税理士試験の難易度・合格率を徹底解説!独学でも合格できる?

税理士は知名度が高く人気のある国家資格ですが、税理士試験は最難関資格のひとつです。目指すには、まず試験の内容や特徴を理解することが必要です。

ここでは、税理士の難易度を詳しく解説していきます。試験に関する基本的な知識をおさえて、最短での合格を目指しましょう!

税理士試験はどのくらい難しい?

令和元年度の税理士試験の合格率は18.1%でした。
(参照:国税庁 令和元年度(第69回)税理士試験結果

約5人に1人が合格できる計算になります。そう考えると、それほど難易度は高くないようにも見えますが、税理士試験には受験資格があります。

そのため、そもそも一定のレベルに達している人のみが受験するので、合格率はさほど低くはなりません。

受験資格は「学識による受験資格」、「資格による受験資格」、「職歴による受験資格」に分けられています。学歴や実務経験については、試験科目が一部免除される要件もあります。資格要件も含め、詳細は国税庁の公式サイトで必ず確認してください。(国税庁 税理士試験受験資格の概要

11科目中5科目の合格が必要

税理士試験は11科目から出題されます。合格するためには、そのうち5科目で合格基準点をクリアしなければなりません。

しかし一度の試験で5科目合格する必要はなく、年をまたいで合格科目数を積み上げていくことができます。

ただし、その5科目は自由に選択できるわけではありません。

科目は、「必須科目」「選択必須科目」「選択科目」で構成されています。

必須科目:簿記論・財務諸表論
選択必須科目:法人税法・所得税法(いずれかを必ず選択)
選択科目:相続税法・消費税法又は酒税法・固定資産税・住民税又は事業税・国税徴収法(2科目を選択)

選択科目の消費税法と酒税法、住民税と事業税はいずれかを選択しなければなりません。

ここで重要なのは、科目により難易度に差があることです。

以下は科目別の令和元年度と平成30年度の合格率と勉強時間の目安です。

科目 令和元年度合格率 平成30年度合格率 勉強時間目安(時間)
必須科目 簿記論 17.4 14.8 500
財務諸表論 18.9 13.4 500
選択必須科目 所得税法 12.8 12.3 600
法人税法 14.7 11.6 700
選択科目 相続税法 11.7 11.8 500
消費税法 11.9 10.6 300
酒税法 12.4 12.8 200
国税徴収法 12.7 10.7 150
住民税 19.0 13.5 200
事業税 14.8 11.0 250
固定資産税 13.7 14.9 250


合格率も勉強時間も目安にはなりますが、単に簡単な科目を狙うよりも合格後のキャリアプランを考えて選択することをおすすめします。

現に選択必須科目では、法人税法の方が合格率は低いのですが、税理士の実務上必ず必要な内容であるため多くの受験生が法人税法を選択し、所得税法の2倍以上になっています。

総勉強時間は科目にもよりますが、だいたい3000時間くらいが目安でしょう。

 選択式より難しい記述式試験

  国家試験でも多肢選択式を採用している場合が多いですが、税理士試験は全て記述式です。

  マークシート方式のように、とりあえず記入しておいても正解できる可能性がある、というこがありません。正しい知識をインプットし、それを正しくアウトプットできなければなりません。

  中途半端な準備では得点できない試験であり、それが難易度を押し上げているのです。

税理士試験の受験者層

  さて、税理士試験はどのような人が受けているのでしょうか。実は受験者層も難易度を左右する重要な要素なのです。

 以下は令和元年度の年齢別の受験者数の割合です。

受験者の3分の1以上が40歳以上です。つまり、かなりの割合で働きながらチャレンジしていると言えます。

税理士は超難関資格ではあるとはいえ、仕事と勉強の両立が十分に可能なのです。

受験者の平均年齢はおよそ38歳です。30代以降でも、税理士を目指す時期として決して遅くはないのです。

難易度を他資格と比較すると

他の有名な資格と比較することで、難易度を客観的に捉えることができます。

以下で、税理士と他の資格の難易度を比較していきますので、参考にしていただければと思います。

公認会計士と税理士

 会計業務を扱う資格として、税理士と公認会計士がよく比較されます。

 公認会計士は税理士登録が可能ですので、資格のランクとしては公認会計士の方がであることは間違いありません。

 また受験者層にも違いがあります。公認会計士の受験者は、大学生や専門学校生などの試験対策に手中できる環境の人が多いですが、税理士の場合は、働きながら数年かけ取り 組む人が多いです。

 どちらの資格も超難関であることに変わりはありませんが、集中して勉強をして受験する人が多い公認会計士の方が難易度は高いと言えるでしょう。

社労士と税理士

 合格までに、社労士は13年、税理士は5年以上かかることもあります。
必要とされる勉強時間でも、社労士1000時間程度に対して税理士は3000時間以上です。

 試験の形式も、社労士は択一(マークシート)ですが税理士は記述式です。税理士は正しい知識とより深い理解が必要なのです。

したがって、社労士より税理士の方が難しいと言えます。

中小企業診断士と税理士

 中小企業診断士には受験資格がありません。合格に必要な勉強時間の目安はおよそ1000時間です。税理士は、受験資格があり、3000時間以上の勉強が必要なことを考えれば、税理士の方が難易度がはるかに高いことは明白です。

 一次・二次試験とも、合格率が20%程度の中小企業診断士も易しいわけではありません。しかし、合格率が1015%の科目を5つクリアしなければならない税理試験の方がはるかに難しい資格です。

独学でも税理士試験に合格できるのか

一般的に言えば、資格取得を目指すには、大きくは独学・通信講座・通学講座という3つの方法が考えられます。

中でも独学は、費用がおさえられる点で魅力的ではあります。

しかし、税理士試験に関しては、独学はおすすめできません。

  難易度や合格するために必要な勉強時間を考えれば、税理士試験は独学で挑むべきではありません。独学で合格する人は極めて少ないのが実情です。

  そのため、独学者を対象にした教材は非常に少なく、質・量ともに満足に揃える事ができないでしょう。

通信講座が人気

  以前は資格予備校などに通学して勉強するケースが多かったのですが、最近は自分のペースで、時間や場所を気にせず勉強できる通信講座の人気が高まっています

  また、校舎をもたない通信講座の場合には、コストが低く受講料が非常に安いことも魅力です。予備校であれば5科目の学習を終えるのに100万円近くの費用が必要ですが、校舎を持たない通信講座であれば2040万円程度に抑えることが可能です。

税理士資格取得のメリット

 税理士は超難関資格ですが、取得後はそれに相応しい大きなメリットがあります。大変な苦労をしても、十分に報われる資格だと言えます。

 税理士は一般に思われている以上にメリットがある資格です。税理士への求人や年収、社会的地位などの側面から解説していきます。

独立で数千万円の年収も

  税理士の平均年収は1000万円以上だと言われています。国民の平均年収をはるかに上回る金額です。平均年収が600万円以上とされる社労士や行政書士と比較してもかなりの高年収であると言えるでしょう。

  企業に雇用される勤務型税理士でも高い年収が期待できますが、独立すれば飛躍的にアップさせることも可能です。

  開業税理士の平均年収は3000万円とも言われます。

このように、税理士は取得するのは大変ですが、十分にその価値がある資格です。

社会的地位が高い

税理士は数ある「士業」の中でも抜群の知名度を誇ります。

企業の経営者や個人事業主が最も頼りにする相談相手が税理士なのです。社会的地位も高く、顧問契約先からの信頼が厚い存在なのです。

税理士資格は取得するまでに5年以上かかることも珍しくなく、簡単ではありませんがそれに見合うだけの魅力と価値がある資格です。

税理士は減っていて、売り手市場にある

いま、税理士は減少しています。しかも税理士試験の受験者も減っています。こうした状況により、税理士は人手不足状態で、税理士に対する求人は空前の売り手市場になっています。

近年、税理士法人の設立が増えており、資格取得者だけでなく科目合格者でも就職や転職に有利な状況になっています。

税制の改正は毎年実施され、その対応は税理士の力が必要なのです。

まとめ

最後に、税理士の難易度についてまとめておきましょう。

税理士の難易度まとめ
  • 合格率は約18%
  • しかし受験資格があり5科目に合格しなければならないため難易度は高い
  • 必要な勉強時間はおよそ3000時間
  • 独学での合格は難しいため通信講座がおすすめ

 税理士試験は難易度が高く、試験に合格するためにかける労力や費用も小さくありません。

 しかし、試験の特徴を把握し、自分に最適な勉強方法で努力すれば、合格後に必ず報われる資格です。

 あなたも魅力と将来に溢れた税理士資格取得を目指してみませんか?

■監修者より一言

税理士資格の取得はかなりの困難も伴います。

他資格のように「お試し受験」や「中途半端」な受験生は少ないからです。

税理士試験は競争試験ですから、場合によっては家族サービスや友人付き合いを犠牲にしてでも受験勉強をする必要があります。しかし合格後は、人生の選択肢がかなり増えると期待できます。

実は学習時間短縮のために、いわゆる『国税徴収法』や『固定資産税』を選ぶことが得策な場合があります。

税理士の数が激減しているため、何の科目の合格でもいいから「本職」が欲しいという実務界からの要望もあることも知っておくといいでしょう。

実際にはミニ税法と呼ばれる酒税法や国税徴収法で税理士資格を取得した後も、通信講座で相続税法や消費税法を学ぶ人も多いのです。

税理士の高いステータスは、その人個人の頑張りによって成り立ちます。常に自己研鑽を怠らずに税理士資格を取得され、実務で活躍する人材になってみませんか?

監修 資格LIVE編集部
会社や社会に役立つ資格や、資格取得方法、勉強法、必勝法を徹底リサーチ中!