【現役宅建士監修】宅建士試験の攻略法は?試験の特徴や合格率を解説!

資格の中でもメジャー級の知名度を誇る「宅地建物取引士」。

住宅を購入するとき、賃貸するときに必ず宅建士の記名押印のある重要事項説明書に基づいて説明を受ける必要があります。誰もが一度は関わったことのある最も身近な専門家と言えるでしょう。

でも、宅建士のテキストを初めて見たとき、その分厚さと専門用語の多さにびっくりしませんでしたか?宅建士ってホントはすごく難しい試験なのでは?

宅建士・徳田倫朗さん
いいえそんなことはありません。
宅建士は、きちんとした準備をすれば、だれでも合格できる試験です。

今回は宅建の専門家「徳田倫朗」さんに宅建士試験の特徴や難易度、合格率について解説して頂きました。

宅建士試験の特徴

 宅建士は50問のマークシート方式によって行われ、試験時間は2時間です。

 試験内容は、不動産の関係法令に関すること(民法、建築基準法、借地借家法、国土利用計画法など)宅地建物取引業に関すること、不動産取引に関する税金に関すること、そのほか宅地建物取引に関する実務面(不動産鑑定評価、土地建物の形質・構造・種別)など、不動産取引に関わる全ての事項が含まれるといっても過言ではありません。

 合格基準は例年7割前後の正解数をもって合格とされています。令和元年度の合格基準も50問中35点の正解、と発表されています。

 論文試験や面接試験などはなく、マークシートのみのため受けやすい試験である一方、合格基準は7割の正解ですので、比較的高い正答率が求められる試験です。

 毎年20万人前後の方が受験しており、令和元年度も220,797人の方が受験しています。合格者の最高齢はなんと89歳です!最年少は14歳!どうでしょうか?これを聞いただけでも合格が近づいてきた気がしませんか?

宅建士の合格者数と合格率

令和元年度 宅地建物取引士試験の合格者数と合格率を示すと以下の通りです。

合格者数

全体合計(人)

登録講習
終了者(人)

一般
受験者(人)

合格者数

37,481

11,838

25,643

男性

24,188

7,179

17,009

女性

13,293

4,659

8,634

合格率

17.0%

22,9%

15.2%

 合格率は、毎年15%前後をキープしており、決して難しい試験ではありません。しかし、受ける方は不動産に関する職業に就こうと本気で取り組んでいる方が多く、合格者の職業別構成比をみても、すでに不動産・金融・建設業界で活躍している人を合計すると60%ぐらいになります。これを考えると、「だれでも合格できる試験」ではないことがわかると思います。

(参考)職業別構成比(%)

不動産関係

36.8

金融関係

10.1

建設関係

9.9

他職種

21.3

学生

11.4

主婦

3.9

その他

6.6

 表の中で、「登録講習修了者」とは、宅地建物取引士の資格講座を行う資格予備校が開催している講習を受けた受験者で、5点分の免除が受けられます。その分有利になるので、合格率は上がっています。 

ほかの試験と比べると?

 それではほかの試験と比べるとどれぐらいの難易度なのでしょうか?

よく、資格の偏差値といった感じで紹介しているサイトがありますが、根拠は全くありません。難易度をほかの試験と比べるのは非常に難しいのですが、同じ法律系・不動産系の資格ならば、以下のようになるでしょう。

別格ランク

司法試験

SSランク

弁理士・不動産鑑定士・司法書士

Sランク

社労士・中小企業診断士

AAランク

行政書士・ビジネス実務法務検定1級

Aランク

マンション管理士・不動産コンサルティング技能士

Bランク

宅建士・管理業務主任者

Cランク

ビジネス実務法務検定2級・住宅ローンアドバイザー

Dランク

情報セキュリティ管理士・ビジネス著作権検定初級、相続診断士・個人情報保護士・ビジネス実務法務検定3級など

土地家屋調査士、一級建築士、二級建築士は設計など特殊な技能が求められるために、ランキングから除外しております。

 弁護士は法科大学院修了あるいは予備試験に合格しないと受験資格さえ与えられない、また試験内容も格段に難易度が高いということで、別格ランクとしました。

 難易度が高い、低いの評価は、問題の難しさという面でも現れます

同じ民法の問題でも、宅建士、行政書士、司法書士、司法試験、の順に難易度が上がっていき、法律の奥深さを感じさせます。

 たとえば、宅建士の問題は、法律の条文通りの問題について〇か×かで答える問題が多く出題され、回答の方法もマークシートです。

 一方、司法試験の問題は、条文、判例、主要な学説が頭に叩き込まれていることを前提として、実際の問題についてどのように論理的思考を組み合わせて解答を導き出すのかを記述式の論文で解答する、という非常に高度な問題の問われ方をします。たとえ民法を勉強したことがある人でも、問題を読んだだけでは、何を問われているのかもわからない、ということもあるでしょう。

 一方で、法律系の資格でよく入門編と位置付けられるのが、「ビジネス実務法務検定」です。国家資格ではなく、不動産に必ずしも特化したものではありませんが、法律が実際の仕事のなかでどのように影響してくるのかが学べる資格であるといえるでしょう。1級は難しいですが、2・3級は宅建士よりも難易度が低く、基本からスタートしたいという方にはお勧めです。

 このように見てみると宅建士はほかの士業に比べると難易度が低く、挑戦しやすい試験ということが言えます。大卒などの受験資格がなくだれでも受験できるということもポイントで、門戸は広く開かれています。

法律系資格の登竜門

 難易度からわかる通り、宅建士は法律系の資格の中でも受験しやすい、またほかの法律系の資格のステップアップ的な資格に位置づけられるために、「法律系資格の登竜門」と言ってもいいでしょう。

 法律系の資格には、問題の作り方に特徴があります。例えば、特に、独占業務を行うために責任者を営業所に置かなければならないとされているような資格については、共通のことが問題に出題されます。

例えば、登録の要件、更新の期間、業務内容、禁止事項などです。そのような問題のクセがつかみやすいのも宅建士試験の特徴なのです。

攻略法が充実!

 宅建士は毎年20万人が受験する資格で、さらに3万人以上の方が合格される試験です。

そのため、合格法が確立されているといっても過言ではありません。宅建合格のためのテキストも伝統的なテキストがいくつかあります。ネット上では合格法に関する記事がたくさんあります。

例えば、宅建業法に関わるところはほぼ全問正解を目指し、民法は難しいので、半分できればよしとする、などです。これは、情報収集の能力がそのまま点数に反映されるということで有利にも不利にも働きますが、きちんと情報収集すれば、他の受験者に差をつけられるポイントとなります。

 合格率は約15%と決して高いとは言えませんが、合格に関する情報量の多さを考えると、他の資格に比べて取り組みやすい資格であることは間違いありません。

合格しやすく、お得な資格

 宅建士試験は、簡単な試験ではありませんが他の試験と比べると合格しやすい試験であることは間違いありません。それでいて、宅建士には社会には活躍できる場が多く用意されており、業界内で知識経験を積む、あるいは他の資格試験との組み合わせ(会計系、経営系、証券系)ることによって高額な年収を得られる可能性のある、夢のある職業です!

皆さんが晴れて宅建士に合格し、同じフィールドでお仕事ができる日を楽しみに待っています!

宅建解説

執筆・監修 徳田倫朗(トクタ ミチロウ)

株式会社イーアライアンス代表取締役。宅地建物取引士。不動産・再生可能エネルギー投資ファンドの組成・販売、投資用商業不動産の売買・仲介、海外不動産投資など、不動産に関する20年以上の実績と経験を有する。近年では「新しいコトに新しい資本の流れを」をコンセプトに、イノベーティブなビジネスモデルと市場に散在する遊休資本をつなぐための新しいファイナンスモデルを開発・提供している。優れた技術革新や新サービスを事業として洗練させるとともに、それらに対する新たな資本の流れを創造する。