です。ただ、不動産関連の法律や税制についての知識も求められています。

実際、宅建士とのダブルライセンスを保有する建築士も多くおられます。それだけ、宅建士の需要が高いことを示しています。

-司法書士-

司法書士と宅建は、試験範囲が重複していることもあって、ダブルライセンスを目指す方もある程度おられます。

ただ、難易度は司法書士の方が圧倒的に高く、司法書士資格保有者が宅建士を目指すことが一般的です。

-行政書士-

行政書士は多くの資格とのダブルライセンスが可能な資格であり、宅建士もその例外ではありません。

行政書士は不動産売買に関する仕事に携わるこも多く、実際、宅建士と関連が深い資格だと言えるでしょう。

しかし、試験範囲はほとんど重複しておらず、ダブルライセンスへの難易度は高いと言わざるを得ません。

-宅建士とのダブルライセンスにおすすめの資格-

ここまでで紹介した資格以外にも、宅建士とのダブルライセンスのメリットがある資格は数多くあります。

例えば、FP2級、税理士、中小企業診断士、不動産関係では競売不動産取扱主任者、賃貸不動産経営管理士、土地家屋調査士などが挙げられます。

宅建士についてのまとめ

以上、宅建士の基本的な知識を紹介してきました。

ここで、ポイントをまとめておきましょう。

重要ポイント

・宅建は難易度は決して低くはないが、取得後のメリットは非常に大きい

・宅建士は不動産取引に必要不可欠であり、需要は高い

・宅建士は不動産業界だけでなく、他の業界でも就職・転職に有利である

・独学での合格も可能ではあるが、通信講座を利用する人が多い

・宅建士と相性の良い資格が多く、ダブルライセンスを目指す選択肢が広い

「士業」化し、ますますステータスが上がり、今後も重要が高まるであろう宅建士。

是非、資格取得に挑戦してみてはいかがでしょうか!

■監修者より一言

宅建士は不動産取引には欠かせない存在です。近年では、ひと昔前までは敬遠されていたオフィスビルの区分所有やクラウドファンディングでの小口投資などが盛んに行われるなど、仕事の可能性はどんどん広がっています。
 また、不動産業界は他の業界に比べて色々な意味でIT化が送れている現状があり、未だに紙ベースの資料が氾濫しています。賃貸物件を借りようと駅前の不動産屋に行くと、未だにFAXで資料をやりとりしている担当者がいるでしょう。このように業界全体を変革するチャンスは多分にあります。
是非あなたも宅建士試験に合格して、この業界を変えるゲームチェンジャーになってください!一緒にお仕事ができる日が来ることを楽しみにしております。

徳田倫朗宅建士監修 徳田倫朗(トクタ ミチロウ)

株式会社イーアライアンス代表取締役。宅地建物取引士。不動産・再生可能エネルギー投資ファンドの組成・販売、投資用商業不動産の売買・仲介、海外不動産投資など、不動産に関する20年以上の実績と経験を有する。近年では「新しいコトに新しい資本の流れを」をコンセプトに、イノベーティブなビジネスモデルと市場に散在する遊休資本をつなぐための新しいファイナンスモデルを開発・提供している。優れた技術革新や新サービスを事業として洗練させるとともに、それらに対する新たな資本の流れを創造する。