予備試験の難易度は?合格率・勉強時間から解説

司法試験を受験するためには司法試験予備試験(以下、予備試験)の合格、もしくはロースクール(法科大学院)修了の実績が必要条件になっています。しかし法科大学院の修了は莫大な時間とお金がかかる事から、予備試験を受験するケースがとても多いのが現状です。

今回はこの予備試験の難易度について解説していきます。

予備試験の難易度

弁護士資格を取得した人の意見では司法試験以上の難易度だったと言う証言もあり、例年の予備試験の合格率は3〜4%と言う驚く程の狭き門になっています。
予備試験合格には長期間の勉強が必要になり、2〜5年程を要すると言われています。

予備試験合格者の8割以上は司法試験に合格する

非常に難関の予備試験ですが、この試験を合格した人の司法試験での合格率は法科大学院修了者の司法試験合格率よりも高いというデータがあります。

予備試験での学習で司法試験受験のための基礎が構築されるので、司法試験の合格レベルにほとんどの人が達しているのです。

予備試験に合格したら、知識を忘れてしまう前に司法試験の対策を練り、詰めの学習をする事が重要です。

継続していないと、知識を失ってしまい無駄にやり直しの時間を使ってしまうので、最終目的の司法試験まで気を抜かない事が大切です。

予備試験合格に必要な学習時間

一般に予備試験合格のために必要とされる学習時間は3000時間〜8000時間程度と言われており、数年の間勉強し続ける必要があります。

まず、はじめの1年で一次試験の短答試験に合格するレベルまで引き上げる事が一般的になります。

試験は短答試験→論文試験→口述試験と行われるため、この短答試験をクリア出来なければ、次のステップへは進めません。

2年目以降で、短答試験の合格圏内入ったと実感出来てから論文、口述試験の充分な対策を立てて応用力を身に付けて行く事になります。

論文や口述はそれぞれの独特な難しさがあるため、徹底的に分析して対策を立てる事が重要になります。

他の資格との難易度比較

難易度を示すために、他の難関国家資格と比較をしてみましょう。

資格名 合格率 勉強時間
予備試験 3〜4% 3000時間〜8000時間
税理士 15%(5科目合格) 4000時間
司法書士 3〜4% 4000時間
社会保険労務士 6% 1000時間
行政書士 10% 1000時間

一概に合格率や勉強時間で測ることはできませんが、参考にしてみてください。

比較的難しいと言われている社労士や行政書士ですら、予備試験合格となるとその数倍の勉強時間が必要だとわかります。

比較的近いのは税理士や司法書士です。しかし予備試験は司法試験を受けるための前段階です。司法試験がいかに難関資格かがわかります。

予備試験の試験内容

予備試験は出題される法律の数が多く、それぞれの法律科目の出題レベルが高く設定されているという特徴があり、それ故に難易度が高くなっています。

3段階の試験

予備試験は一次が短答試験、二次が論文試験、三次が口述試験というように、日にちをずらして3段階の試験が行なわれます。

  • 一次試験:短答試験

択一問題形式で試験範囲は憲法・民法・刑法・民事訴訟法・刑事訴訟法・商法・行政法・一般教養から出題されます。

選択肢を個々に正誤判断しなくてはならないので、広い知識を学習していなければなりません。

  • 二次試験:論述試験

第一次に合格する事が受験条件で、公法系科目・民事系科目・刑事系科目・選択科目の4つの科目が出題されます。

公法系科目では憲法・行政法、民事系科目では民法・商法・民事訴訟法、刑事系科目では刑法・刑事訴訟法、選択科目では法律実務基礎科目・一般教養の範囲となります。

読み手に理解しやすく伝える文章力も問われる事になります。

  • 三次試験:口述試験

評価の対象になるのは、法律実務基礎科目の民事と刑事の弁論能力で、論文試験の知識で対応可能になっていますが、極度の緊張等してまともになせない状態にならなければほとんど問題なく合格可能な試験です。

予備試験の学習内容は、司法試験や法科大学院試験の対策学習内容と共通している部分が多く含まれています。

予備試験受験における学習は司法試験や法科大学院入試試験と直結していて、弁護士を目指すのなら予備試験の合格に留まる事よりもその先にある目標を見据えた対策が大切になります。

予備試験の合格ライン

  • 短答試験

短答試験の合格ラインは270点満点中で160〜170点になっています。すなわち6割正解すれば合格を勝ち取れます。
逆を言うならば4割落としても受かる試験と言う事が出来ますので、難しい問題やわからない問題があったら後に回して、正解出来る問題から解答して6割以上の正解を確実に取る事を目指しましょう。

  • 論文試験

論文試験の合格ラインは500点満点中の245点位で推移していて、約5割の正解率で良いので、合格ラインとしては低めです。理論的な論文をきちんと書く事が出来る様な訓練をする事で手が届く範囲に入れます。

  • 口述試験

口述試験は短答試験、論文試験を合格した人の95%程が合格していて、極度の緊張をしない限りはほとんどど落ちることは無い試験です。

予備試験に受験資格はない

予備試験は受験資格制限が設けられていないため、出願者全員が受験可能な試験で、高校生から大学生や社会人まで、老若男女あらゆる多数の人が受験しています。

学習時間を多く確保出来る学生や、働きながら学習する人、ある程度知識を持っていてダブルライセンスを取得しようとする人など様々な人が居ますが、学歴等も問われる事は無く、回数制限も無いのでとても広い受験者層となっています。

近年の予備試験の合格者の平均年齢は28〜29歳です。同じ法律系士業の司法書士試験の合格者の平均年齢は37〜38歳なので、予備試験はかなり平均年齢が低いと判断出来ます。

独学での予備試験合格は困難

一般的には予備試験の合格を目指す場合は予備校や通信講座を利用する事が多く、数年に渡る学習やモチベーションの維持は独学ではとても困難を強いられる作業になります。

独学で合格出来ない訳ではありませんが、様々な条件をクリアしなければならない事を考えるとほとんど不可能に近い挑戦になってしまいます。

独学では学習が非効率的になってしまう事も否めませんし、論文試験では添削指導を受ける事が不可能な事から受験対策で講座を利用している人と比較すると不利な状況だと断言出来ます。

予備校や通信講座を利用して、効率的に確実に合格を目指しましょう。

予備試験の勉強法

論文試験が正念場

論文を書くトレーニングも欠かせない要点ですが、書き終わって論文の添削をしてもらうことも重要です。他人に読んでもらって評価をきちんとして貰う必要があり、どこが良くてどこが悪いのか、どのようにすれば良くなるかをきちんと分析しなければならないのです。

予備試験講座でプロに添削指導してもらったり、予備試験合格者に見てもらったりして信用できるアドバイスを貰う事が合格に近くなる方法です。

論文は何度も反復して書く事で慣れる事が出来ますし、本番の試験では経験値が高くなっている状態の方が有利になります。

決められたスケジュール通り進める

予備試験対策として予備校や通信講座を利用すると合格までのスケジュールを立案してくれます。

このスケジュールは受験のプロである予備校や通信講座の長年のデータの蓄積によるものです。経験に基づいたとても効率化の計算がなされたスケジュールなので、このスケジュールをきちんと守って学習する事で、合格の可能性が高まります。

独学の場合にはこれらのデータや経験則がないため非効率的になってしまいがちなのです。

合格する為には毎日継続しての学習が欠かせなく、空白日を作る事無く効率的にインプットを行なえる様に努力する事が重要になります。

学習スケジュールの作成は、日々の目的が明確になり合格迄の全体像も把握し易くなるため学習を継続するのに効率的になるメリットがあります。

孤独にならない

学習する際に始めはテキストの全ての内容を把握出来ないものですが、理解していなくても一定のペースを保って学習する事がキーポイントになります。

しかし、つまずいた状態で孤独に学習ペースを維持するのは精神的にとても辛い作業になります。

目的を共有可能な勉強仲間を作る事で情報交換や教え合う事が可能になり、モチベーションの維持にもなります。

司法試験の合格は長い道のりのため、孤独にならずにモチベーションを保つことが大切です。

まとめ

では最後に、予備試験の難易度についてまとめておきましょう。

予備試験の難易度
  • 合格率は3〜4%
  • 必要な番協時間は3000時間〜8000時間
  • 試験は一次短答試験、二次論文試験、三次口述試験の3段階
  • 合格ラインは5〜6割
  • 独学より講座の利用がおすすめ

予備試験の合格はとても難易度が高く、長く遠い道のりなので学習のモチベーション維持も必要です。そのためには、綿密な対策を立てて計画的なスケジュール管理で挑まなければなりません。

弁護士資格取得に至れば苦労も実り、非常に価値が高い資格を手に入れることができます。

金銭的にもキャリアの面でもとても大きなメリットがあるので、是非とも合格を目指して努力してみて下さい。

監修 資格LIVE編集部
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